« 221 円高・デフレ・対策考 | トップページ | 223 終戦の日・改めて戦史年表をじっと見た »

2010.08.09

222 次世代インターネット空間

インターネットの素晴しさ,利便さは,今や社会にとって欠く事のできない機能となり,ビジネスや私生活のインフラになっている.それを実現している通信方式も,あらゆる通信に利用されている.今後のモバイル時代の到来で,さらに,その役割や広がりは大きくなるのである.

このインターネットはITに総称される科学技術の進展とオープン・フラット・フリーな管理者のいない仕組みによって,ボーダレスのネットワーク社会を形成したのである.もはや,人類史に燦然と輝く,世界人類の共有物になっているのである.

思い返せば,自分らの世代は,多くの人類の英知に遭遇し,その変わり目を体験し続けて来た.インターネットはその最たるものの一つであり,その幸運に感謝せずにはいられないのである.それだけに,便利さを実感出来るわけだが,逆に,使えなくなった時の恐怖が悪夢となって,頭を過るのである.

当ブログ’NO192クラウドコンピューテング考’でも便利さゆえの懸念を発信した.その事も含めて,頭をかすめる悪夢を列記してみた.

①悪意・犯意の情報攻撃の横行
情報社会の影として,悪意・犯意を持った,改竄,誹謗,中傷,漏洩,偽装,搾取,詐欺などが発生する.消去の問題もあるが,根本的には,ネットの利用には匿名を許さない仕組みが必要かも知れない.

②責任者不在のレスポンス悪化
真綿で首を絞められるように,どんどんレスポンスが悪くなってきた感じである.プログラムの巨大化,セキュリティソフトのオーバーヘッド,ネットやサーバー資源の過負荷,など原因はあるだろうが,どこがクリテカルになっているのか不明である.従って,誰が対処するかも不明となる.
当ブログもレスポンスが極端に悪化している.今のところ原因・対策が不明である.

利用者や情報の膨大な増加で,この問題はますます顕在化すると思う.勿論,技術や資源で対応可能であっても,プロバイダーやキャリアーの設備投資には限界がある.利用制限やネット離れが起こるかもしれない.

③情報のゴミが世界に蔓延
ネット上の情報は放置され,急速に情報の夢の島状態になりそうである.今のままでは,何年も前の放置された情報(所在不明情報)が実質,検索の機能を不全に陥れる可能性がある.

ネット上の情報の有効期限や無更新・無アクセス期間の条件をつけて,自動的に検索対象から削除する機能がプロバイダー側,検索側に必要になりそうである.又,ホームページやブログの無料掲載を無くす必要があるかもしれない.

④サポート終了OSにウイルス蔓延
パソコンOSやミドルウエアーの提供者側の維持管理期間にはおのずと限界がある.セキュリティソフトの維持管理期間にも限界がある.

最悪は,ソフトのメンテナンスは終了,セキュリティソフトのメンテナンスも終了,しかしパソコンは昔のまま動いている状態である.
心無きウイルス製造者からすれば,縦横無尽の活躍の場が出来る事になる.この問題は自己責任だけでは済まされない.アナログからデジタルへのテレビの切り替えくらいの社会的問題になる事が予想される.


⑤プロバイダーの経営破綻

社会的インフラとして,その機能を提供している企業が未来永劫,存続し続ける事は考えられない.当然,経営破綻したり,事業が他に移る事があり得るのである.特に大手プロバイダーの事業モデル(民放の広告収入モデルの延長にあるモデル)に限界を感じている.
その時,機能や情報が引き継がれる保証はない.いくら社会的機能だと言っても,保証する法的根拠は無い.只ほど高い物は無い事になる.

この問題は有料のプライベートクラウドにも発生する.契約があるからと言って,解決できる物ではない.せいぜい利用者の自己防衛しか対処できないと思う.

⑤プライベートクラウドのSLA契約訴訟
アウトソーシングに於けるSLA(Servis Level Agreement)の問題であるが,②の問題や障害に対して,インターネットは脆弱である.どの程度の約束とするか議論すべきテーマになる.これも利用者の自己防衛のテーマになる.

⑥人質になるサーバー(システムとデータ)

自分の処理をしているサーバーがどこに存在しているか,利用者から見えない事から,WEBやCLOUDと言う名が付いているのだが,日本の場合,米国に設置されたサーバーの中で処理されている事が多いと思う.グーグルのような巨大な検索システムは数万台のサーバー群を一塊にして,世界に7箇所に分散設置されていると言う.

そんな状態の中で,政治的に自国にある他国のサーバーを人質に取る事はあり得る.テロリストがサーバーを不法に押さえ込む可能性もある.'相手を脅すには刃物は要らぬ,サーバーの回線を切ればよい’と言う事になりかねない.サイバーテロの恐怖である.このように世界のサーバーが安全保障の対象になるのである.

このように,性善説に立ったオープン,フリー,フラットなインターネットの精神,仕組が,巨大な社会のインフラになった時,その良さが,裏目になって現れていると思う.そもそもインターネットが一般化した15年前,今日のようなネットやハード,ソフトの発展を想定していたわけではないし,セキュリティ問題にも目をつむっていたのである.それだけに巨大化,荒れ地化するインターネットの世界を,このまま放置しておくわけにはいかない時期に来ていると思う.

折角の人類の共有物を保持する為に,今こそ,新たな英知が,インターネットに求められていると思う.

例えば,あくまでもインターネットの精神を踏襲しつつ,あくまでも自然なメカニズムを進化させて,秩序を維持して行く方向とするのか,精神に反する事になるが,ネットも,サーバーも,情報も,利用者も,管理されたインターネットの世界(社会規模でのイントラネットイメージ)を考えて行く方向とするのか,思いが巡るのである.

いずれにせよ,未来に向けて,『安全で安心な,ウイルスも住めない快適な次世代のインターネットの空間』を作って行く挑戦者が出てきて欲しいものである.自分の人生で,次は,そんな世界に遭遇したい.

.

|

« 221 円高・デフレ・対策考 | トップページ | 223 終戦の日・改めて戦史年表をじっと見た »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/134518/49104632

この記事へのトラックバック一覧です: 222 次世代インターネット空間:

« 221 円高・デフレ・対策考 | トップページ | 223 終戦の日・改めて戦史年表をじっと見た »