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2008.09.06

150 総裁選・総選挙の勝つ為の論法

自民総裁選,臨時国会,総選挙,と乱世が続く.選挙戦について,当ブ゙ログ「NO11戦う構図の重要性」でも述べているが,勝つ為の論法について述べたい.

自民党の総裁選だが,選ぶにあたって,立候補者の政治信条,考え方,政策,もあるが,性格,人気,キャリア,議員同士の人間関係,派閥やグループのしがらみ,自分の今後のふるまいや出世,等もからむ.もちろん,誰が総理にふさわしいか,総選挙の顔を誰にするか,も重要な選択肢である.

さてその中で,小泉政権以降の迷走(迷走の理由は,当ブログの’福田総理辞任のわけ’で記載)した政治路線をこれからどうするかが注目の的である.その中で,財政出動派,構造改革派,財政健全化派,あるいは防衛・外交重視派等,立候補者も乱立気味である.

しかし日本の情勢からすれば,とにかく筋肉質な国家にしなければ,福祉も増税も,何も出来ない状態だと思う.行政の脆弱性,無駄に,国民の怒りは大きい.従って,改革の断行は必須である.これが国民の空気である.

コップの中の嵐ではあるが,民主党の改革攻勢に先んじる意味も合って,総裁戦で改革の機運を,もう一度,盛り上げる必要がある.改革を重視しないと党の分裂にまで発展しかねないと思う.これを踏まえて,総選挙の顔を選出し,新総理のもと,総選挙に向けた基本政策を策定すればよいと思う.

総選挙は,相変わらず,勝つ為には,何でもありの選挙戦が繰り広げられる.‘正論必ずしも解ならず’で政策論だけで勝つとは限らない.立候補者それぞれの,人物評,どぶ板,地域との関係,しがらみ,あるいは公共事業誘致等の要素がからむ.

そして,得票の原因が何であろうと,勝った党としては,政策,主張,が支持されたとする.負けた党は,説明が足りなかったと言う.選挙とは’勝てば官軍’なのである.

本当に政策・政党を選ぶなら,全国区比例選挙の方がすっきりする.この場合は政治を付託する代議士を選ぶというより,代議党を選ぶことになる.

あの政党を支持するが,その立候補者はいやだ,も解消する.おらが町の事しか考えない国会議員や能力もない国会議員を排除できる.(比例名簿しだいだが)国会議員の数も選挙費用も半減し,選挙の在り方も,情報社会にふさわしいやり方に変える事ができる.政党も,ばらばらの集団から政策集団に変身して行く.一考すべきテーマだと思う.

一方,政策重視にも課題がある.基本政策は,日本の場合,憲法問題から安全保障政策,社会保障政策,経済財政政策,行政改革など,どれをとっても日常的課題であり,政策課題を絞り込みにくい,重要視する政策課題も違うのである.各政党も,まとまっていない部分や他党から攻撃を受けやすい部分には触れない事もある.

有権者からすれば,各政党の政策に優先度,不明,疑義,賛成,反対などが入まじり,政治意識が高いほど,政党選択は苦渋を伴う.これは選挙制度の難しいところであり,それゆえ,選挙で勝者が決まっても,敗者の建設的反論,提案は,きわめて重要になるのである.

今回の総選挙は現行の選挙制度で行うわけであるから,政策以外に現場レベルでは何でもありの選挙になる.ただ政治の世界にも,ロングテール現象があり,組織票で勝敗は決まる時代ではない.投票率が高ければなおさらである.

そこで,大衆に訴えるキャッチコピー(旗印)が重要になる.平和な世界を,暮らしやすい社会を,安全安心社会を,などという言い方は意味がないし訴求力もない.そんな政党は存在価値もない.

勝つためには,自身の政策のコンセプト,意志を強くアピールした言葉・旗でなければならない.又,他党を攻撃する言葉は自分の所に帰ってくる,反感も買う.やめた方がよい.キャッチコピーの神髄は自分は何をするかである.小泉アジテートは大成功の例である.

当時,小泉総理は’自民党をぶっ潰す’と叫んだ.民主党が‘自民党ではだめだ’と言えば言う程,小泉アジティートが支持される.小泉総理の応援団が民主党になる構図を作った.小泉論法の圧勝である.また’改革をとめない’に対し,民主党は’日本をあきらめない’と言った.これも同じである.デベートに勝つシナリオとキャッチコピーが必要なのである.

これを踏まえて,自民,民主のキャッチコピーを考えてみた.

まず民主党は前回の参院選では,伝統的自民党手法のどぶ板選挙活動を展開しながら,‘生活第一’を合言葉に,小泉改革の格差問題,地方救済をアピール.年金問題や自民党の失策もあって,大勝した.

