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2009.02.23

165 政局予想(保守と改革)

経済が危機的状況である.昨年10月から12月のGDPは輸出の半減もあって,年率換算12.7%の減だと言う.,1月から3月も,さられに悪化の予想である.

かつて,バブル崩壊後の失われた10年,金融危機に対し論理を持った頑強なリーダーが対峙した.残念ながら現在,そんなリーダーは見えてこない.見えるのは古参の領袖の顔だけである.

もし阿倍政権で世代交代と改革路線を続行しておれば,福田政権で大連立が成立していれば,もし麻生政権誕生で総選挙が行われていれば,随分様相が変わっていたに違いない.

さて,現実問題として20年度補正予算,21年度本予算が国会を通ったとして,その後どうなるかである.自民党の動きは次の三つだと思う.

①21年度本予算成立後,新総裁,政権構想を掲げて総選挙(5月)
②21年度補正予算,外交日程をこなし,任期満了,新総裁で総選挙(9月)
③自民の改革派が離党し総選挙,民主離党組みも合流か(9月)

①のケースは改革色の中堅からの総裁をたてて世代交代と政権構想で打って出るケースである.勝つならこのケースが必要.中堅と言っても,保守色の強い新総裁では打って出る感じが出ない.党内が結束するか,保守色が非公認になるか大きな課題.

②のケースは次期総裁に保守色のベテランを立てて戦うケースである.今の自民ではこの方が有力である.但し,民主党の攻撃を受けやすいケースである.同時,このケースでは,中堅若手の改革派が離脱する可能性を秘める.

③で改革派が離脱すれば,小泉以来の旋風が起こるかもしれない.自民党,民主党の票を奪う事から民主党の脅威になる.尚,小泉元総理の麻生批判で,二男は改革派で立候補すると思う.改革派の離脱がなければ,無所属で立候補すると思う.

いづれにしても,総選挙で,過半数獲得の政党は現れないと思う.その結果,自民・民主の保守派,自民・民主の改革派,民主・社民の左派,公明,共産の五つの勢力に分離する.

そして連立の組み方は,それぞれ性格,思考力が違うので簡単ではないが,比較第一党を中心に数合わせの魑魅魍魎の戦いが起こる.参院はこれによって離合集散する.新たな衆参ねじれ状態もあり得る.しかし,

いづれ,保守派と改革派の二つの政党に収れんして行く.この二つの政党が国の状況によって政権を担い合う.どうだろうか.希望的観測に終わるのだろうか.

ところで,保守派と改革派に二分したのは,各政策の根底に,この二つの人間の性格があるからである.しかし現在のように,二つの性格が党内に混在していると,政策ごとに是々非々が起こり,常に異論者を抱えた政党になるのである.

従って,政党政治を鮮明にして行くなら,保守的か改革的かと言う人間の性格で政党を作る事である.政策の理念が一致しやすく,国民から見れば,わかりやすくなる,と思うからである.

そこで保守,改革の性格,思考について,整理してみた.

保守的性格とは秩序を重んじる性格で,変えるとしても改善(根底は現状維持)である.現状否定から始まる改革論は生理的に嫌う.曖昧の合理性,理より気を好む.この性格故に秩序を壊したり,伝統や価値観を失う事には全力で抵抗する.一言で言えば義理人情浪花節・演歌が好きなタイプである.

このタイプには日本の血統主義,農耕民族,村社会の文化がDNAとして残っている.日本の国民性でもある.政治思考は律令国家,長老政治,集団意識,大きな政府,縦社会,混合経済,パイの分配,組織票重視である.

改革的性格は論理や合理性を好む性格である.不合理な,曖昧な事は生理的に嫌う.気より理を優先する.デベートに強く,保守派が優柔不断な人間に見える.理のためには現状否定,やめる事も決断する.一言で言えば米国文化・洋楽が好きなタイプである.

いつの世にもこの理論派がいるが,日本の土壌では大衆の賛同が得にくい性格でもある.しかしグローバル化でこのタイプの人気は高まっている.政治思考は自由経済,パイの拡大,小さな政府,個の自律,横社会,非組織票重視である.

安全保障について保守,改革の色分けが出来ない.現行憲法下では政策課題に挙げられず,思考停止状態にあるからである.性格から判断すれば,保守派は思想的には右翼的色彩を持つ人から,非武装中立までいろいろあるが思想を論じる事が好きな人達である.改革派は国際情勢の中で,現実的機能論を論じる人達である.

尚,どの国の政治家にも,この二つのタイプがいると思うが,政党で分かれている様に思う.ただし,その国の歴史によって,守るべきもの,改革すべきものは違う.

例えば米国の共和党は自由主義経済,を守ろうとする保守派であり,戦後の強いアメリカを目指す.日本的資本主義の脆弱性からの脱却をめざす日本の改革派と波長が合う.

米国の民主党は混合経済,大きな政府,パイの分配,の色合いがする.アメリカの歴史からすれば,これは改革であるが,日本の保守派と波長が合うはずである.

現実の日本は重大な課題に直面すると,政局や政党再編の議論が起こったり,日本の3大閉塞感(NO152)で思考停止状態になったりする.その結果,本来の政策になかなか取り組めない事態になり,うやむやのうちに先送りになる.挙句,本質的な問題が蓄積され,ますます,解決を難しくして行く感じなのである.

この現実は国民も政党も,まだまだ未成熟だと言う証拠であるが,早く,保守VS改革で党を再編し難問に立ち向かう政治体制を作って行きたいものである.その期待を込めた政局予想なのである.

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