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2010.06.17

216 参院戦のキャッチコピー考

会期中に内閣が総辞職したにもかかわらず,会期延長もせず,新内閣と野党との論争なしで国会は6月16日閉幕した.総辞職のロスタイムもとらず,党利党略優先で国民不在の国会にした民主党の暴挙は憲政の歴史に大きな汚点を残した.

さて,本日から,いよいよ7月11日の参院選挙に向け激戦モードに突入する.安定政権を作りたい民主党,そうはさせない野党,が激しくぶつかり合う.民主党連立政権が絶対安定政権になるには衆院で3分の2が取れていないので,参院で過半数が必要となる.

過半数確保出来ない時,民主党が新たな連立を作って過半数を確保する事になるか,自民党もしくは自民党連合が過半数を取る事になるかであるが,後者の場合,完全に民主党連立政権は立ち往生する事になる.この時,一気に与野党含めた政界再編に火が付く.

私見で言えば,いづれ,保守,新保守,リベラルの政党に再編すべきだとの考えから,後者に期待したい.日本の置かれた状況に応じて,的確な政権選択を可能にしたいからである.ちなみに現在の日本の状況は小さな政府思考の新保守が出番だと思っている.保守,リベラルの大きな政府思考では日本の難問を解決できないと思うからである.

そんな重大な意味を持った参院戦であるが,大いに政策論争を期待したいところだが,どんなパンチの効いたキャッチコピーが飛び交うのだろうか.

このキャッチコピーで強烈だったのは小泉政権である.今でもその真理は生きていると思うが,バブル崩壊で露呈した日本の脆弱性,失われた10年を背景に,'聖域なき構造改革’,’官から民’,’郵政・道路の民営化’,’改革なくして成長なし’,’規制緩和’,’米百俵の精神’,'不良債権処理''自民党をぶっ壊す','守旧派は敵だ’など小さな政府を目指した改革の強い意志を的確に表現していた.

さて,今回はどうだろうか.全く余計な事だが,私だったら,どう言うか,考えてみた.

民主党の立場で言うなら.

所信表明や参院選マニフェストで昨年の総選挙マニフェストを変更しているだけに,言いづらいところがある.国民が期待している事業仕訳にポイントを置いて'国家運営の大掃'位しか浮かばない.'第三の道で強い国づくり'と言っても漠然としている.相変わらず’生活第一’と言っても新鮮味がなく,バラマキと社会主義を連想するし,財政再建も成長戦略も連想出来ない.

自民党への攻撃は'静かにして戴ききたい''謹慎して戴きたい'だろうか.これは結構きつい一発だと思う.自民党からは’党内の事を俺に言うな’とヤジが飛んできそうだが.

自民党の立場で言うなら.

昨年の下野から依然と立ち上がっていない.長期政権の総括をした上で,日本の課題と対策を論じる,と言う当たり前の行動から逃げているからである.日本政治の教訓としても残す必要があると思う.

そのケジメなくして,自民党は天に唾する宿命から脱しられず,信頼感も支持も得られないと思うが,依然として,路線もはっきりせず,敵失を待つしかない状態が続いている.

又,保守政党を改めて表明しても,それで敗退しているだけにパンチがない.中堅・若手に世代交代も進んでいない.3年後の総選挙に向けた人材発掘,登用も見えない,新保守主義,小泉イズムの勢力も埋もれたままである.

そんな自民党であるが,キャッチコピーを考えてみた.まず,総辞職に追い込まれた民主党への攻撃は,'今さら何だ,無責任だ',’左派路線・大きな政府は国を滅ぼす'あるいは'労働組合政党は国の経営は無理だ',’公務員改革は民主党では出来ない’,’強い国づくりは最低でも県外と同じだ’,だろうか.

自民党の主張としては,上記状況だけに,適当なコピーが浮かばない.小泉政権の様な強烈なコピーは今の自民党には似合わない.あえて言えば’環境・長寿立国’,'国際立国',と前向きなコピーが良いと思う.もちろん,自民党にその気がなければ意味がないが.

他の野党の立場で言うなら

保守,新保守,リベラル,左派等の政治姿勢を明らかにして,民主党では出来ない政治課題を絞って,憲法改正,安全保障,行政改革,地方主権,社会保障,あるい政界再編,等の主張になると思う.不協和音は願い下げだが,'小さな大政党’を目指して欲しいと思う.

このように各政党のコピーを考えてみると,結構苦労するのである.日本の難問に対し,どの政党も明確な羅針盤を持っていない証拠かもしれない.

そんな中で,国民はまずいメニューと思っても,政治家や政党,政策を選択しなければならない.従って,国民の選択の前に,政治家は全力で,うまいメニューを準備する必要がある.これがなければ,選挙は,まずいメニューにお済付きを与える事になる.日本の将来は各政党のメニューの出来栄えで決まる事を政治家は自覚しているだろうか.

今回,各政党の公約,キャッチコピーの品格,品質に注目したい.

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