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2006.05.09

47 違和感がある官の言い方,特権意識

官の常套句に’指導する'がある.

’指導する’は権力,地位,実力がある者が無い者,下の者を育てる時に使う言葉であるが,官の場合,官の能力とは関係なく,上からの物言いで’指導する’を使う様である.民も心とは裏腹に,’ご指導を賜る’とへりくだる.権力に逆らう事の煩わしさがあるからである.

英語ではGUIDE,TEACH(指導,教える).ちなみにCOACH(補助)COUNSEL(相談,協議,忠告),CONSULTATION(相談,診察,参考),ADVICE(忠告),EDUCATION,INSTRUCTION(教育)があり,厳密には使われ方のニュアンスが違うようである.例えばCOACHは聞いて来るまで何もしない,COUNSELは促進する場合,CONSULTATIONは回答を出す場合,と言った具合である.

官の’指導する’は査察する,確認する,調査する,警告する,禁止する,認可を取り消す,行政処分をする,告発する,事だろうか.

’安全性確保に向けて指導する’はこの中のどれかになるに違いない.ならば,具体的にそう言えば良いのに,お上の意識,官尊民卑からくる,偉そうな言い方,中身より,役所で取り組んでいるとのアリバイ作りを優先する言い方,官の責任を回避する言い方,から指導と言うのである.見事な官の用語である.

そもそも,指導と言う場合は育てる目的で使う言葉である.個別企業を育てるわけではないので言葉の使い方として,おかしい.やるべきは権限と責任に基づいて,管理監督をしっかりやる事である.不作為や失政にも責任を取る事である.これを棚に上げて,指導は無いと思うのだが.

官は民に対して’指導する’と言う言い方はやめるべきである.むしろ必要なのは’官への指導’である.ただし,誰が官を指導・育成するのかが問題となるが.

官の指導は官の中で法律,慣習,OJTによって,行なわれるのだろうが,社会から見て非常識な事が自浄作用によって是正される事はない.むしろ,大義名分,法律や法の拡大解釈で,非常識は保護,助長される.国民から見れば油断も隙もない.政治家が指導している風にも見えない.

行政の専門化,効率化,サービス提供の為に外郭団体や施設を作る,経済・防災などの社会資本整備の為に道路,ダム,等を作る,と言った事業が,いつしか,天下りをする為の事業,お金のばら撒きの為の事業,予算に縛られづに収益を自ら使う事業,など手段が目的に変貌する.財政難になって税金のムダ使いが多くあぶりだされている.

官からすれば議会や法律で認められた事業であり官の問題ではないと,三権分立を盾にするはずである.予算や法律の案は作るが,決定は立法府である議会だ.議会の責任は議員を選んだ国民にある,と民主主義の原理を心に秘めて,責任は全く感じていない風にもとれる.

天下りで言えば,コストを直接持つか外郭団体で持つかの違いだけで,使われる税金は同じだ.むしろ転出の方が人材活用ができる.と言うはずである.ただし,定年後の処遇については転出先の判断とし,外郭団体への委託費とは無関係だと言うはずである.委託費の妥当性が問われるはずであるが.

1票しか持っていない国民一人ひとりにとって,財政規模が膨らめば膨らむほど,知らず知らずのうちに,責任,負担,リスクが増す.民主主義の原理を盾に官や政治が責任感を持たなければ,国が滅びる事は自明である.民主主義の持つ弱点でもある.

官僚国家と言われるほどに影響力を持つ'官の指導’は,公金の無駄使いを抑止する制度の導入や監視機関を強化することである.参議院議員は政党ではなく個人を選び,この役割を担ってもよい.民主主義の弱点を防ぎたいものである.

官が国を滅ぼす人類の歴史を繰り返してはならない.’官の指導’は国民の当然の権利であり,リスク管理であると思う.官は’お上’ではなく社会の重要な機能を担っている機関なのである.

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