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2011.04.25

241 政治力が問われる避難生活・仮説住宅・復興計画

当ブログで当初より,仮設住宅への入居が,避難生活から脱出の一つのゴールであると位置づけ,一日でも早い実現を願っていた.勿論このゴールとは,住宅,仕事,事業,病院,介護,学校などと折り合いを付けて,復旧まで一次的(数年間)に生活出来る段階を指している.

現在,残念ながら,いまだに,この一次生活は始まっていない.地元から離れるわけも行かず13万人の被災者が体育館などで避難生活を続けているのである.

全てを失った上で,先行きも見えず,生活の折り合いもつかず,どうする事もできない,多くの被災者が不安を抱きながら,寄り添うように避難生活を余儀なくされているのである.

言うまでもなく,大事な事は,いろんな課題も含めて,完成までの手順がしっかり出来ている事,仮設住宅に関わる土地造成,ライフライン,道路整備などの予算措置が明確になっている事,仮設住宅設置に関する法的な対応が出来ている事,が絶対必要である.これらに問題がないのだろうか.政治や行政に不信感を抱かざるを得ないのである.

この仮設住宅を作っている間に,次に復興計画の策定も急ぐ必要がある.ガレキ撤去,道路,漁港,土地改良,学校,病院,集合住宅,等の社会資本とライフラインの整備計画を決め無ければならない.特に,土地の区画整理,防災計画,所有権者との調整は早く決めなければならない.又危険な土地や使え無くなった土地の取り扱い等も決める必要がある.この上に,住宅や民間企業の復旧作業が乗っかって来るのである.

この復興計画は市町村が主体となって決めるべきであるが,県,国の支援が不可欠である.特に中央省庁は,この復興計画作りに国家事業面,法制度面,予算面で全面的に支援すべきである.

この計画を早く作る事は,行政,民力が一斉に立ち上がる事につながる.まさに復興構想会議なんかやっている暇は無いのである.下手をすると,被災地の復興の足を引っ張りかねないのである.

折角復興するのだから,昔の復元ではだめだ,防災,産業振興,エコ,未来都市,等に新しいコンセプトを作って復興計画を策定すべきだ,将来の東日本のあり方に繋げるべきだ,との意見が政治家や有識者の間に多いようだが,この議論は要注意である.地獄の被災地に理想や日本が抱える根本的問題を持ち込むべきではない.防災などの配慮をするにしても,とにかく早い復旧が絶対必要なのである.千載一隅のような議論を持ち込むべきではないのである.

仮設住宅に適当な場所がない時,被災者が元の地域に仮説住宅を望んでいれば,そこに作れば良いと思う.勿論,インフラの整備もやる.そこは津波の危険があるからと,禁止していても,解決しない問題である.本格的な復興は別にして,数年間の仮説だからとの割り切が必要な気がする.

以上の如く,仮設住宅にしても復興計画にしても,政治力が極めて大きく影響するのである.はたして現政権が被災地の悲惨な状態を一日でも早く脱出させられるのか,はなはだ疑問が湧くのである.

本来,有事の対応はスピードが命である.その為に『有事の備え』として,『救難,救済,復旧,復興の実現の仕方』が定められ,中央官庁,地方自治体,あるいは消防,警察,自衛隊,が劇甚災害発生時には即時に動けるようにしておく必要がある.

しかし,憲法に有事の対応についての規定がない為,憲法が,有事の対応の足かせになる問題がある.個々の法律でも同じ問題を含んでいる.現実に有事の対応がもどかしく感じたり,『有事の備え』が貧弱に思うのはこのような根本的な問題が関係していると思う.

軍事的な有事の対応も劇甚災害による有事の対応も,国民の生命と財産を守る上では同じである.泥縄の対応で済む問題ではない.早急に恒常的立法措置が必要である.

そんな根本的問題がある中で,例えば,『避難生活支援マニュアル』『仮設住宅提供マニュアル』『陸海のガレキ撤去マニュアル』『復興計画策定マニュアル』『地場産業・雇用支援マニュアル』など,どの程度整備されているのだろうか.もし無いのであれば,後世の為にも,今回からでも整備すべきである.

政府は,もし上記のようなマニュアルが不備だと思うなら次の対応が必要である.

①想定できる問題とその対応方法を役人を交えて早急に決める事(PLAN)
②関連部門に指示を出し,全行政組織の総力を発揮させる事(DO)
③作戦・実行の状況をマネージメントし,必要に応じて①へ(SEE)


がヘッドクオーターとしての官邸の基本動作である.理想的にはフィードバックではなく,先手先手のフィードフォワードが出来ればリーダーシップがあると言う事になる.

これが全く出来ていない感じがする.20も本部や会議を立ち上げたと言うが,何をしているのだろうか.有事の対応だとは,とても思えない.現政権はその資質から,震災当初より『国難と言う最悪の有事』に全く適していないと感がじていたが,経過とともにその感じは強まるばかりである.

総理大臣は自身も含めて,政権が有事に苦手だと思うなら,即,国民に政権を奉還すべきである.『任期があるから,担当する』では日本の国難に負けてしまう.『国難と言う最悪の有事』に直面してまさに,『日本の政治のあり方』,『日本の政治力』が試されているのである.

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