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2008.09.14

152 日本の3大閉塞感(憲法・借金・文化)

日本人が抱く閉塞感を3つ上げてみた.

第一,憲法の改定方法のない日本は自立した民主国家と言えるのか
第二,国の借金の限界と返済計画はあるのか,未来の国家財政はどうなるのか
第三,日本文化の葛藤をどう考えるのか(競走と和,縦文化と横文化)

である.この三つの問題に見通しを持たない限り,日本はじり貧になって行く感じがする.識者や政治家の所見も聞こえてこない.知った事かと無視する力も無い,自虐感,悲壮感,閉塞感,だけが漂う.

まづ第一の憲法改正問題である.憲法論議で,集団的自衛権や海外武力協力の問題,有事の時の問題,日米安保との関係,などの多くの議論があるが,現行憲法を変える方法がないのに,その議論は何なんだろう,解釈論の議論なのだろうか.むなしくなる.変えられると言う覚悟があって,初めて世論を巻き込んだ,真剣な議論ができると思う.

そこで,憲法改定に関する現状,問題,所見を整理してみた.
まず憲法第96条は次の通りである.


『この憲法の改正は,各議院の総議員の3分の2以上の賛成で国会がこれを発議し,国民に提案して,その承認を得なければならない.この承認には,特別の国民投票又は国会の定める選挙の際行われる投票において,その過半数の賛成を必要とする.』

たったこれだけである.そこで,いくつかの懸念,問題,所見を述べたい.

まず①衆参それぞれの3分の2以上ないと発議し,国民に提案できないという事は,憲法制定者が発議そのものを実質不可能にし,改正をさせないと考えたか,ハードルを低くして,国民に信を問う事は危ないと考えたか.いずれにせよ,占領時代のなごりが今も憲法を凍結させている.革命でもない限り,永久に変えられないかもしれない.何よりも,変える,変えない以前に,民主主義をかなり抑圧している点が問題だと思う.

次に②’その過半数’の問題である.遅ればせながら2005年に国民投票法が制定されたが,それによると’有効投票数の過半数’である.’その’を’投票’を指しているとの解釈である.英語原文からの解釈だそうである.従って投票率は無関係になる.しかし,’有権者の過半数’ともとれるのである.解釈が曖昧だと,現行憲法で国民の採決ができない事になる.国民投票法が違憲か合憲か決着しておく必要がある.

③さらに難問は国民の意識と覚悟である.必ず通らなければならない問題である,多分,国会発議の提案は新憲法一式である.この一式に対しYES,Noを言う事になる.国民は一部でもNOなら,あるいは欠けている部分があるなら,全部NOとするか,重要な部分がYESなら全部YESとするか,現行憲法よりましだとしてYESとするか,悩ましさがついて回る.あるいは,NOを減らすために,国会の発議を,条文ごとに小出しにする事になるのだろうか.いづれにせよ,国民は人気投票のような気分で投票は出来ないし,有史以来初めての覚悟が問われる事になる.

④新憲法と整合する法律にする為に,現法律を焼き直す作業が発生する.憲法改正内容にもよるが,膨大な作業であり,新憲法発令までにやる必要がある.新旧の法律を並存させたり,新たに作る場合も予想される.

避けては通れない問題であるが,はたして,複雑に絡み合った法律を解きほぐせるのか,本当に実現できるのか,永年放置してきた付けであり,又,難問が立ちはだかる.

⑤現時点でも,憲法改正の手続き法は完了していない.国民投票法によれば,2010年から実施可能だとしているが,細部が詰められていない.しかし,現憲法では,発議すら出来そうもないから,又,手続き法は半永久的に先送りになり,憲法を変えられない国として,これからも存在して行くのだろうか.

しかし,改正の手続き法は民主主義のルールであり,発議の有無とは関係ないはずである.速やかな制定が必要である.

憲法改定方法を持たずにきた事が,長い間の憲法議論を中途半端にし,解釈論,禅問答だけを繰り返し国民も決断を迫られる事もない状態,を作ってきたと思う.

その結果,憲法への愛着や国民の自主性・思考力・立論力の育成を弱め,考え方(顔)が見えない国,世界の常識とかけ離れた国,半人前の国,になっている感じがする.ここに閉塞感がいつも漂うのである.

戦後63年間,憲法を変えていない国はあるのだろうか.憲法改正の手続きが決まっていない国はあるのだろうか.それでも日本は民主主義国家と言えるのだろうか.憲法を変えていない事を誇れても,平和憲法を誇れても,改正の手段を持っていない事で失笑される.

