« 152 日本の3大閉塞感(憲法・借金・文化) | トップページ | 154 金融・経済危機の教訓 »

2008.10.03

153 解散のきっかけ争い

自民総裁選を盛り上げて,新総裁のもとで,一気に総選挙に突入すると言う福田総理の最後の賭けも失敗に終わった.

総裁選が盛り上がらず,新内閣も保守色が強く,新鮮味に欠ける事から,思ったほどの人気も上らず,総選挙に,直ちに突入する分けには行かなくなったのである.

福田総理としては自分の辞任は何だったのかと思っているに違いない.政権を投げ出した汚点だけが残った感じである.

解散が遠のいた状況で,選挙公約も先送りされているが,新自民党政権の特徴は次の三つである.

①伝統的保守勢力が主流となった事
②改革より経済対策優先(財政出動論者)になった事
③総選挙に有利になる新たな解散の切っ掛け作りが必要になった事

である.この事が選挙に勝てると考えたのか,自民党内権力闘争の結果でこうなったのか不明だが,これが自民党の現況である.

これに対し,民主党は日本の統治機構の改革(行財政改革)による課題解決を訴えている.まさに’自民の保守対民主の改革’の,わかりやすい構図になってきた感じがする.

構図としては民主党がデベートに勝てる構図である.攻めの小泉戦略風になれば,自民党は守勢になる.自民党はこの構図を避ける為に,自民党政策の一つの柱に改革を入れるべきだと当ブログで発信してきたが,今のままでは,天に唾する事を避けた,責任回避とも映る.

残る自民党の戦術としては民主内で意見統一されていない議案(テロ特等)を提出し,民主党を混乱させ,政権担当能力に問題あり、との印象を国民に示す事である.これが解散の有利なきっかけになる.

民主党は,そうはさせじと,自民党の失政を徹底的に追求するために,議案に賛成し続ける可能性もある.こうなると,自民の議案は通り,民主の責任追及は続く,という奇妙な持久戦になる.

しかし,保守的な国民性からすれば,失政をいくら追及しても,自民党に依然有利である.民主党としては,政権担当能力と政策の実現性は勿論だが,それと同時に,不人気の現代表に変わる改革論者を立てる事,自民党内閣を凌駕する内閣の陣容を示す事,が必要だと思う.民間人の登用も有効である.これによって,政権交代の安心感が高まり,国民の保守的ハードルが低くなると思う.

自民党はまだ選挙公約を発表していないが,両党ともに,細かな駆け引きより,もっと本質的な日本の課題を中心に,政権交代可否にふさわしい論争を期待したい.同時に,当選する事,政権を取る事と日本の為になる事が一致した政策を期待したい.

特に自民党は行財政改革(公務員・縦割行政・特会の改革),社会保障改革(年金・介護・医療)をどうするのか,難問の当事者だけに避けてはいけない.これを争点にするくらいの公約を立てる義務がある.経済不況が深まる傾向の中で,行政コストの削減,社会福祉の堅持,は政治の責務であり,政権担当能力そのものだと思うからである.

解散が延びている間,十分な政策の充電をし,選挙に臨んで欲しいと思う.それとも選挙事務所の確保や組織固めに忙しいのだろうか.そんな事に執着していると,持久戦による兵糧攻めに逢う議員が出るかもしれない.

一方,世界情勢の変化,未曾有の経済不況を目前に,自民党の3分の2の空前の議席を任期いっぱいまで活用したいとの誘惑が総理の頭の中で膨らむかも知れない.こうなると,自民党批判も下火になる可能性もある.自民党にとって最善手かも知れない.

保身や権力欲の魑魅魍魎がうごめく政局であるが,日本の難題に向かう考え方,政治姿勢に注力したい.

.

|

« 152 日本の3大閉塞感(憲法・借金・文化) | トップページ | 154 金融・経済危機の教訓 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/134518/42668793

この記事へのトラックバック一覧です: 153 解散のきっかけ争い:

« 152 日本の3大閉塞感(憲法・借金・文化) | トップページ | 154 金融・経済危機の教訓 »