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2006.01.07

27 血統主義の課題

日本人のアンケートによると,半数以上の人が中国人・韓国人は嫌いだと言う.戦争や政治問題が影響しているとの見方もあるが,もっと根本的な事があるように思う.一つ考えられるのは国籍や戸籍の制度にもある血統主義である.

血統主義の特徴は文化は許容しても人は排他的である点である.日本の場合で゙言えば,古代より現在に至って,文化の影響や経済活動は活発でも,血統主義の国との人間関係は排他的な感じがする.又,近隣の類似民族同士は特に排他的になる傾向がある.よそ者に排他的になる文化である.国際結婚もきわめて少ない.一方,東洋的コンプレックスもあり,憧れを抱く生地主義の欧米人には好感を持つのである.東洋を支配した列強欧米人には反感は少ないのである.

この特徴は中国人も韓国人も同じではないかと思われる.中国は血統主義の他民族で構成されており,民族同士は排他的と思われる.歴史的に内乱が多かったし,思想で束ねざるを得ない国と思う,経済発展によって思想や価値観が多様化すると,血統主義の特性が顔を出すかもしれない.

欧米人は国籍制度でも明らかであるが,生まれた所を基準とする生地主義である.生地主義は文化に対しては排他的であるが,人に対しては許容する.現に他民族国家がその証拠である.血統主義の逆である.

民族間で争いのあるのは単一民族の血統主義の国だと思う.これに宗教が絡むと,文化も排他的になり,さらに,対立が激しくなる.中近東の戦争の歴史はまさにこれである.

中国,韓国,日本は中近東と違って,宗教的対立がなく,文化や経済は許容されるが人同士が排他的になる典型的な血統主義の間柄と思う.これに歴史認識と国益の争いが乗りかかって経高政低の状況になっていると思う.

血統主義の国同士は仏教の教えではないが,怨念の連鎖を断ち切り,戦争終結によってノーサイドになる精神こそが必要である.怨念を引きずっていては,血統主義はますます排他的になるのである.歴史認識をつついても血統主義の下では民族の尊厳にかかわる事態にもなり,相容れないのである.血統主義国同士ではイチ,ゼロの議論になりやすいのである.他民族国家なら歴史認識の問題は,いろいろな考え方があると認識するのではないかと思うのである.

このようなとらえ方は独断であるが,かといって外交がうまく行かなくても仕方が無いと言う.事ではない.血統主義の国は経済発展や文化の欧米化,国際化と言う共通の動きがあり,この動きによって,排他性を少しづつ低くしていくしかないと思う.

時間のかかる課題だと思う.ことさら政治でこの問題を解決しようとすると逆効果になる危険がある.特に歴史認識を盾にする外交は血統主義の前では溝を深める.溝を作る事を国益とするならば別であるが.

兎に角,血統主義は相互に排他的である事を陽に認識してた上で,,価値観,あるいは欧米式の合理性がどう生活や企業の中で息づいているのか,精神文化が変化しているのか,共通の精神文化が生まれているのか,等の相互理解が必要である.

ひょっとすると,中国的なもの,韓国的なものは日本に行き着き,日本にしか残っていないのかもしれない.奈良に中国,韓国からの見学者が多い事でそんな事を感じるのである.血統主義がなくならないまでも,中国,韓国はすっかり大陸文化の欧米化,国際化が進み,島国の日本だけが古来の精神文化が残っているのかもしれない.経済活動を通じて,もっと人間について,相互に知らなければならないと思うのである.

話が変わるが,戦前,米国に移民した中国人は中華料理,韓国人は花屋,日本人はクリーニング屋を生活の糧にしていた.これを母体に中国や韓国は現在でも3世4世が母国の人たちの移民の受け皿になりながら,米国での活動範囲を広げている.ゴルフでも医学でも多くの人材を輩出しているのである.その影響で母国の国際化は飛躍的に進んでいるのである.彼らの憧れの視線は明らかに欧米に向いているし,日本も同じである.隣人同士は向き合っていないのである.

近くの親戚より遠くの他人(欧米)に目が向いた3国である.ならば今後共通の精神文化が出来上がっていく事が血統主義の障壁を低くすると思う.それとも独自文化を堅持し,人に対して排他的な関係のままのほうが良いのだろうか.

独自文化を持つ事が国際的だとするする考えは欧米の生地主義の場合である.文化は排他的だが人同士が許容されているから言えるのである.血統主義は独自文化を相互に許容するが人に対しては排他的であり,この問題を小さくするには,より共通の文化を作って共有する事で排他性を低くするしかないと思うのである.

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