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2008.07.06

143 消費は美徳か

経済活動から見れば,どんな消費であっても,消費が高まる事は経済成長にとって,良い事である.さらに言えば経済波及効果の大きい消費ほど良い事になる.まさに消費は美徳なのである.

しかしながら,経済が拡大し,消費が天然資源の枯渇や地球環境の破壊につながるとしたら,消費は美徳と言えなくなる.価格が上昇し消費を抑制する方向に経済が動くが,起こってしまった枯渇や破壊は取り戻せないのである.

明日からの洞爺湖サミットで地球温暖化ガスの削減論議が行われる.ガス排出の削減競争ではなく,ガ゙ス排出量の争奪戦の様相もある.先進国,途上国,後進国などの主張を,どのように調整するか大きな課題である.(NO134で既発信)

途上国は地球を汚してきた先進国こそ大きく削減せよと言う.当然の主張としても,この程度の問題ではない感じがする.中国,インド,アフリカなどの数十億人の国民が先進国並みの消費をしたら,どうなるだろうか.

例えば,一家で2,3台の車を乗り回したら,毎日朝シャンをしたら,冷暖房が完備したら,大量生産する工場が乱立したら,地球はパンクしかねない問題なのである.

だとしたら,温暖化ガスが削減どころの話ではなくなる.製品を作る資源もなくなり,物価が高騰し,途上国,後進国の経済発展もできなくなり,先進国の削減努力程度では済まない大問題になる.何よりも,自然環境が変貌し,気候や生態が大きく変わる問題になる.(是非,科学的検証をして欲しいと思うが)

まさに,膨大な人口を持つ途上国,後進国が,かつての先進国が物質文明を謳歌したように,無防備に急速に経済膨張すれば,地球にとって脅威になる.途上国の発展を願うにしても,人類有史以来の飢餓問題,宗教問題,民族問題,等の国際政治の難問と同じくらいの難問に突きあたるのである.

そんな中で,せめて,先進国は浪費(不必要な消費)を抑制する事である.いかに高度な技術で,少エネ,少資源,の製品を普及させても,浪費を誘発しては意味がない.素晴らしいエコ車であっても,利用度の低い人が車を買え変えたり,今まで以上に車を使えば,資源消費は増加することになりかねないのである.

経済から見ればマイナス要因になるが,物を大事に使う,もったいない感覚に回帰する事が必要である.浪費で支えられる経済は続かないし,’消費は美徳’は,経済発展とともに,'消費は美徳,ただし,浪費は悪徳’にして行かねばならないのである.そうでなければ,’消費は悪徳’の事態を招くことになる.

元来,資本主義,市場経済の仕組みは自然で合理的な仕組みであるが,人間の欲望に従って,地球環境や資源を食いつぶす側面がある.一方,需要・消費側の価値観で,これを抑止する事も可能である.従って,規制に至る前に,消費側の意志で経済と少エネ,少資源を両立させて行きたいものである.

こんな中で日本は’もったいない文化’,浪費の抑制,,エコライフ,省エネ製品の開発,何よりも,少エネ製品の少資源化,ガス削減へのインセンテブ制度を国内で実践し,成果を示して行く必要がある.ビジネスチャンスとばかりに,輸出に執着する風潮は世界の信頼を損なう.

明日からの洞爺湖サミットで’地球環境の安全保障問題’との認識で議論を進めて欲しいと思う.武力の安全保障,食糧の安全保障,病原菌の安全保障,等とともに,人類の英知が問われているように思う.

ところで,約1年前に当ブログ(NO99)で,オリンピックが終わってから,洞爺湖サミットを開催すべきだと発信した.中国の経済発展と地球環境問題をテーマに掲げ,リアリティのある議論になるし,その隣国の日本で開催する意味が増すと思ったからである.今もその思いは変わらない.

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