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2011.06.29

247 責任感があるなら即刻民主党の分裂・政権離脱を

民主党政権発足当時から,素性を隠し,反自民で集まった『ごった煮政党』の問題を指摘して来た.今日まで2年間,民主党政権は,日本の抱える難問に対峙するどころか,懸念通り,日本の政治を更に混迷させ続けて来たのである.

民主党が政権交代を果たせたのは,自民党の自滅と民主党のポピュリズム政策,であった.日本の少子高齢化,巨額な財政赤字,社会保障の破綻,デフレ,円高,株安,国際情勢の変化,と言った難問に,実力も政策もない民主党が対処できる分けがないのである.その上に,政権担当能力が欠落しているのだから,日本の政治がおかしくなっても不思議ではないのである.

民主党政権は政治的詐欺も辞さない『選挙至上主義が生んだ民主主義の悲劇』だと言う事を民主党議員は自覚しているのだろうか.それとも,権力の蜜におぼれてルンルン気分なのだろうか.

民主党政権のもう一つの大きな問題は,政権を維持する為に,『ごった煮政党』『野合集団』を続けている事である.

政党内部に権力や政策の対立が起こると,分裂を避ける為に,決着を先送りするのである.政策より分裂させない事を優先するのである.これでは政権与党としての資格は無いどころか,日本がおかしくなって当然である.

結果,日本の難問は更に深刻さを増す.悪い事は重なる物だが,今度は,巨大な地震・津波・原発事故と言う未曽有の国難が負いかぶさって来たのである.復旧復興対策,原発対策,エネルギー対策が更に加わった.この先送り政治がますます『合成の誤謬』(ますます何も出来なくなる)を加速する事になったのである.

震災前のどん底の政権に,情け容赦なく,巨大な国難が襲って来たのである.国民の誰しもが,そんなバカな,そんな事ってありか,と思わず日本の不幸を叫んだのである.今日本は最悪の事態になったのである.

この事態に際し,民主党はどう見ても,日本の難題と対峙できないと思うのである改めてその理由を列記してみた.(詳細は NO186自民党崩壊と政治路線の行方 で述べているが)

①常に民主党としての政策が決まらない事
②パイの分配の事しか言わない議員が多い事
③含蓄ある政治家がいない事
④巨大災害を仕切るような人材がいない事
⑤主流派,反主流派の内部抗争が根深い事
⑥政治家と官僚の役割や組織運営のあり方に見識がない事
⑦国家の経営と言う視点も経験もない事
⑧国際政治で日本の失墜を招いている事
⑨野党精神が身について当事者意識や政策の整合性が希薄な事
⑩2年前の多く当選者が現在の日本の状況に役立っていない事
⑪次の選挙で負けると思っている事

このように,発足当初から懸念していた『ごった煮政党』『合成の誤謬政党』の特徴は,まったく変わっていないし,到底,日本の苦境下での政権は任せられないのである.

従って,総理を挿げ替えても,この民主党政権が続く限り,日本は更に滅亡に向かうのである.

この政治状況を脱し,国難に対峙して行く為に,自論であるが,もう一度総選挙で国民に信を得た政権を早く作る事である.勿論,争点は,復旧・復興策であり,日本の立国策である.常識的な政治家なら,国民の信なしにこの国難と戦えないと思うはずなのである.

国民も国難であればこそ真剣な選挙にすると思う.選挙をやっている場合ではないと言う人が多いが,国難だからこそ,選挙が必要だと思うのである.選挙が政治に強い力を与えるからである.国難につぶされてから,選挙をしても遅すぎるのである.

しかし,解散総選挙は総理の特権である.延命の戦術として,これを振りかざす事はあっても,実際はやらないと思う.だとしたら,期限付きの国難対応の連立政権の構想を作った上で民主党自身が民主党を分裂させる事である.

