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2006.03.12

39 芸術の将来

俗に,古代は宗教・哲学を生み,中世は芸術を生み,近代は科学を生んだと言われている.

芸術は,洋の東西を問わず,現存する宮殿,神社仏閣,彫刻,絵画等に見られるように,権力者の力が後世に芸術と言う遺産を残したと言える.大きな権力が存在したところに芸術作品が多く残っている事がその証拠である.

ヨーロッパ芸術でいえば,教会,貴族がパトロンとなって,イタリアを中心としたロマネスク,ゴシック,ルネッサンス,オランダ,スペインのバロック,フランスのロココ,そして実業家にパトロンが移り,印象派が芸術の流れを作った.

その後,嗜好や表現方法が多様化するが,社会の近代化とともに,時代を風靡するような芸術は出ていない.むしろ,中世の芸術が科学技術にはないアーテフィッシャルな特徴が好まれれて,現在でも生きているのである.

過去の芸術に感動するのは,表現力以前にそれを作ったことの偉大さにまず唖然とする.ヨーロッパの宮殿にしろ教会にしろ,あるいは大理石の彫刻にしろ,あるいは絵画を見るに付け,どうやって作ったのかと,その難行に思いをはせ,労作に強く感銘するのである.その上で,作品の迫力,美しさ,存在感,に感動するのである.

芸術作品には,巧みな技・想像を絶する労力・目を釘付けにする表現力がある.労力や技の感じられない作品は表現に長けていても,軽薄に感じる.あえてもう一つ付け加えるならば,芸術作品は手作業(ARTIFICIAL)が絶対条件なのである.CGで作られた映像や高層ビルに芸術性を感じないのはこの為である.

このような中世の芸術のように,民主主義,効率社会,科学社会で,はたして後世に残るような芸術が作られるだろうか.絵画を例に取れば芸術性の追求で飯は食えないし,画家を抱えるパトロンもいない.ましてや,中世の宮殿の様な建築物など,作ろうとする人はいないと思うのである.

従って,現代がやれる事は過去の芸術作品をしっかり保存し,将来に残していく事である.また,芸術作品をつくれない社会であっても,せめて大衆による創作活動が華やかな時代になればと思うのである.趣味で絵を描くなど中世になかったはずである.

最近のアマチュアや画家の絵画展を見ると音楽もそうであるが,特徴,や独自性を追求するあまり,わけのわからぬ心象表現のような作品が増えてきた.人物,静物,風景などが評価される事はほとんど無い.特徴,独自性の発揮が難しいからである.

なにを画いても構図,色彩,インパクトが優劣の物差しだ,と思うが,趣味を中心とした大衆創作時代を築く為にも,大衆の好みから離れてはならないと思う.

このように,芸術の将来は傑出した芸術家や作品や潮流が出ないと思われる.せめて,大衆創作の時代になる事を期待したい.それにしても,少し,さみしい感じがするが.

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