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2005.09.08

07 全体主義と個人主義

経済が発展し,生活が豊かになり,加えて情報化社会になって行くと,貧しい時の全体主義から豊かな時の個人主義へと移って行くのである.これが人間の自然の姿である.

住宅や団地さらには膨大な宅地開発と持ち家,マンションなど住環境の変化,人口の都市への移動,家庭内の個人部屋化,寝具革命,台所革命,風呂・洗面台革命,トイレ革命,の進展と共に,私生活も個人主義に移っていったのである.

さらに,家電革命から個電時代へ,デジタル革命による情報化社会への急速な進展,家庭に1台から個人に1台になった車社会の出現などによって,価値の多様化を起こし,個人主義への潮流を加速して行ったのである.社員旅行など,皆で行なう行事がきわめて少なくなっている事もその卑近な例なのである.

個人の自由・自立・権利・責任などへの意識変化は,封建的社会への反動,知的変化,自我の目覚め,だけではなく,文明の発達と連動しているのである.社会主義国が文明の発達で崩壊する事は当然の帰結なのである.

逆に言うと,災害や危機で文明が使えなくなった時,個人主義が引き下がらざるを得なくなるのも,又,当然なのである.

問題は文明が発達した社会で災害や危機が発生した時,全体主義への復帰ができるかどうかである.都会では地域村社会は崩壊しているし,制度面では,民主主義制度のもとで,全体主義的法制度(有事法制度)が用意できていないのである.

個人の立場と全体の立場を状況に応じてどの様に使いこなすか,が文明の発達が進むほど,問題になる.文明の利便性や自由を謳歌できる社会を望む一方,常にこの事を考えなくてはならないのである.まさに,自由・競争と和の概念は,どちらかではなく,状況によって使い分ける文化・制度が必要なのである.

子供の教育でもこの事をしっかり教えておく必要がある.仲良くしましょう,人の為になりましょう,だけでは矛盾や迷いを与えている事になり,指導力が問われる事になる.競争する事の意味,意義,和する事の意味,意義を社会全体の視点で教える必要があると思うのである.

走り競争を短絡的に廃止してしまう教育は哲学がなさ過ぎである.勝者・敗者それぞれに多くの事や価値観を学ばなければならないのである.競争の意識と和の意識は状況によって必要だと言う事を教えなければならないのである.

二律背反の事をどちらかではなく,時と場合によって,両方必要であり,制度面でも精神文化面でも,これを確立しておかねばならないと思うのである.文明の発達,競争社会や貧富の差の出現,個人主義の発達などの反面,社会保障や弱者対策,災害などの危機対策が精神面も含めて必要なのである.

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