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2010.07.24

220 第5期グローバル時代

島国日本は,古来から最も栄えた世界の文明・文化の影響を受けながら,その良さを取り入れ,和魂洋才,和洋折衷の文明・文化を形成して来た.現在でも,この流れは続いている.反物に例えれば,和魂の縦糸に,洋才の横糸で模様を描いてきたのである.

この世界の文明文化の影響を,私見ではあるが,5段階で整理してみた.

第1期・・・・飛鳥,奈良時代の仏教,律令国家(隋・唐・百済からの渡来)
第2期・・・・明治の文明開化(西欧からの政治・産業・軍備の輸入)
第3期・・・・戦後の復興(米国からの科学技術,文化の輸入)
第4期・・・・経済のグローバル化(高度成長と輸出産業の形成)

第5期・・・・人・言語・文化・制度のグローバル化(ソフト・アーキテクチャーの国際化)

明確に変化の仕切りがあるわけではないが,おおよその流れである.特に現在の第5期はBRICSの台頭以降だと思うが,グローバル化の深化に伴う必然的現象である.しかも過去のグローバル化とは決定的に違う変化である.いくつか現象を上げてみた.

・世界規模のインターネットの定着
・デジタル革命と世界的産業構造の激変(フラット化)

・グ゙ローバル企業の国内幹部社員への外人登用
・グローバル企業の海外子会社への現地人経営者の登用
・グローバル企業の社内公用語の英語化
・キャリアパスとしての海外勤務の義務化
・社員の長期海外研修
・入社,昇格の条件に語学力を追加

・内需型企業の国内での外人登用(小売・サービス業等の外人顧客対応)
・技術者(現役,定年者)の海外転職(途上国,高度成長国への転職)

・製造拠点,本社機構の海外移転(グローバル企業のみならず中小企業も)
・求人・求職・出稼ぎのグローバル化(労働市場のグローバル化)
・外資の日本株売買の増加

・上場企業公開情報の英文化(短信,株主総会関係資料,等)
・病院のグローバル化(患者,医師,治療,設備,言語,制度のグローバル対応)
・英会話能力が問われる政治家,学者,ジャーナリスト,キャスター
・国内法の国際化(安全保障,貿易,会計,労働,医療,等々)


有史以来の日本のグローバル化は,限られた分野の貿易と翻訳が中心であったと思う.それに比して,第5期の特質は,広い分野での他国とのコミュニケーション能力や日本社会の仕組み,と言うソフトに,グローバル化の波が押し寄せている事である.

日本民族独特の内と外を区別する文化にも大きな影響を与える変化であり,従来とは決定的に違うのである.冒頭の反物で言えば,縦糸にグローバル化の波が押し寄せてきた事になる.内向きになり易い島国の日本がボーダーレス時代に,これから,どう融合して行くか,問われていると思う.

この第5期のグローバル化が進まなければ,日本はガラバゴス島になるかも知れないのである.日本国内だけで生きていけるとする従来の感覚は通用しないと言う事になる.

一方,この第5期のグローバル化は上記の様な顕著な例が出てきたものの,まだ多くの日本人は特別な分野,企業の話として見ていると思う.
しかし,教育も,働く者も,大学も,企業も,病院も,農林業も,今やグローバル社会の中に存在しているのであって,国内と国外は密接につながっている事を意識した対応が必要なのである.

特に対応すべき例を上げたい.

現在日本は,景気対策や成長戦略が緊急の課題となっているが,発想が依然としてハード(技術や製品)の域を出ていない.この第5期のグローバル化に対応しなければ,技術や製品の世界的交流や貿易が出来ないのである.まさに,国際国家日本の建設が問われていると思うのである.

又,内需拡大とよく言われるが,円高時は特に,輸入が増え,デフレ圧力を加速し,国内企業は疲弊する可能性もある.実は内需産業と言っても,常に輸入品あるいは海外との戦いがあるのであって,既にグローバルの競争に巻き込まれているのである.結局,どの企業も国内・海外の区別なく,売る事が全てなのである.まさに,どの企業も第5期グローバル対応で,サプライサイドの変貌・強化が求められているのである.

ところで,この国際国家の姿とは,日本人が国際的に活躍する,外国人が日本企業で活躍する,事をイメージするが,他国の人や企業が,日本に来たい,日本で生活したい,日本で学びたい,日本で商売したい,日本で研究したい,国になる事も大事な視点である.

又,教育分野も.グローバル化の認識のもとで,人材育成が必要である.新興国の熱意に比して,日本の学生も大学も,極めて,旧態依然の感じがする.このままだと,大学は公費と時間の無駄使い,社会損失を産む機関になりかねないのである.就職氷河期の原因も,これと無関係ではないと思う.

韓国サムソンのヘッドハンテングは有名だが,大学入学者の中から内定者を選び,奨学金付きで,専門分野の勉学をさせる方法をとっていると言う.人材育成への熱意の表れと言う意味で,従来の青田刈とは全く違うのである.

第5期グローバル化は長い道のりが必要かもしれないが,明治の長崎ではないが,地方で国際都市作りをする事で,そのスピードを上げる事が出来ると思う.勿論,国内法が阻害しているのであれば,積極的に特区の検討をすべきである.これに取り組む自治体の出現を期待したい.

この様に,血統主義で,島国で,経済大国の日本ではあるが,新たなグローバル化の波が押し寄せているのである.元来,血統主義の国はDNA的には人には排他的だが,文明や文化には寛容なところがある.和魂洋才や和洋折衷でも明らかである.その延長で開かれた国際都市,国際国家作りと多くの国と交流する日本人を目指したいものである.

ところで,日本のパスポートがあれば,100カ国程度,ビザが不要だと言う.それだけ日本は海外に信用され,どんどん来て欲しいと思われている事だと思うが,逆に言えば,それだけ,各国に滞在する人が少く,日本人は管理する値しないと思われているのかもしれない.こんなところにも,島国日本の姿が見えるのである.

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