これは自民党の領袖の案に見えるが,超党派の活動に抵抗感のない中堅若手の新勢力に期待したいところである.夏の無血クーデターで暑い日本を吹き飛ばして欲しい物である.

政権与党の民主党の議員はどう考えているのだろうか.特に,大量に当選した民主党衆議院議員の皆さん,あなた達は当選した時と現在では政策もやる事も大きく変わっていると思うが,日本のおかれている現状に自分達が重大な責任を背負っている事を自覚しているのだろうか.自分に国を救う責任を感じなければ,議員を返上するか,議席を返上すべきである.

責任を感じないまま,右向け右で動くだけの議員は政治の邪魔である.歳費すら不用である.借金や次の選挙で党を離れられない人も政治の邪魔である.いづれも国の政治をゆがめてしまう.国難に対峙する時は,そんな議席を排除する必要がある.責任を強く感じている人達の真剣な議論と結論が必要だからである.その議論や結論が無能な人の議席数で消されてはならないのである.

もし,無責任な人達の党の議席が,国の存亡を決める票に繋がったら,代議政治,間接民主主義も崩壊する.民主党の政策は見えないのに,議席数だけが見えるのは民主党の最大の問題である.政策と議席数が見える政党にする為に民主党の分裂が必要なのである.

本当に日本を心配するなら,政治家は政治理念や政策を中心とした政治体制を作る事に努力すべきである.世俗的な,しがらみで作られた政党に難問解決力は育たないし,未成熟で不順な政治体制は政治を三流,四流に押しとどめる.政局を嫌う人が多いが,強い政治体制に向けた政局は必要だと思うのである.

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2011.06.23

246 再生可能エネルギー法案と今後の電力事業の展望

東電福島第一原子力発電所の大惨事以来,国内外で,福島原発事故の問題,地域や海の放射能汚染の問題,高レベル放射能物資の処分の問題,原発の安全性向上の問題,検査中の原発の再稼働問題,当面の電力不足問題,脱原発と将来のエネルギー政策の問題,地域独占の電力会社の問題など直近の問題から将来の問題まで,議論が飛び交っている.書店も原発本や新エネルギー本で一杯である.

巨大なエネルギー需要を原発で乗り切ってきた近代社会であるが,ここに来て,大きな課題を人類は抱え込む事になった.一昨年来の地球規模の温暖化問題が吹っ飛び,完全に原発の問題に議論が移った感じである.政権与党の民主党も温暖化対策も原発計画もやり直し必至であるが,勿論,そこまで手が回っていない.

こんな中で,退任を迫られている菅総理が今延長国会で『再生可能エネルギー促進法案』を成立させたいと,唐突に言い出したのである.

ちなみに,この法案は地球温暖化対策として,原発の拡充方針に加えて,自然エネルギー開発も促進する法案として既に震災前に,民主党から国会に提出されているのである.内容は自然エネルギー電力の送電と買い取りを電力会社に義務付ける法案である.

しかし,自然エネルギーの比率の問題,電力料金が高くなる問題,自然エネルギー発電者と非発電者との間の不公平の問題,固定価格での買い取りの問題,に,まだ検討すべき事があるし,しかも,今回の震災で,検討の緊急度が低くなった事で,棚上げになっている法案なのである.たとえエネルギー問題をやるにしても,福島原発事故の賠償方法を検討する方が先だと言う意見がある.それだけに,総理の発言は唐突に映るのである.

この総理の言動に対し,民主党内部からも厳しい避難が上がっている.延長国会に当たって総理が言うのは国債特例法,あるいは,緊急を要する補正予算のお願いだろう,何を言っているのだ,との声である.当たり前の事だと思うが,この発言はすごく立派に見えるほど,総理がおかしいのである.

ところで,総理が再生可能エネルギー促進法案を唐突に持ち出した理由に何があるのか,暇にまかせて考えてみた.

