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2007.02.01

80 私的複製権

デジタルコンテンツは複製や時間経過で劣化しない,物的流通(移動)がネットでは複製になる,大量の複製が可能になる,等の特徴があり,品質劣化の無い海賊版が多く発生する可能性がある.そこで,デジタルコンテンツにおける著作権の保護策と私的複製権の関係が改めて問題になっている.

パッケージ系(CD,DVD)のデジタルコンテンツは.私的複製を禁止している.従来のアナログコンテンツ,雑誌,新聞等は私的複製権を行使できるが,デジタルコンテンツは出来ないのである.

媒体毎に著作権保証金を課し,私的複製を認めるルールも実施されたが制度的な問題(2重払い,課金対象の選定)や,メーカーの反発があり,機器に複製禁止機能をいれる事と引き換えに,この制度の適用は中断している.

デジタル放送の録画・録音・複製も,新たな論議が起こっている.法律ではないが,業界の自主規制として,デジタルテレビ放送は現在,録画されたコンテンツの複製は一回のみ可能としているが元コンテンツは消滅するので,実質は'移動'である(コピーワンス).利用者から見ればここでも,私的複製権が無い事になる.(自主規制検討時,内臓HDがなく,回数制限の機能は不可能,1回か無制限かの選択であった)

これに対し,私的複製を求める視聴者の反発も大きい.アナログ放送時代から見れば,私的複製権の侵害と映る.

この問題に対し,録画を,ある回数以内なら私的複製は自由(ただし回数制限つき子コピーは可能,孫コピー,ネット配信は禁止)等の新たなルールの議論が始まっている.

この制度案でも,すでに普及している機器の取り扱いや,技術的実現性の問題は残る.

インターネットテレビ・ラジオやネット配信販売されたコンテンツ(映像,楽曲など)の私的複製権は,まだ議論されていない.デジタルテレビ放送と同時に検討すべきである.

一度DISKに入ったコンテンツ郡のSAVEやデッドコピーの問題もある.著作権の有効期間の問題や,すでに著作権が終了したコンテンツと複製制限機能の関係をどうするか,等,まだまだこの問題の解決は遠い.

私見であるが,劣化しない,大量に複製できる,ネット配信が簡単,といったデジタルの特性があっても,あくまでも著作物の属性であり,私的複製権とは無関係であるとも考えられる.属性毎にルールは作れないからである.

結局は'私的複製OK,但し無断でビジネスに使うことは国際レベルで禁止(罰則強化)'と言う,従前の常識的ななルールに落ち着くのではないかと思う.

この時,国際的な海賊版をどう防ぐかは依然として問題が残る.そもそも私的複製権を制限する仕組みが海賊版を防ぐ事になるのかの検証も必要である.いずれにせよ,頭の痛い問題である.

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