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2009.01.10

162 財政出動への懸念

当ブログで度々財政出動の問題を発信してきた.言うまでもなく,財政出動(公共事業)は消費需要,民間企業の設備投資とともに,当面の需要や雇用を支える側面と将来の生活や経済に役立てる側面がある.ケインズ理論はこの両方の効果を説いたのである.

経済危機対策で,この公共事業が拡大する.箱物行政批判,財政悪化で抑圧されて来た積極財政論者が,久し振りに元気になってきた.

この論者は積極財政出動が改革より先だと言う.'経済成長なくして改革なし'と言う論者である.90年代と同じ主張を繰り返している.しかし,好景気の時でも財政出動を減らすべきだ,改革すべきだ,とは言わない人たちである.古参議員に多い気がする.

要するに経済の好不況に関係なく,いつも工事が欲しいと言う本心を隠して,将来の必要性,効果をでっちあげて来た人達である.役立っていない道路,港湾,空港,土地造成,巨額の借金,公共事業経済等を作ってきた多くの実績(箱物行政)がこれを証明している.

まさにケインズ理論を傘に工事という飯を食ってきただけ,と言えるのである.本来の公共事業の目的が公共事業経済を維持する為に変わって来たのである.結果.,地域振興の大儀は,いつも達成されず,工事が減ったから地域は苦しいと,工事を要求し続け,そのツケを将来にまわして来たのである.

その人達から,90年代の事業評価や膨大な借金への所見は聞こえてこない.救済事業,先行投資の区別も見えない.ましてや,国家戦略としての先行投資ビジョンも全く聞こえてこない.

今や,火をつければ経済が燃え盛る復興経済時代ではないし,そんなに経済規模は小さくない.そんな打ち出の小槌もないし,理論もない,成功実績もない.エゴも,無駄も景気対策の内と言うなら,予算は青天井となり,国家の財政破綻,超インフレを招くだけである.

しかし,今回の米国の新ニューデール政策も,我が意を得たりと,得意満面である.彼らが無用の箱物と巨額の借金を生んだ事など,まったく意に返さないのである.自分は生きていないから,将来はどうでも良いのかもしれない.

このような人たちが集まって,意味ある財政出動に向けた選択と集中,国家財政の維持が出来るのだろうか.空虚なピカピカの箱物が全国に散在し,本当に必要な事業に金が回らない風景はもう見たくないのである.経済不況対策が箱物行政に戻ったら,明日の日本はない.

各省庁縦割りの予算の積み上げにメスを入れられるのは,国会議員しかいないのだが本当に大丈夫だろうか.是非,公共事業のコンセプト,評価を厳密にすべきである.救済効果,先行投資効果を明示すべきである.ごまかしで予算をとれば,横領・詐欺である.国会を通たったとしても,免責にはならない.

NO159経済危機対策でも述べているが,公平,人道を軸にした救済事業と経済波及効果を軸とした公共投資とを識別して,メリハリを付けた対策が必要である.特に公共事業は当面の需要・雇用の救済的色彩を持つ事業(公共消費)と,上記の公共投資に分けて論議すべきである.

経済危機対策で,使える金が増えたとばかりに,過去の例のように,ルーズな,公共事業(投資ではなく公共消費)になれば,膨大な借金で国は滅びる.

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