①四面楚歌になると,わざと唐突な幼児的な言動や自虐的な行動が出ると言うが,そんな心理状態から起こっているからだろうか.もしそうなら,即刻,総理は退陣しないと,国は危ない事になる.

②復興計画の中に,東北地方の沿岸部の津波に洗われた田畑や放置されて休耕田や,放射能に汚染された田畑に,太陽光パネルを敷き詰めて,農作物ではなく電気を栽培する構想があり,その費用を電力料から捻出する事を早く決めておきたいからだろうか.

③あるいは,福島原発事故を契機に太陽光発電の事業化に手を上げた孫氏に強く影響され,その支援を約束したからだろうか.

5月25日のフランスのG8サミットで,総理は2020年に自然エネルギーを20%にする,1000万戸の屋根に太陽光パネルを設置する,と党内の議論もなしに,突然言いだしたが,孫氏のプレゼンを流用した感じがする.

さらに6月12日再生可能エネルギーに関する総理・有識者懇談会,6月16日の再生可能エネルギー促進法案成立緊急集会,を通じて,これもまた党内の議論もなしに,孫氏に法案成立を約束したようである.孫・菅の蜜月ぶりを見るにつけ,孫氏からの働きかけがあったとしても,不思議ではない.太陽光発電事業に手を上げている孫氏にとっては,それほど格好な法案なのである.

総理は,突然ではなく,昔からの自論だと言っているようだが,地球温暖化の話も,原発も含めた将来のエネルギー政策の話も,固まっていない上に,退陣問題が出たあと急に言い出した事で,昔からの自論だと,言い訳するほど,孫氏と約束したからだと見えるのである.

④そもそも,表面的な事を唐突に言うのは菅総理の癖から来ているからだろうか.消費税やTPPもそうだが,今始まった事ではないだけに,癖の可能性がある.鳩山前総理の『最低でも県外』発言も同じ癖である.だとすると,どうやら,民主党議員には,野党精神で培った『思いつき症候群』が直っていないのかもしれない.

⑤そんな事より,退陣を伸ばせる格好の法案だと思ったからだろうか.強い反論が出来ない法案だという事で抵抗無く,総理の任期を先に伸ばせるし,自然エネルギーの促進に名を残せる,と考えたからだろうか.

しかし,現在の日本の緊急案件より,総理自身の延命,功名心を優先したと避難される事を気にしないのだろうか.そんな人に総理の権限を与えてはならないのは当然である.退陣は総理の専権事項だと自分の意見を言わない政治家もいる.権力のチェックが出来ない政治家だと自認しているようなものである.

以上,総理の唐突の裏側を類推したが,いづれにしてもセコイ話しである.政界や政治家がドンドン小さくなっている様で,果たして,日本は大丈夫なのだろうか.

ところで,電力事業の最大の課題である,電力事業の自由化について,浅学ではあるが整理してみた.

電力の自由化は昔の通信事業の自由化とよく似たところがある.通信の自由化と戦って来た孫正義氏からすれば,電力事業の自由化を次のターゲットにしても不思議ではない.元来,この電力事業の自由化は発電や発電方法の自由化,電力網の自由化によって,発電,送電の分離,地域独占の廃止を目的としている.

ところで,この電力事業の自由化は通信事業の自由化と類似している.通信事業も,もとはと言えば,電電公社であり,独占であった.それが民営化と共に,端末,通信網が自由化され,近年,インターネット網の高速化,無線化で通信とテレビが融合する時代になったのである.電力事業もこれと同じ歩みをする事が予想されるのである.

①まず,『発電と電力網の分離』である.一対で地域独占している現在の電力会社形態から多種な再生可能エネルギー(自然エネルギー)の発電を自由化するものである.

これを加速する為に再生可能エネルギー促進法案が考えられた.この法案によって,投資をし易くし,自然エネルギー発電事業者を増やし,自然エネルギー電力の普及を目指すのである.携帯電話と無線網の自由化時,新規参入者に既設幹線網の利用を可能にさせて,参入者を増やした政策と似ている.

