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2009.07.20

180 歓迎すべき党内部抗争

7月21日衆議院解散,8月30日総選挙が決まった.9月に自民党総裁任期が切れる事もあって,総選挙前に次の総裁を前倒しで選ぶべきだとの主張が反麻生陣営から噴き出した.結局,今のところ,現体制のままで選挙に臨む情勢である.

マスコミもコメンテーターもこの一連の抗争に対し,自民党の末期症状,政権陥落の悪あがき,政策をまとめられない程の凋落,分裂選挙必死と報道した.

残念ながら,なぜ今回の内部抗争が起こったのか冷静に見つめた報道は皆無であった.表面的な興味本位の人事抗争だけを伝えただけであった様に思う.

私見によれば,何度も当ブログで述べているが,今回の抗争は小泉政権以降くすぶっている保守勢力対改革勢力の政治路線抗争であったと思う.誰が総裁になるか,誰が人気をとれるかではなく,今後の自民党の政治路線の戦いであったと思う.

一方,自民党内の過去の抗争もそうであったが,政治路線や政策を前面に出して戦う事を避ける傾向がある.引っ込みがつかなくなる,妥協・収束できなくなる,からか,派閥間の権力闘争という形を取ってきた様に思う.

今回も抗争の根底になる政治路線,政策を,あからさまに主張する政治家が皆無であったように思う.保身が働いているのだろうか,小選挙区制ゆえの縛りが働いているのだろうか残念である.

今回の抗争は現体制存続で第一ラウンドは終わったが,マニフェストづくりで第二ラウンドが起こると思う.ここで,もう一度,保守と改革の戦いが起こる.こちらの方が本質的な抗争になると思う.

又,民主党も政権奪取の前に結束しているようだが,政治信念や路線,政策はゴッタ煮状態である.自民よりもっと大きな考え方の差が内在しているように見える.権力奪取を目の前にして,内部抗争を封印している感じである.

結果,主張も表面的であり,内部抗争になりそうな政策は避けている感じがする.これでは政権をとったとしても,無責任である.

ところで,総選挙にあたって,戦う構図を作る事が極めて大事である.民主党が国民への分配重視,行政構造改革断行,だとすると,自民党はどうするかである.

明らかに自民党の保守路線では公共事業バラマキ,官僚国家のイメージが強く,支持されない.日本民族主義的国家像を信条とする保守本流に拘るだけなら,現在の政治課題は解けないと思う.

自民党が勝つ為には,未来の日本に向けた課題を直視し,その対策を打ち出す必要がある.天に唾するような課題であっても逃げてはならない.長期政権を担ってきた責任だからである.’実績を見てくれ,安心・安全は自民’,では負けである.既に支持率で評価はなされているからである.

自民党は政策で戦う構図を作らずして民主党政策の実現性や政権担当能力を批判出来ないし,選挙には勝てないのである.その意味で自民党のマニュフェストが注目される所である.前回ブログの政界予想通りだと思う.

繰り返すが自民が保守本流政治を標榜し,’保守の自民’’改革の民主’の構図になれば勝負あり,である.既に安倍・福田・麻生政権の保守回帰で支持を落としているからである.

このように,意味ある選挙にする為に,どの政党も闊達な路線・政策の党内抗争をして欲しいのである.その上で政策を,国民に訴えるべきである.議論を封印して,ただ結束を叫ぶ政党は信用できないのである.

もし,政治信念・路線が違えば,離党し,無所属もしくは新党で戦うべきである.政権交代の前に政界再編が先と考えるからである.選挙の結果,離合集散するのでは,選挙の意味,国民の選択,政党政治を無視する事になる.何でもありの代議政治になってしまうからである.

ところで,マニフェストであるが,是非,各政党とも,次のことに触れて欲しいと思う.

①国家の借金残高の評価と対策
予算編成の構想
③行政改革の構想
④社会福祉の構想
⑤経済・金融政策の構想
⑥農業政策の構想
⑦文教政策の構想
⑧税制改革の構想
⑧憲法解釈と安全保障の構想

小選挙区制度にも関わらず,わが党にはいろいろな意見がある,と中選挙区感覚の政治家がまだ多い.ゴッタ煮の政党ならば,大いに党内抗争をやるべきである.

政治路線が許容出来なければ,分裂すべきである.小選挙区制は政治路線,政策の抗争をやりながら党を編成し,2大政党になって行く制度だからである.

それとも,小選挙区制はゴッタ煮の2つの権力闘争チームを作るだけ,政策と無関係に政権交代が起こるだけになるのだろうか.だとしたら人物中心に選択し,人物に政策を負託するしかなくなる.そうであるならば,小選挙区制だからといって,必ずしも,党の政策を選んだ事にはならないのである.

人物中心に選び,その人物が党を構成し,党で政策を討議し,国会で政策論争を行う,という人物中心の中選挙区制が日本の実態に合っているのかもしれないのである.

形だけ小選挙区制にしても,ゴッタ煮の政党のままでは,選挙は勝ち負けを決めるだけの場になる.活発に党内抗争をやってゴッタ煮の政党から脱却すべきなのである.

はたして国民の選択理由が,人物か政策か政党か,知りたいものである.そんな世論調査があっても良いと思う.

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