今度の総選挙は小泉流改革戦法を取るはずである.特に政治の根幹である官僚政治・政官癒着の構造を変えると訴えると思う.この改革の下で,無駄の排除,社会保障改革,弱者救済等を訴えるはずである.与党では反論しづらいテーマになるはずである.

自民の遅遅とした対応への国民の不満を味方につける戦略である.自民党の賞味期限切れ論の展開である.だとすると,キャッチコピーは’官僚政治の打倒’,’官僚政治からの脱却’,’行政改革の断行’等が良いと思う.この視点は,小泉流と同じく,勧善懲悪,悪代官をやっつける正義の味方として,国民の喝采を狙う戦法である.

はたして,官僚政治を敵に回して政治が出来るのか,と言う問題がある.政策力,知識,経験で政治家が官僚をリードできるのか,そもそも,官僚政治を強固にして来た原因が政治家にあるのだが.

まさに,政治家の実力が問われるテーマであるが,官僚が立法と行政を握っている現実を明らかにしながら,構造・制度改革で,この問題に挑戦したいと言えば,反対する国民はいないと思う.

もうひとつ民主党の戦法で大事な事は,上記のような外の事以前に,自分の事を改革するとの意思表示が必要である.いくら良い事を言っても,そんな力はない,となりかねない.

憲法・安保・外交,等の国家像の違う人を抱えていては信頼が生まれない.政治信条より数を優先した政党とみなされる.党の目指すものを定め,統一を図ることが求められる.政権を目指すなら不可欠の事である.この事に民主党からの発信がない.最大の問題である.

れに対し,自民党は過去の失政も多いことから,天に唾をする様な政策を出せない.開き直って,出すとしても,小泉流に’自民党をぶっ壊す’というスタンスがなければ説明がつかない.

民主党が上記のキャッチコピーだとすると,自民党としては民主党と一緒にやりたい,としておく方が得策である.対立する必要がない.その上で,税財政問題を意識した上で,社会保障問題,農業問題,資源問題,等を論ずる事である.憲法・安全保障問題,外交問題で民主党に議論を仕掛ける事も作戦的には有効である.

難しい問題ばかりであるが,その難しさを説明しながら,政治課題に挙げて方向性を示す事が必要である.ポイントは’信頼の確保’である.

だとすると,自民党のキャッチコピーは’行財政改革と日本の再生’が考えられる.900兆の借金の総括をしながら経済政策,社会保障政策を掲げる事だと思う.これなくして国民の信頼は取り戻せない.

特に借金の総括で,効果もなく借金だけが残っているものがどれくらいあるのか,その事業の当初の計画と実際との差異とはなにか,を明らかにする必要がある.この返済こそ急がねば,将来の国民を苦しめる,この撲滅こそ’不良債務の撲滅’であり’債務の健全化’である.効果が出ている借金返済は将来の国民も納得するからである.

同時に,不良債務を生んだ責任を取らせる事も,強烈なメッセージになる.排除すべき悪を掲げる事は戦いの基本である.これなら,自民党の再生に国民は期待するはずである.それくらいやらなければ,自民党の危機は解消しない.党の責任感と自浄作用がなければ,選挙と言う国民の審判に勝てない.

歴史が証明している様に,昨今の政権にしても,’組織は内部から崩壊する’決して外部から滅ぼされるわけではない.まず,内部を正して行くことが,勝つ秘訣である.内部をさらけだし,内部の異論者を排除(離党)する姿勢が国民からの信頼を得る秘訣である.これで政党が分裂するなら,政党政治にとっても,日本にとっても,進歩である.これは自民党も民主党も共通したテーマである.

いずれにせよ,キャッチコピー,論法の構図は,これからの選挙には極めて重要である.そのポイントを整理すると,

①自軍のコンセプト,やる事を表現する(意思・主張,熱意)
②相手の正論には賛同する(誠実,争点回避)
③相手を一方的に非難しない(謙虚,品位,反感防止)
④自軍の中に悪玉を作り,これと戦う(反省と自己改革,相手攻撃の防御)
⑤相手の主張・
問題点をカバーする論理を作る(大局的立論力)

以上,総選挙が.好試合になることを願って提言した,選挙参謀の皆さんいかがでしょうか.日本は今,ジャパンバッシングからジャパンパッシングへ,そして,ジャパンミッシングへと,世界の評価が落ちていると言う.総選挙の行方に注力して行きたい.

それにしても一票しか行使できないのは,余りにも少なすぎる.
悩める季節が続く.

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