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2006.07.26

53 SE/PGの再考

情報システムに携わる人の呼称としてSE(システムエンジニアー)とPG(プログラマー)がある.コンピューターが日本に入ってきた頃より使われた呼称である.情報システムの設計・仕様を作る人をSE,それに基いてプログラムをコーデングする人をPGとしたのである.現在,言葉として使われているが実務での定義は曖昧である.ただ工数から価格を決める時の単金設定に使われている言葉といえる.

米国ではシステムデザイナー(構想や業務設計などのアプリケーション設計を担当)プログラマー(デザインに基いてコンピューター内の設計・プログラム開発を担当),さらにソフトエンジニアー(OSやミドルソフトの利用技術を担当)に仕事やスキルが分類され,現在もこの呼称が続いている.単金もそれぞれのキャリアー,実績によって設定される.当然,医師,弁護士相当のギャラを得る専門家も多いのである.日本と米国では昔から仕事の切り出し方,職業意識,が違ったまま現在に至っているのである.

情報システムに係る人の専門スキルの今後の方向性について触れてみたい.

産業のフラット化個性化,競争激化,グローバル化,ITの急進などを背景に,システムデザイナーの役割がますます重要となっている.このシステムデザイナーは行政,医療,金融,保険,民需それぞれに経営論から業務、実施経験,情報技術,パッケージ,などの知識とオピニオンによって,的確なシステムデザインをする仕事である.ネットやユビキタスを取り入れた戦略的な事業システムのデザインも当然このデザイナーの仕事である.又,費用や開発計画の立案,プロジェクトマネージメント,コンサルテーションもこのスキルによって行われる.

このシステムデザイナーは経営や現場のシステムに興味があり,これに携わってきた人が適任である.現在,公的資格制度が多様化し,保有者も多くなっているが,肝心のこのスキル人口はきわめて少ない.少ないながらも情報システムの上流を決めるこの人達の市民権と業種業務ごとのシステムデザイナーの養成が求められる.

次にシステムデザイナーガ作ったシステム構想,システム概要を元に,システムの設計・開発,パッケージ適用の仕事が行われる.この物づくりの仕事が米国で言うプログラマーの領域である.日本で言うプログラムを作るだけではない.特に昨今の簡易言語等のソフト技術の発達で設計とプログラミングの境目が低くなっており,米国流の仕事の分類が効率的である.又開発技術が進歩しやすい環境が出来る.又日本のソフトハウスは、米国流の領域を担当し,発展すべきである.このプログラマーは情報システムの物づくりを実質担当するわけで付加価値をもっと高くしなければならない.

そして,ソフトエンジニアーであるが,オープンソフト及び組み合わせの検証,選択,インテグレーション,利用技術の伝授,オープンソフトのメンテナンス,などを担当する専門家である.又,ネットワーク,セキュリティ,傷害対策などのスキルも求められている仕事である.システムを構築する企業は、ソフトの専門知識を持っているわけではなくソフトエンジニアーに依存することになる.多様化するシステムにおいて,その役割りはますます大きくなっているのである.

顧客の情報システムやパッケージ開発は荒削りの段階から思考錯誤を繰り返しながら詳細に向けて掘り進む仕事である.要求される知識・経験スキルはきわめて広い.それゆえに,この3分野の専門家が必要なのである..

まさに米国の分類が現在でも当を得ていると思う.40年たってもSE・PGといっているようでは専門家は育たないのである.しかし現実的対応の中で上記のような役割りに分化していると思うが,職業として市民権を得ているわけではない.是非,情報システムに携わる人達のスキルアップの方向として取り組んで欲しいのである.何でも屋の集団では個人も事業も発展はないのである.

以上,シムデザイナー、プログラマー、ソフトエンジニアーの領域を形成していきながら、専門家集団の形成,情報システムの革新と普及,専門家の付加価値の向上と高報酬化、を進める事が,ソフトビジネスの健全化と発展につながると思う.又,業務系システム以外の共通webアプリケーションの分野では設計から開発の全てをやる`クリエーター'が台頭している.

失敗が多い,効果が出ない,ムダなシステムを作る,トラブルが多い,事から考えれば,いくらでも,専門家の活躍の余地はある.又,個別情報システム開発の特徴(再生産ガない,規模の経済が働かない,働くのはスキル)からも専門家の増加が求められているのである.

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52 満足度と貢献度

お客様の満足度向上は企業活動にとって大事なテーマであるが,そこに何か情緒的な雰囲気がある.満足度は感情も入った人間の評価だからかもしれない.従って満足度には人間関係,マナー,対応の仕方,製品,サービス,価格など,あらゆる事が関係するのである.

顧客満足度向上運動がよく企業の標語に掲げられるが,何をやっても,今まで通りやっていも,やっている事になったり,又,満足度向上度合いの測定も難しい事から,どうも精神論だけに終わっている感じもする.

クレームや傷害,あるいは敗戦が減少したからと言って満足度が向上した,と言うのも何かおかしい感じもする.調査員を編成し,顧客を回って顧客の評価を聞きに行き,これをラインにフィードバックする活動などは,顧客の声に常に耳を傾けるという企業姿勢の表れとして意味ある運動かもしれないが何かラインの外側で行動している感じもする.

いずれにせよ,顧客満足度向上と言う言葉は,その為の行動がすぐ連想出来ない抽象的な,インパクトの弱い,言葉だと思う.同じような言葉に貢献度がある.こちらは人間の評価ではなく,製品やサービスあるいは提案が顧客のビジネスに役に立っているかどうかの評価である.

コストダウン,スピードアップあるいは売上拡大に大いに役立っているか,あるいは,無用の長物になっているか,改善改良がまだまだ必要な状態だとか,の評価である.

満足度より俗人的要素がない分,具体的である.何よりも,お客様に貢献したい,役に立ちたいと思うと,たちどころにお客様の実態調査や事例や提案活動が連想できるところが満足度とは決定的に違うところである.

さらに言えば満足度向上と言う言葉から拡販活動やマーケテング活動が連想できないが,貢献度向上からは一社一社のお客様の顔が連想できるのである.あまり貢献できていないとか,この提案で貢献できそうだとか,である.

広い概念の顧客満足度向上運動より,狭くなるが顧客貢献度向上運動の方が言葉としては具体的でインパクトがあると思う.お客様に大きく貢献する事は自らの売上も大きくなり,その為に貢献できそうな分野を掘り下げる事になる.

満足度はあって当たり前となるが貢献度は高ければ対価も高くなる面もある.もちろん貢献が実現すれば当然顧客満足度向上につながるのである.貢献度向上運動はまさにマーケテング活動や拡販活動に新たなエネルギーを与え,新事業分野の発掘にもつながるのである.顧客の方も,貢献してくれそうな企業,製品,サービスを選ぶのであって,満足させてくれるのは当然の事であり,アドバンテージだとは思っていないのである.

真剣に顧客に貢献したい,その為にこれを実現したい,と発想し,行動する企業の出現を強く望むのである.流行言葉のSOLUTION,SATISFACTIONではなく,CONTRIBUTIONが企業理念,ビジネス理念だと考えるのである.

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