憲法制定時,憲法改正のハードルを高くした理由は

・戦争放棄を永久化したいから,
・日本を信用できないから,
・憲法改正規定の重要性の認識がなかったから
・占領下で改正規定は重要でなかったから
・改正規定まで手が回らなかったから

かも知れない.制定時,改正方法を議論した形跡は知らない.
又,憲法改正のハードルが高いなりに,現在まで改正手段を作らずにきた理由は,

・日本国民は自ら憲法を作る熱意も,考え方も,決断力も,経験も,ないから,
・憲法を改定する必要が無いから

・改正手段を作る事と,憲法第9条を改正する事が一対であったから
憲法改正という最大の難事業をやる政治力もエネルギーもないから,
・現憲法下で憲法改正発議が出るとは思えないから

かも知れない.いづれにせよ,政治の怠慢である.

結果,自ら憲法を変えられない半人前の国家のまま,憲法全体が凍結状態になり,日本人の思考停止状態を招いていると感じるのである.

民主主義を標榜する以上,憲法の内容より,最も大事な事は,改正手続きである.民主主義は手続きだからである.一般の契約書でも,改正の仕方を定める事は,きわめて重要である.改正条項が不明確な憲法は放置国家,崩治国家ならいざ知らず,法治国家,民主主義国家ではあり得ないのである.

そこで⑥まず民主主義のルールとして,第96条の改正のみで,憲法改正の国民投票をやるべきである.そこで国会では,発議条件はこれで良いか,’その過半数’の意味は何か,等を3分の2以上で発議すべきである.

そして,憲法改正の手段,国民の意識,経験を踏まえて,現実問題としての憲法問題を論ずるべきである.国民も真剣に,リアリティを持って論議に参加出来ると思う.改定手続きもないのに,発議もできないのに,憲法論議をするのは無責任な時間の浪費に等しい.

憲法内容の世論を形成するにしても,その前に,ルールを作っておかねばならない.憲法改正に反対する為に,ルールを作らない,改正する為にルールを作る,では,民主主義ではない.

今頃こんな事になっているのは,わが国は先進国どころか,敗戦直後の政治的後進国と言われても返す言葉が無いが,今の状態では,戦後100年たっても,改正されないかもしれない.憲法を国民の手にするのは,いつの日なるのだろうか.10年に1回くらい憲法が変わるほど,国民の政治参加とシビリアンコントロールが働く国になりたいものである.

日本は戦後,この憲法問題はじめ,領土問題,安全保障問題,戦争責任問題,歴史認識問題など,引きずったまま,閉塞感に覆われていると思う.さらに,近隣の南北朝鮮問題,中台問題も閉塞感を深める.ヨーロッパの変化と比べれば,あまりにも極東の問題解決が遅いと感じる.

次に,日本の借金問題である.GDPの1.5倍(800兆)の借金,そんな国はどこにもない.当然,その返済額は国家財政を圧迫する.20兆の返還に同額の借金をするさまは,サラ金地獄と同じ状態である.

又,効果の出ていない借金(景気対策名目で食った借金)の返済は将来の財産権と主権在民権を侵害する.これがどれくらいあるか早急に精査し,少なくても,未来に引き継ぐ借金は効果が出ている借金だけにする必要がある.まさに不良債務を撲滅し,財政健全化を図る必要がある.

日本は他国の債権を持っているから,借金は国民の財産になっているから,債権者は国民だから,インフレで軽くなるから,とあまり慌てなくとも良いと言う人がいる.ならば,一刻も早く精算したらどうかと言いたくなる.そんな事は出来るわけがないのだが.

そして日本は借金返済の上に,社会保障対策,自然災害対策,安全保障対策,景気対策,等の大きな財政需要がのしかかってくる.常に増税と赤字国債の発行圧力が続く.かくて日本は,’背に腹’で国家財政破綻への道を歩み続ける危険性を秘めているのである.

この借金問題をどのように解消していくのか,その為に歳出削減や増税がどの程度になるのか,返済計画をどうするのか,などの破綻回避の道筋を付けなければ,国民も納得しないし,そもそも,国家予算や税制は論じられないのである.

とりあえず’赤字国債は出さない’(基礎的財政収支の黒字化・プライマリーバランス確保)は入口の話であり,道筋になっていないのである.

