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2010.12.25

233 漂流し続けた2010年と今後の日本

昨年の政権交代以来,今年も,予想通りだが,『ごった煮政党』,『合成の誤謬政党』の民主党政権は漂流を続けた.1年4ケ月前に予想したNO186自民党崩壊と政治路線の行方民主党の性格・問題点が,これほど的中した事に逆に唖然としている.

残念な事は,誰しもが感じているこれらの性格・問題点を直す事もなく,漂流している事である.これも又,非を認めたがらない真面目な,と言うか,懐が浅い,民主党の性格なのである.国民視点で言えば,そんな民主党の性格,メンツ,保身より国家の方が大事なのである.

民主党の公約が『実行出来ていないからけしからん』,と言う人がいるが,もともと公約に無理があるから,実行したら大問題になる.従って,『実効出来なくてよかった』『漂流して当たり前』,となり,けしからんのは『出来ると,うそを言ったからだ』となる.いづれにしても,そんな民主党政権は明らかに限界を超えている.

具体的な民主党及び政権の漂流状態は当ブログで度々発信しているので省略するが,2010年を総括すると,次の通りである.

2010年は,『円高,デフレ,中国の台頭』に代表される年であった.同時に,冷戦時代に変わる次の世界の勢力図が顕在化して来た.BRICSの台頭に加え,中国,ロシアの国家資本主義経済が自由主義経済のメカニズムに大きな影響を与えた.

この情勢の中で,日本の政治は,円高問題,国境・領海問題,米軍基地問題で漂流を続けた.国内経済はデフレスパシラル状態で不景気が続き,企業は市場と低コストを求めて,海外への進出を加速させた.家電も車も逆輸入国になる勢いである.これと共に,産業構造は『加工貿易による貿易収支型』から『海外進出による所得収支型』に変化し始めた.

振り返れば,日本の経済はバブル経済の崩壊,銀行の不良債権の精算,米国の金融危機,新興国の台頭,経済のグローバル化,が加工貿易や下請構造を直撃し,改革も中途半端のまま,経済の右肩上がりは,もはや,遠い昔の思い出になってしまった.ただ残ったのは,900兆円の借金と増加し続ける社会保障費の負担である.

そんな中で,2011年は新たなボーダーレス・グローバル経済がさらに進展すると思われる.間違いなく,経済力・外交力・財政力の競争が激化する.当然,経済的合理性で世界が動く.政策もこれに合致しなければならないし,そうでなくとも,不合理性や不効率性を許容する余裕は,もう日本には残っていない.

企業も,徹底した経済的合理性の追求(競争優位性の追求)と世界規模でのマーケテングが必要である.企業も人も,海外進出や海外企業の進入に合理性があれば避けるわけには行かない.産業が経済的不合理性を抱えたままでは,世界の経済発展から取り残される.先進国とか途上国とかの区別のない,双方向のフラットなグローバル化の中で,産業の代謝が確実に進む.

米国は永年の経済的合理性によって,世界を制する飼料・畜産の一次産業,軍需,医療,IT,化学などの最先端技術・特許に特化した2次産業,世界の金融を左右する3次産業を形成して来た.生活関連・大衆製品は輸入し,輸出国の経済発展を促しながら,飼料,畜産,ハイテク製品,金融を輸出しようとする戦略である.政府もこれを加速させた.この米国の戦略・産業構造は今後も続くと思われる.

韓国は貿易立国を宣言し,国際人の育成,戦略的産業の振興を進め,パイの拡大に取り組んだ.そして,自由貿易を訴えながら,世界市場で目覚ましい活躍をしているのである.この世界市場を目指した取り組みは,スポーツ,芸能分野でも同じである.内需だけでは生きていけない韓国の戦略である.これなくして,国民生活を豊かにし,弱者救済も出来ないと考えているのである.

中国では経済開放政策のもと,大きな市場に対し,海外の企業・資本・技術,を取り込み,世界の工場化を進め,社会資本整備とGDPの急速な拡大を実現した.国家としては,経済発展を支える食料,資源,エネルギー,外交政策を展開した.

