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2005.09.17

14 不便な事と便利な事の功罪

’不便な事は安全で公平,便利な事は危険で不公平’これは医学にしても,ITにしても技術革新が急速に発展して行く途上で起こる現象・感情である.この関係は政治や行政にも存在している.

技術の利便性とリスクは天秤の中で使い分ける事になるが,技術革新がさらに進み,危険性が減少し,普及が進んで行くと,こんどは,’技術を使わない事が不便で危険で不公平’になって行く.これが文明の歴史である.

電子化やネット活用は民間では当たり前であっても,行政では危険で不公平と思われる事が多い.結果,常に不便な高コストのレベルにとどまる.便利になる事への危険論・不公平論に自己の損得・利害が隠れている事もある.

例えば,医療費明細(レセプト)を病院で電子化されているが,そのデータをそのまま保険料審査や請求,医療統計に使えば,劇的なコストダウン,期間短縮,効果的な医療につながる.だが,再入力業界の反対や統計的に過剰診療や過剰投薬が,病院や医師毎に,たちどころに判明する事になり,医師会の反対もある.

これは’便利な事が安全で公平’を阻止している典型例である.多分,医療機関では’便利な事は危険で不公平’を隠れ蓑に自身の損得を基準にしていると思わざるを得ないのである.行政内部全般に,このような力学が働く傾向がある.

国民背番号制を考えると住民情報,税,保険,年金等個人情報がひも付きになる危険性がいつも主張されるが,これなどはまさに’不便な事は安全で公平,便利な事は危険で不公平’の立場である.

情報技術の利用においては,利便性をいかんなく発揮していく立場でリスク対策を議論すべきである.不便のまま高コスト社会を続ければ,もっと良い事がやれなくなる事を論者は認識して欲しいのである.

’効率化は人類を堕落させる’と英国の産業革命に反対した哲学者がいたが’効率化をしなければ利便性も,富の拡大も,人道的活動も出来なくなる’事を認識すべきである.

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