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2005.10.15

20 プロセス重視への変化

日米の大学比較で入学と卒業の考え方の差はよく知られた事であるが,入り口重視の日本とプロセス重視の米国の象徴的差である.許認可,資格,与信,あるいは履歴書など,多くの場面で,この差が現れる.クレッジト与信で言えば,資産,収入重視の日本に対し,米国では取引履歴が重視される.履歴書では学歴や資格を重視するか,何をしてきたかを重視するかの違いがある.

許認可や資格の入り口重視は一度入り口を通過すると,その後,見直される事はなく利権化していく傾向がある.プロセス重視は活動内容,監視機能あるいは訴訟によって,見直される可能性を残す.文化的には秩序を重んじる日本と競争社会の米国との差である.資産評価で言えば取得価格か時価かの違いである.

一方,この日本の文化や制度はプロセス重視の方向に動いている.医師免許,教員免許あるいは選挙の関門を通過した政治家も,行政,法制度あるいは予算にしても,民意の向上や環境変化によって,入り口重視からプロセス重視に移るのは自然の流れだと言える.

企業評価にしても知名度より収益性,配当,株式時価総額などによる評価,格付けが重視される時代になっているのである.会社の人事評価においても,結果を重視する事は当然だが,それよりも結果が出る前のプロセスを重視する方向である.サラリーマンの職業意識も寄らば大樹ではいつかリストラされるのである.資産バブル崩壊状態での時価会計制度の導入は多額の含み損や資産売却,資産デフレを招いたが,企業力の客観的状態が分かるようになったのである.

このように入り口重視からプロセス重視へのシフトは,複雑で難解な問題が多い,変化が激しい社会では当然の流れである.依然と入り口重視になっている制度や考えを総点検しなければならないのである.

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