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2007.01.21

76 労働多様化と残業問題

ホワイトカラーエグゼンプション法案が棚上げになったが,労働時間問題について整理してみた.

サラリーマンの残業時間の運用は,おおよそ次の通りである.

①呼称はともかく,管理職とされる人に残業が付かない.

組合がある場合は非組合員となり,裁量労働者として,残業は付かない.組合が無い場合は裁量労働者とみなしている.管理職の定義(権限委譲程度,部下のいない管理職,手当て,組合の有無)で法廷論争もある.

②非管理職に裁量労働者認定を行い残業をつけない.

研究者,営業などに裁量労働制(個人の了解付き)を導入しているケース.原価部門の人は見なし残業時間で原価計上.ただし,個人の裁量で仕事が出来ない場合(トラブル対応,長期残業が必要な仕事量の発生など)は裁量労働を中止.裁量労働者は想定残業程度の手当てを支給する場合もある.

生産性が低い,ミスが多い人の残業代削減策の側面もある.これは残業代の問題ではなく,マネージメントの問題だと思うが.

③非管理職で見なし残業相当の手当てを支給し残業をつけない.

会社内の資格制度で規定.

④管理職いかんにかかわらず,成果主義による年棒制,歩合制,嘱託制などでは残業概念がない.

①から④共通で,残業と言う概念が無い事から,長時間労働,過労死,定時間外の事故などでサービス残業問題がクローズアップされたり,反面,時間労働から解放されて,自主的に,積極的に,仕事に取り組むケースもある.

大体以上であるが,これと,ホワイトカラーエグゼプション制度(一定以上の報酬支給者に残業をつけなくても良いとする制度)の関係がよく分からない.この法律によって,一定報酬以下の人には,残業代を必ず支給する事が義務付けられるのだろうか.裁量労働制はどうなるのか.識者やマスコミは突っ込んだ所見を言わない.表面的な論評だけである.

以上,残業をつけない場合の議論であるが,残業をつける制度の中でも,運用上の問題もある.現法律では,会社の管理下における時間外作業はすべて残業代になるとの事だが,現実には,判断が難く,判例主義で補われているケースも多い.

又,残業指示・申請なしのサービス残業の問題もある.特に始業前の準備作業,朝礼や時間外の勉強,研修,会社行事,自主判断の作業など悩ましい.あくまでも自主的であれば,残業にならないのだろうか.

私見によれば,仕事によって,労働条件の多様化は当然であり,労働条件が変わるつど,個人ごとに何らかの雇用契約(もしくは規約)をしっかりすべきだと思う.労働賃金・報酬が労働時間だけを物差しにした時代ではなくなったからである.

従って,労働条件の多様化に対応できる労働基準法の全面見直しが必要だと思う.法律の立場としては,労働条件の下限を規定する事であり,法律の規制を拡大すると,社会主義になってしまい,企業や産業が成り立たなくなる危険性もある.基本はあくまで企業と従業員(組合)で決めていくものだと思う.

一方,多くの企業においても,就業規定,賃金規定,人事評価・昇給・昇格制度,退職金制度,年金制度など,歴史的に引きずった複雑な規定になっていると思う.シンプルな方向に改革すべきである.又,優秀な人材はストックからフローの時代向かっているように思う.それに対応する仕組みも必要である.

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