« 52 満足度と貢献度 | トップページ | 54 歴史認識問題の整理 »

2006.07.26

53 SE/PGの再考

情報システムに携わる人の呼称としてSE(システムエンジニアー)とPG(プログラマー)がある.コンピューターが日本に入ってきた頃より使われた呼称である.情報システムの設計・仕様を作る人をSE,それに基いてプログラムをコーデングする人をPGとしたのである.現在,言葉として使われているが実務での定義は曖昧である.ただ工数から価格を決める時の単金設定に使われている言葉といえる.

米国ではシステムデザイナー(構想や業務設計などのアプリケーション設計を担当)プログラマー(デザインに基いてコンピューター内の設計・プログラム開発を担当),さらにソフトエンジニアー(OSやミドルソフトの利用技術を担当)に仕事やスキルが分類され,現在もこの呼称が続いている.単金もそれぞれのキャリアー,実績によって設定される.当然,医師,弁護士相当のギャラを得る専門家も多いのである.日本と米国では昔から仕事の切り出し方,職業意識,が違ったまま現在に至っているのである.

情報システムに係る人の専門スキルの今後の方向性について触れてみたい.

産業のフラット化個性化,競争激化,グローバル化,ITの急進などを背景に,システムデザイナーの役割がますます重要となっている.このシステムデザイナーは行政,医療,金融,保険,民需それぞれに経営論から業務、実施経験,情報技術,パッケージ,などの知識とオピニオンによって,的確なシステムデザインをする仕事である.ネットやユビキタスを取り入れた戦略的な事業システムのデザインも当然このデザイナーの仕事である.又,費用や開発計画の立案,プロジェクトマネージメント,コンサルテーションもこのスキルによって行われる.

このシステムデザイナーは経営や現場のシステムに興味があり,これに携わってきた人が適任である.現在,公的資格制度が多様化し,保有者も多くなっているが,肝心のこのスキル人口はきわめて少ない.少ないながらも情報システムの上流を決めるこの人達の市民権と業種業務ごとのシステムデザイナーの養成が求められる.

次にシステムデザイナーガ作ったシステム構想,システム概要を元に,システムの設計・開発,パッケージ適用の仕事が行われる.この物づくりの仕事が米国で言うプログラマーの領域である.日本で言うプログラムを作るだけではない.特に昨今の簡易言語等のソフト技術の発達で設計とプログラミングの境目が低くなっており,米国流の仕事の分類が効率的である.又開発技術が進歩しやすい環境が出来る.又日本のソフトハウスは、米国流の領域を担当し,発展すべきである.このプログラマーは情報システムの物づくりを実質担当するわけで付加価値をもっと高くしなければならない.

そして,ソフトエンジニアーであるが,オープンソフト及び組み合わせの検証,選択,インテグレーション,利用技術の伝授,オープンソフトのメンテナンス,などを担当する専門家である.又,ネットワーク,セキュリティ,傷害対策などのスキルも求められている仕事である.システムを構築する企業は、ソフトの専門知識を持っているわけではなくソフトエンジニアーに依存することになる.多様化するシステムにおいて,その役割りはますます大きくなっているのである.

顧客の情報システムやパッケージ開発は荒削りの段階から思考錯誤を繰り返しながら詳細に向けて掘り進む仕事である.要求される知識・経験スキルはきわめて広い.それゆえに,この3分野の専門家が必要なのである..

まさに米国の分類が現在でも当を得ていると思う.40年たってもSE・PGといっているようでは専門家は育たないのである.しかし現実的対応の中で上記のような役割りに分化していると思うが,職業として市民権を得ているわけではない.是非,情報システムに携わる人達のスキルアップの方向として取り組んで欲しいのである.何でも屋の集団では個人も事業も発展はないのである.

以上,シムデザイナー、プログラマー、ソフトエンジニアーの領域を形成していきながら、専門家集団の形成,情報システムの革新と普及,専門家の付加価値の向上と高報酬化、を進める事が,ソフトビジネスの健全化と発展につながると思う.又,業務系システム以外の共通webアプリケーションの分野では設計から開発の全てをやる`クリエーター'が台頭している.

失敗が多い,効果が出ない,ムダなシステムを作る,トラブルが多い,事から考えれば,いくらでも,専門家の活躍の余地はある.又,個別情報システム開発の特徴(再生産ガない,規模の経済が働かない,働くのはスキル)からも専門家の増加が求められているのである.

.

|

« 52 満足度と貢献度 | トップページ | 54 歴史認識問題の整理 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/134518/11106544

この記事へのトラックバック一覧です: 53 SE/PGの再考 :

« 52 満足度と貢献度 | トップページ | 54 歴史認識問題の整理 »