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2007.06.10

102 コムスン事件で隠してはならない介護事業の問題

大手介護事業者のコムスンが虚偽記載、不正受給で業務停止の行政処分を受けた.これに伴い介護サービスの継続問題が全国で発生した.

コムスン社のひどさの実態は承知していないが、’正義に反した会社は介護事業から締め出す’’営利目的の企業に介護をさせてはダメだ’と声高に言う政治家や行政の発言が気になる.

かつて,’医者の名義貸し’が発覚し,病院の虚偽記載,不正需給が明るみに出た.あまりにも多くの病院で慣行化していたが,さすがに病院の業務停止,医師免許剥奪,等の行政処分は出来ない為に,お咎めはなかったと記憶している.金額は覚えていないが,公金横領に違いない.'正義に反した病院は医療から締め出す’と言う声はあがらなかった.

コムスンはじめ介護事業は定常的に大幅な赤字との事、虚偽記載も頻繁にあると言う.介護業界は今の介護報酬では介護士の賃金が低く抑えられ、介護士の離職も多くなり、認可に必要な介護士の確保も難しく、介護品質も低下している、との深刻な実態がある.介護制度の枠内の介護事業は崖っぷちにある.介護に携わっている人たちには本当に頭が下がる.

こんな実態の中で、政治家や行政が’不正義は排除’と言っているだけでは何の解決にもならないし、’利益目的の企業にやらせるからダメだ’も幼稚な頭脳レベルである.

政治家や行政が認識をしっかりせねばならないのは、いかに産業化するかである.介護事業への投資や参入者が増加し、介護士の待遇も介護品質も向上し、介護関連事業も充実していく、そして、介護事業が産業として確立し、地域経済にとっても重要な地場産業になる,そんな姿である.

これらの考え方、主張なしに、`正義をかざし、利益は悪’と声高に叫ぶだけの思考レベルの政治家、役人に介護の深刻な問題を任せられない気がする.介護事業の産業化に知恵を出しあい、政策論議も活発にしたいのである.

介護だけではなく年金、医療、と言う社会保障制度はコストと見る限り必ず限界に突き当たる.社会保障の充実がパイの確保を妨げれば、国力を衰退させ、結局、社会保障が出来なくなる事に繋がるからである.社会保障の充実が産業全体の富の創出や技術革新に波及する構造が必要なのである.

コムスン事件の表面だけに目を向けている場合ではないのである.介護の深刻な問題を不正事件で覆い隠してはならない.

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