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2006.02.19

34 意味不明の’慎重に’

最近,政治家の発言に’慎重に’の発言が多い.同時に’拙速すぎる’とも言う.

この発言は'反対だ,異論がある,反対だけれども対案が無い,良く理解していない,今議論すべきでない,あるいは,内外ともに影響が出るので明言を避けたい',など,真意が良く分からないのである.一見,真面目な言い方のようだが,言質を問われない為,無策を隠す為の政治家特有の言い方なのかもしれない.古手の政治家に多いように感じる.

’貴方の意見は’の問に’慎重にやるべきだ’はかみ合ない.意見の内容,所見を聞いているのに,進め方を答えているのである.一昔前は’前向きに検討したい’が多かったように思う.これは明らかに’やらない’’棚上げ’を意味した.’慎重に’が多くなったのは,最近,専門的でかつ難問が多くなり,立論が難しくなったからなのだろうか.改革にいらだつ,守旧派の枕詞なのだろうか.

昨今,有識者による諮問会議での立論が多くなって来た.それに対し,政党,代議士は’慎重に’と言ったり,賛否の手を上げるだけの役割りに向かっているように感じる.ならば政党政治はいらないのである.案件ごとに代議士個人として賛否を判断すれば良い事になる.

いづれにしろ,’慎重に’との発言は進め方を言う時に使う言葉であり,所見にあたらない.私の意見はこうだ,あるいは,十分意見を整理できていない,とした上で,どのように進めるのか,と率直に意見を言う政治家の方が透明性や信頼感を持てるのである.問題点も明らかになるのである.

靖国問題,中国問題,韓国問題,北朝鮮問題,皇室典範問題,米軍基地問題,憲法問題,財政問題,行政改革,公務員改革,金融・証券問題,等,’慎重に’どうするのだろうか.政党,政治家は主張をはっきり言って欲しいのである.

資産バブル崩壊後,ソフトランデング論の財政出動で対応しようとしたが,結局本質的な構造問題に手が打てず10数年経過した.その間に,長期不況と莫大の国債残高を残す事になった.’慎重に’が国民が好む傾向でもあった.変化を好まない国民性の現れでもあった.この経験から,はっきりものを言い,英断する事の重要性と改革意識が芽生えたのである.

本当に時間をかけなければならない問題と時間をかければ問題が大きくなる問題とを仕分けし,対処しなければならない.’慎重に’の意味を’慎重に’使って欲しいのである.難問山積みのなか,改革(現状否定,秩序の変更),改善(現状肯定,秩序維持),優先順位を切り分けて政策を立案して欲しいものである.

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