さて,日本では,得意の物作りによる加工貿易構造が怪しくなって来た.しかし,永年の国内産業は身づからの国際化には消極的である.得意技術を持っているにしても,世界市場を相手にしている分けではない.ひたすら内需拡大を叫ぶ.しかし,この内需に安い輸入品が参入する.地方の疲弊は,これが大きく効いている.

遅ればせながら,世界と伍して仕事ができる人材育成や世界市場を相手にした産業の育成・拡大が急がれる.特に,今後,世界で求められる技術・製品に集中して,研究開発やマーケテングが必要である.しかも,そのポテンシャルは高いと思うのである.

一方,日本の来年度予算案は,引き続き,借金で分配を続ける内容である.言い換えると,飯代を未来に回す,『食い逃げ』予算である.史上空前の92兆円の予算の内,税収を超える44兆円の借金がそれを物語っている.

『希望の道』どころか,『分配さえ出来なくなる道』,『財政破綻の道』を歩む予算である.食う物がなくなるまで,『食い逃げ』する勢いである.私的借金に慎重な日本国民だが,公的借金には寛容な国民性からすれば,破綻するまで,この勢いは止まらないかもしれない.

公的な借金は私的と同じように,『借金による政策は無責任になる』,『返済の当てのない借金は確実に不良債務になる』,だから『返済の当てのない借金は,絶対してはならない』,のだが.借金を決めた政治家から返済の当てを聞いた事がない.

結局,『権力には任期と言うハドメがあるが,借金にはハドメがない』しかも,借金残高は次の政権に引き継がれ『民主主義,主権在民権を圧迫する』そこで,『借金の圧迫から逃れる為に,更に借金をする』のである.財政法の精神など,どこ吹く風である.

つくづく民主主義とは借金を容易にする制度だと思う.900兆の借金はその証拠であり,日本の民主主義の最大の特徴である.むしろ,他国から借金していた方が財政規律が守られ,厳密な運用と金融の国際化が出来るのかも知れない.

そもそも,借金を増やすと言う事は,経済発展期ならいざ知らず,確実に『大きな政府』,『貧しい社会主義国家』,『財政破綻国家』に向かう.いくら社会主義を嫌っても,借金残高や国家予算のGDP比が上がれば,いつの間にか,自由が効かない社会主義国家に成ってしまうのである.GDPの2倍の借金を持つ日本は,その意味で,資金運用効率が極めて悪い,社会主義国家なのである.

振り返れば,バブル崩壊以後20年,小泉政権時代を除けば,財政出動しても,GDPも,歳入も,伸びず,2番底は避けたかもしれないが,600兆の借金を残した.もっと小泉改革路線(官から民,規制緩和,小さな政府)が続いていたら,こんな事態にならなかった,と思うのである.もう一度,『小さな政府論』に立ち帰って,日本を想像する必要があると思う.何よりも,これしか選択脂が残されていない,と思うのである.

全世界ので国債残高は調べていないが,ここ2年間で820兆円を新規発行していると言う.まさに日本(2年間で80兆円)を筆頭に国債バブルである.国債暴落(金利上昇)の危機感から既にヨーロッパでは厳しい財政健全化に着手した.日本においても,他人ごとではない.

そんな中にもかかわらず,政府は『貧しい社会主義国家』を目指しているかのように,生活第一や格差是正など選挙用の政策に,借金をしてまで固執している.そんな事を国民は選択していないのであって,来年度予算の大問題,政局に発展して行くと思う..

今こそ,劇的な歳出削減,技術開発,世界市場創造,など,経済原理に即した政策と行動に照準を合わせなければ,明日の日本はないと思う.勿論,これなくして,いくら増税しても,財政再建も社会保障も出来なくなる事は自明である.は,労働組合の視点,大衆の視点より,まず国家経営の視点が政権には必要なのである.

世界で戦うイチローは言う.『壁を乗り越えられるのは精神力ではなく,更なる技術力だ』と.リアリティのある言葉である.全ての企業が国際競争にさらされ,製品に内需も外需もなく,一つの市場だと認識すれば,日本全体が世界市場のバッターボックス立っている事になる.ならば,研ぎ澄まされた技術力でヒットを打たなければならないのである.

以上の認識のもと,時代の課題に応じた政界再編が不可欠だと思うし,世界に羽ばたく民の活力を期待したい.これを,ただひたすら,卯年の縁起に祈る,年の瀬である.

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