« 45 図解思考・図解の重要性 | トップページ | 47 違和感がある官の言い方,特権意識 »

2006.04.25

46 プロジェクトマネージメント

情報システム開発におけるプロジェクトマネージメントのあり方について,私見を整理したい.

ビジネス系の情報システム開発は一般にコンセプト,業務設計・業務仕様を作成し,システム設計,プログラム開発,テスト,システム移行,運用評価改善,が行なわれる.まさに荒削りの段階から徐々に具現化していく作業である.

1

従ってチェックポイントをとりながら慎重に費用,納期,資源,性能,技術を見定めながら進める事になる.契約段階では勿論,図面があるわけではないだけに,プロジェクトの進行はリスクや不確実な事を解決していく工程でもある.

まさにシステム開発は曖昧なものを具現化していく特異な仕事なのである.又,この様な性格から,開発は顧客,ベンダーが共同で進める形態がとられる.ベンダーだけでは開発できないのである.

又,プロジェクトマネージメントは,製造業でなぞらえると,製品を作るために工場建設や製造技術から考えるようなレベルと,ものつくりの生産管理を行うようなレベルがある.開発規模の大小はあるが,情報システムの開発は企業の仕組みを作ることであり,前者のレベルがほとんどである,プログラムを作るだけのプロジェクトマネージメントはほとんどない.

かかる開発プロジェクトのベンダー側マネージーには二つのスタイルがある.建築になぞらえると,大工の棟梁型(実務もするコンテンツスペシャリスト)と建築現場の監督型(手配をするプロセスファシリティター)である.(下図はクリックで拡大)

Photo

 
開発規模によって使い分けるが,建築と違うところは,どちらのスタイルも業務(アプリケーション)を良く知っていなければならない事である.プロジェクトの失敗は業務を知らない事に起因する事が多い.業務を知っているプロマネが顧客側,ベンダー側,双方に存在し,常に調整・合意しながら進める事が成功の秘訣なのである.

次にプロジェクトマネージメントの仕事は物作りに向けて,構想,,開発計画,体制,費用・納期・資源・性能・技術のマネージメントを行う事である.特にリスクを予見し,先手の対策を打つ事が重要である.同時に労働集約作業が多いだけに現場作業と密着したマネージメントが要請される.

この事から,図面があって,段取りが決まっていて,専門分化された中で行なう建築の現場監督とは大きく違うのである.残念ながら情報システムはそこまで成熟していない.建築業の’段取り八分’(段取りが出来れば八分方きまる)は残念ながら情報システムではあり得ないのである.

トラブルが起こるつど,プロジェクトマネージメントの問題がクローズアップされプロジェクトマネージメント強化が叫ばれる.結果,技法の論議やその習得が進められる.そして’アプリケーションを知らなくてもプロマネができる’風の論調や技法,資格制度が一人歩きし始める.

その結果,どんなシステムを作るのか,どんな課題があるかも知らずに,作業計画,進捗管理,費用管理,人の手配,顧客折衝などをするマネージャーが出現する.そのプロジェクトの匂いがしない標準的な作業計画しか書けないマネージャーである.これでは,実態とマネージメントが遊離するだけでトラブルの防止どころか増長するだけである.挙句,土壇場まで問題が蓄積され,発覚した時には大問題になるのである.

もっとも大事な事は顧客もベンダーもマネージャーはアプリケーションスキルに長けていなければならない.従ってマネージャーは民需であれば,経理・財務・生産・販売・物流の一般論と業種別システム(加工,組み立て,装置,卸,小売等),事例などの経験・知識が必要である.勿論,公共関連,医療関連,文教関連も業種スキルが不可決である.

開発システムについては自らアプリケーション構成図(サブシステム構成図)を作成できる力量やパッケージ知識が求められる.又,特に重要な仕様については議論できなければならない.プロジェクトマネージャーはシステム論のオピニオンリーダーで実務者でなければならないと思う.テクニカルなスキルは代替可能だが,プロマネは’余人を持って変え難い’ところがある.

従ってプロマネの育成や資格制度を考える時,業種分野別にする必要がある.公共のアプリケーションスキルがあっても製造業のプロマネは出来ないからである.

又,ベンダー側の組織人事は専門家集団として,プロマネ資質が管理職の条件になると思う.自らプロマネを行なったり,複数のプロジェクトを担当したり,複数のプロマネをマネージメントするからである.

真のプロマネを育成する事は時間を要する事である.それ故,システム開発者はアプリケーションに関する知識,事例,業界動向,システム化領域,システムコンセプトなどに興味を持って,仕事をしなければならない.

.

|

« 45 図解思考・図解の重要性 | トップページ | 47 違和感がある官の言い方,特権意識 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/134518/9754491

この記事へのトラックバック一覧です: 46 プロジェクトマネージメント:

« 45 図解思考・図解の重要性 | トップページ | 47 違和感がある官の言い方,特権意識 »