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2005.09.16

13 行政改革と電子行政

e-japanに代表される電子行政システムは思ったほど進展しない.まさに日本的な原因がそこに存在しているのである.

システムは元来,中央集権的性格を持っている.それを遺憾なく発揮したのが韓国である.全国一律に行政システムを統一し,一揆に導入したのである.わが国は古くから,地方自治の建前の中で,あらゆる行政システムは個別に取り扱われているのである.最近の電子入札,電子申請なども同じである.

地方自治の建前と,情報産業振興の狙いから,このような事になっていると思われる.地方自治体の規模や制度あるいはシステム化予算の関係,あるいは職員の考え方で各自治体がバラバラになるとしているが,実際はほとんど類型化できるのである.また自治体が協力すれば共同開発やソフトの流用が可能なのである.税源の関係でムリなのだろうか.

情報産業にしても,自治体毎にバラバラなだけにパッケージ化に苦労しながら,労働集約作業の競争入札で苦しい仕事になっているのである.さらに進展しない原因は情報システムの設計・開発あるいは運用は職員の仕事だと思っていない事である.

役所の仕事は情報処理そのものである.その電子化を自らできない事は,製造業で言えば,設計技術や生産技術を持たない工場のようなものである.

大企業であればシステム部門を経営の中枢にし,情報戦略を進めているが,なぜ市役所と言う大組織で局レベルのシステム部門がないのだろうか.不思議であり,その重要度からすれば,考えられない.

又,情報システムの開発における問題は,現行の法制度,仕組み,慣習,手続きを前提にする事である.行政改革の目的に反しているのである.現行業務をシステム化するだけで,業務改革は進まないのである.電子申請にしても従来通りの書式で,縦割りで,それをネットでやるだけである.元来,電子申請や電子入札,電子納税,どれを取っても住民,企業からすれば自治体,国を意識する必要がないはずである.一つに見えなければならないのである.

以上,電子行政システムが進展しない原因を述べたが,行政コスト削減,住民サービス向上,あるいはシステム化コスト削減の為に,遅まきながら将来にむけて,次の対策を講じなければならないと考えるのである

①市町村合併を契機に行政業務・事務の標準仕様を策定する
②標準仕様に基づいて,情報産業各社はパッケージ化を推進する
③行政の基礎である文書管理についても上記2つを実施する
④インターネット経由処理の処理方式を統一する
⑤これらと連動した役所の仕事の仕方,法令を準備をする
⑥パッケージの選定やカスタマイズは自治体の仕事とする

とし,OS、DTPソフト、DBソフト、言語 等の国産化も長期視点で検討する.ただしぱ業務パッケージはこれに依存しないようにする必要がある.これらの施策によって,

・職員も含めて情報システムスキル人口の拡充,
・システム開発・維持費用の削減
・品質の確保,短納期化

を進めるべきである.情報産業各社もシステム化領域の拡大によるビジネス参入機会の増大,新技術・操作性・信頼性などの創意工夫によるパッケ-ジ競争力強化、等前向きな事業に取組めるのである.もちろん電子行政システムによって行政改革や効率化が飛躍的に進むのである.特に公務員削減も含めて,行政コストの削減が可能になるのである.

現状の行政の電子化は,膨大な費用と期間がかかり,実現できてもバラバラのシステムと,自治体間、国との整合性が乏しいシステムが出来上がるのである.

是非,国家戦略として、行政改革の一貫として,電子行政システムへの施策を講じるべきなのである.又デジタルデモクラシーに代表される議会や選挙,あるいは住民投票などへの情報技術の活用,報道機関化する自治体ホームページの活用,情報公開など行政の電子化は急がねばならないのである.

行政がデジタルデバイドになっては行政の効率化は出来ないのである.

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