特に国家予算に直結している年金・介護・医療などは,この借金問題と無関係ではない.個人の収入も,国の税収も,経済成長が右肩上がりの時代ではないだけに,不安を加速させる.又,膨大な借金が,あらゆる行動を制約し,公共サービスもなくなる不安もある.国民の自業自特の結果であるだけに,やり場のない閉塞感が漂う.

このことから,苦しい中で,’借金を増やさない’’筋肉質の国家に改造する’は当然のテーマである.特に国家のメタボ治療は,無駄を削るに留まらず,優先度の低い事業・機構も削らなければ,とても社会保障の財源は出てこない.天下り法人や国会議員数の削減も当然である.公共事業で経済を支える手法が又台頭しているが,90年代の600兆の借金を作った二の舞となり,もうその選択肢はないと思う.

借金が1000兆であろうと1500兆であろうと大丈夫だ,と言う論拠があれば別だが,現状は上記のように,財政危機だと思う.繰り返すが,やるべきは

・筋肉質な国家の実現(行政コストの削減)
縦割り予算の調整強化(省間調整強化,一般会計と特会調整強化)
・公共事業の目的・実際の監視強化(国民へのアカウンタビリティ強化)

しかない.この中でパイの拡大(経済成長)を国民は必死に努力するしかない.公共事業経済から脱出するしかない.残念ながら,日本には,これくらいの選択肢しか残っていないと思う.

借金問題の深刻さが騒がれないのは不思議である.悪い事は言わない大本営発表の轍を踏んでいるのだろうか.元来,国や地方自治は借金をしない事が法の基本理念のはずである.未来の負担を先取りさせない為,青天井にならない為である.特別の例外として建設国債と赤字国債があるが,いつの頃から,軽々しく発行し,使い方の追跡管理もルーズになったのだろうか.

以上,わが国の深刻な問題を述べたが,憲法や借金の問題は手段の問題であり,目的が先だ,と言う論客もいる.その人に言いたい.いくら目的を論じても,いくら目的が正しくとも,革命でも起こさない限り,現憲法と借金問題には勝てないと.手段が制約と化し,目的すら論じられなくなっている,と思うのである.

ところで,次の総選挙で,どの程度,この閉塞感に光が当たるのだろうか.票にならない,選挙に勝つ事しか頭にない,と,話題にもならない感じもするが,この二つの閉塞感に立ち向かう政治家こそ,’真の改革の旗手’だと思う.口当たりの良い公約以前に,政治家の反省と解決への取り組みが先だと思う.

最後に日本文化の葛藤問題である.日本は歴史的に中国,ヨーロッパ,戦後のアメリカの影響を強く受け,和魂洋才で文明を積極的に輸入してきた.反物に例えると,和魂という縦糸に洋才という横糸で模様を作り,反物にして来た感じである.

更なる国際化の中にあって,文明だけではなく,考え方,仕組みと言う文化まで,日本的なものが一枚一枚はがされてきている.(当ブログ・日本文化の葛藤,でも発信)良しあ悪しは別にして,洋魂洋才の傾向を強めているのである.縦糸の和魂が洋魂になり,日本的反物がなくなるのではないかという葛藤が起こっているのである.

政治政策,経済政策,あるいは教育現場で文化や価値観の対立が起こる.和魂か洋魂かの葛藤である.私見によれば和,縦の社会と競争・横の社会を場面に応じて切り分けていく必要性を感じる.これらを足して2で割る様な制度・仕組みは中途半端になる.力が半減する感じがする.ラクビーでい言うノーサイドの精神で,社会でも企業でも個人でも,二つの概念を並列に持つ事が必要だと思う.

当ブログでも述べているが欧米社会は見事に,この二面性を使い分けている.激烈な競争社会の反面,宗教やチャリテー精神,夢とファイテング゙スピリットを持ち合わせている.文化問題は長い時間の中で形作られるものだと思うが,二面性を使い分ける考え方は今からでも必要だと感じる.

伝統的な日本文化は村社会で居心地の良い社会かもしれないが,論理性が弱かったり,個人の自立,価値観の多様化,経済の発展にとって足かせになり,世界から孤立する可能性もある.’和と競走’の二面性を並列に持つ文化・制度・仕組・行動がこれからは大事だと思う.

以上,日本の3大テーマ(憲法改正問題,借金問題,日本文化問題)を述べたが,日本の進路を考える上で避けて通れない問題であり,識者の見識を求めたいのである.

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http://gimpo.2ch.net/test/read.cgi/news5plus/1221221762/ [続きを読む]

受信: 2008.09.15 10:05

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