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2008.07.01

142 パスポート発行手数料の疑惑

平成19年(昨年)のパスポート発行枚数は一般旅券で420万件(10年267万,5年154万)だという.例年,これくらいが発行されているようである.発行手数料は県の政令で2000円,旅券法で10年は14000円,5年は9000円,12歳未満は4000円と定められている.従って10年間有効のパスポートは16000円となる.家族でパスポートを作る事も多いと思うが結構な費用になる.そして,年間,約500億円ほどの手数料を国民は支払っているのである.

自分の身分証明書を作るのに,いかにも高い感じがする.パスポートを作る費用は県の手数料2000円程度が妥当だと思うが,旅券法の手数料とは何の費用なのだろうか.利権化したパスポートの作成費用なのか,外務省の自主財源なのか.旅券法には金額設定だけで手数料の説明がない.

そこで,感じている疑惑を整理すると次の3点である.

①手数料が高く,何に使っているかも不明である
②手数料と言いながら,実質は税収入の様に使っていないか(目的外使用)
③収入印紙を手数料として使っているが,法的根拠がない(印紙税法違反)

まず①②の問題であるが,

手数料の定義が条文にないのは,作成代金とするには高額であり,さりとて,外務省の自主財源だとすると,手数料ではなく,税金になってしまう.税金とすると,国民の理解も難しくなる.

そこで何も説明せずに,手数料を装って,自由財源にしているのではないか,この状態は,常識的な手数料の意味からすると,目的外使用になる.国民をだましている事になる.

もし,外務省の入出国チェックシステム費用,旅行者へのサポート費用(大使館や領事館の費用)と言うなら,人生に一回しか海外に行かない人も,頻繁に海外に出かける人も同じ手数料はおかしくなる.

パスポートの有効期間(5年,10年)によって手数料が違うのも意味不明である.パスポートの作成費用が変わるわけがない.いや,10年用は丈夫に作ってあるのだろうか.ちなみに県の手数料はいずれも2000円である.

次に③の問題であるが,

手数料金額と同じ額の2000円と14000円の収入印紙を貼る事になっているが,これでは収入印紙税になり,旅券法の手数料ではない事になる.

さらに,印紙税とするなら,印紙税法でパスポート申請書を課税文書にし,税額を設定する必要がある.

あくまでも手数料だとして,現金の変わりに収入印紙を使っているとしても,印紙税から手数料に振り替える必要である.これを可能にする法律はあるのだろうか.あるいは印紙税の中から外務省予算に組み入れているのだろうか.ますます手数料の定義が曖昧になる.

どうやら,

・渡航が少ない時代の
制度のまま,現在に至っているのではないか,
・渡航の大衆化で,思わぬ収入の多さに,政府は口を拭っているのではないか.


と言う感じがする.現に,このいい加減な手数料を説明できる役人はいないのではないかと思うのである.

そこで,改めて,解明と見直しが必要だと思う.

旅券法の手数料が何の費用なのか,実際,何に使かわれているのか,その上で,旅券法の手数料の条項の見直しが必要である.もし,違法性があるなら,パスポート保持者に返金する必要がある.

各国のパスポート発行手数料の意味,金額はどうなっているのだろうか.パスポートを作る費用か,行政の費用を賄う税金か,あるいは,これだけ金を積めば海外旅行を許可する(通行手形を出してやる)と言う,お上意識の許可料か.

詳しい知識のないままに素朴に述べたが,

ガソリンの暫定税率のように,旧態以前の制度のまま,濡れ手に粟の財源を長期に,静かに,しっかり確保し,利権化している,監視から漏れている税や手数料は他にないだろうか.

テーマからそれるが,

所得税,住民税,社会保険料(医療・介護・年金・失業など),消費税,以外に手数料,物品税資産税,関税,印紙税,相続税など,どれくらいになるのだろうか.物品税でいえば,たばこ税2兆,酒税1.5兆,ガソリン税(道路特定財源)5.6兆など大物の物品税がある.

標準世帯の年間の公費負担(所得税,住民税,資産税,社会保険料,消費税,物品税,関税,手数料,等など)は所得の50%を超えるのではないか.愛煙家,愛酒家,毎日車を使う人,などは確実に高額負担者である.

文明文化の発展,国民の高齢化によって,公費負担は大きくなるが,多分,有史以来の重税である.さりとて個人の備えの必要性が減るわけでもない.昔なら一揆が起こる.せめて,むしろを掲げるかわりに,国民の厳しいチェックがますます大事になる.国民の盲目的な公費負担は無駄使いの温床になるからである.

ところで,個人的にはパスポートが切れたので,人生最後のパスポート申請になる.手数料の意味が不明のまま,16000円にするか11000円にするか思案中である.せめて納得してパスポートを受けたいものだ.

結果的に海外に行かなければ,手数料が無駄になってしまうが,突然,海外に行けるようにしておく費用だと,自分に言い聞かせている.

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コメント

パスポートの手数料が高いことに憤慨して、その値段の根拠をネット検索していて、たどり着きました。

まさに我が意を得たり、という感じの記事です。
ありがとうございました。勉強になりました。

こんなことを放置しているなんて、政治家は何をしているんだ・・・、と思ってしまいました。

マスコミに取り上げてもらいたい題材ですね。

投稿: 匿名希望 | 2011.04.18 06:58

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