« 119 亀田騒動の根幹 | トップページ | 121 人事制度再設計ニーズに対しての所見 »

2007.10.27

120 食品表示の功罪

身体に実害のない食品偽装問題が頻発している.増加しているのではなく、明るみに出ただけだと思う.そもそも食品は曖昧なことが多いし、身体に悪いものでなければ良いとの感覚があるからだと思う.

また,偽装は食品に限らず誇大広告,セールストーク,見せかけ,イメージアップ,化粧・ファッション・装飾・見栄,など人間の本能と隣接し,故意の欺きは詐欺罪とも隣接している.

さて,問題の食品表示について考えてみた.

食品表示制度(食品衛生法、JAS法、健康増進法、景品表示法、計量法)でアレルギー物資の有無や混在食品内容が分かる事は、それを必要としている消費者にとって,きわめて有効であるが、法定表示(産地、原材料、賞味期限、消費期限、容量、製造者、保存方法など)や任意表示(ブランド,特徴,製造日など)に問題もある.

いくつか食品にまつわる問題を列記してみた.

①賞味期限内で製造日調整・書き換え(鮮度競争)
②賞味期限の延長張り替え(もったいない廃棄回避)

③商品目利き力を落とす表示依存
④意味不明の回遊魚の漁獲水域、水揚げ港、国名、等の表示

⑤定義を知らないまま妄信する肉や魚の地域ブランド
⑥根拠が不明な消費・賞味期限(メーカーの自由設定)

⑦作り置き商品等、定義が不明な製造日(メーカーの自由設定)
⑧表示困難な業務用、惣菜、切り売り、弁当、料理
⑨国内外のOEM調達、半製品仕入れ等、製造方法の多様化
⑩輸入食材増大と規約の国際間摩擦
⑪グローバル化で加工食品検査が困難
⑫不明瞭な虚偽表示の罰則(衛生法、JAS法、不当競争防止法、等

⑬安全・安心で無用な潔癖性が蔓延(コスト増・食料廃却増加)


所詮、食品は食材、品質、うまさ,安全性、等、曖昧さが残る商品である.にもかかわらず、あえて表示する事で、消費者、行政、製造業者、間で見解の相違が発生したり、消費者に盲目的な安堵感を与えたり、偽装を誘発する側面を持っている.

例えば、

製造日表示を賞味期間表示に法制度を変えた経緯があるが,新しいものから売れる消費者心理から、依然と製造日を表示し最新製造日競争が続いている.賞味期間内で製造日を先付けしたり、最新の製造日に書き換えて表示する事が発生する.又、返品商品もリサイクルすれば新しい製造日になったりもする.

製造日の偽装が発覚し,大きなダメージを受けている企業が頻発しているが,製造日の定義いかんで、製造日偽装とは言えない面もある.そもそも数日間の賞味期限なら製造日の表示は不要である.これなら何の問題もないのである.なんとつまらない問題である.

元来,製造日がいつであろうと、品質が変わらなければ、消費者に不利益はないし、むしろ、ロス軽減で、安くなるかもしれない.ならば、製造日を法や業界約束で表示禁止にした方が、製造日競争がなくなり、食品の無駄がなくなると思う.

賞味期限も定義があいまいで,期限を超えても食べられなくなるわけでもなく,期限切れで廃却する抵抗感がある.当然,期限切れの商品に延長張り替えをするか,品質チェックで賞味期限を再設定する事も考えられる.

肉は価格に比例して旨さが決る工業製品に近い食品だと思うが,何々牛とブランドが横行している.同じブランドの中にも旨さ,価格はいろいろある.’神戸牛’だからすべて旨いわけがない.100グラム2000円の肉ならどのブランドもうまいと思う.100グラム400円の肉ならどのブランドもいっしょだと思う.

魚の産地表示もたいした意味がない.漁獲海域もしくは水揚げ港もしくは水揚げ国の表示だからである.ノルウエー産と表示する事に何か意味があるだろうか.ノルウエーから輸入しただけで,どこで捕れたか不明である.なんとなくノルウエー近海で取れた魚と錯覚させるだけである.回遊魚ならますます産地表示に無理がある.

肉,魚,野菜,果物などは食品衛生上の問題がなければ,消費者の目利き力が基本だと思う.ブランド,表示に頼ってしまう弊害に気がつかなければならないと思う.

定義が曖昧な項目を表示すると、形骸化したり,偽装を誘発したり、消費者の妄信を高めたり,論理性欠如で海外からの批判が出たり,するのである.

食品衛生上の表示以外、法定表示項目は不要なのかも知れない.自由に表示したものと、中身が違えばもちろん偽装の罪になるだけで良いのかもしれない.

.

|

« 119 亀田騒動の根幹 | トップページ | 121 人事制度再設計ニーズに対しての所見 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/134518/16888001

この記事へのトラックバック一覧です: 120 食品表示の功罪:

« 119 亀田騒動の根幹 | トップページ | 121 人事制度再設計ニーズに対しての所見 »