②もうひとつの電力事業の自由化は電力網の自由化である.通信網の自由化と同じである.これは,自然エネルギーの分散型発電と繋がった送電網の設置や技術革新による新しい電力ネットワーク(スマートグリッド)を作る事への対応である.

このスマートグリッドとは自立分散的な制御方式による電力網内の需給バランスの最適化調整,負荷分散,障害の局所化,を可能にする電力網である.通信事業でいうデジタル通信のインターネトの様な電力ネットワーク網だと言えるのである.

勿論,その効果の対価として電力ネットワークの使用料が電力料の中から切り出せれば,有線のストックビジネスとしては最大の規模になる.もちろん,通信網と電力網が共有される事も想像できるのである.

現在,家庭に光通信網が接続され,電話,データ,テレヒが共有され,随分有線網がシンプルになったが,未だその普及は限定的である.これに電線が共有されれば,一気に高速度通信網が家庭に接続される事になる.そんな広がりを期待するのが電力網の自由化である.

③この①②の発電と電力網の自由化によって,実質,地域独占が崩れる事になる.同じ地域に,多くの発電者とキャリア(電力ネットワーク事業者)が存在する事になるからである.

このような電力の自由化には勿論課題はある.しかし,この課題を乗り越えて,原発の比率を下げるる程に発電量が高まり,発電コストも大きく下がれば,『再生可能エレルギーによる分散発電とスマートグリッドによる電力網』は新しい電力事業になると思う.

孫氏がそこまで考えているかは別として,段取りとして,まず太陽光パネルを普及させる(発電機器事業),そして自然エネルギーの発電と送電網を拡大する(発電事業,送電事業),将来的にはインターネット網とよく似た,電力ネットワーク事業(スマートグリッド)を展開する.又,自然エネルギー事業は,産業振興策であり,政治との連携もして行く.勿論,地産地消ではないが,地域ぐるみでの展開になる,こんなシナリオが描けるのである.

電力事業の夢は,この様な話になるわけだが,直面している震災対応,原発事故対応,電力不足を,まずなんとかしなければならないし,この当面の問題と,再生可能エネルギーの構想は,技術革新と共に,別のスパンで進める必要があると思うのである.

自然エネルギーの促進法案はヨーロッパなどでも採用されている有力な案だというが,一事業家の孫氏と菅総理が法案の成立に執着するほど,国民は何故急ぐのか,と冷めてしまう感じがするのである.

唐突ではなく,もっと,国民も巻き込んだ,技術的考察も加えて,原発事故対策,原発事故賠償対策,電力不足対策,節電対策,原発再稼動対策,電力料金対策,GDP対策,自然エネルギー対策,など客観的な論議を期待したい.

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2011.06.02

245 菅内閣不信任案提出劇 と,その後の政局

6月2日午後,自民党はじめ野党が共同で提出した菅内閣不信任案が大差で否決され,民主党の分裂も回避された.しかし,その夜,大騒動が持ち上がったのである.

そこで,翌日の政治家の動きを踏まえて,この騒動の中身と今後の政局について率直な感想を述べたい.まず,不信任案提出から大騒動に至る経緯であるが,おおよそ次の通りである.

野党の不信任案提出が,しばらく影をひそめていた民主党反主流派の『管降ろし』に火をつけた.不信任案をかざして『退陣しないなら賛成する』『退陣しないなら党分裂も辞さず』と主流派・総理に迫ったのである.

6月1日の情勢では,総理が不信任案が可決なら解散だと,けん制するほど,造反者が多い雲行きであった.ところが,6月2日,午前の民主党代議士会での菅総理の『退陣意向の表明』ともとれる発言と鳩山前総理の身を引く事を承知したとの報告で,あっさり造反の旗が降ろされ,本会議で,何も無かったかのように不信任案は否決されたのである.

反主流派は総理を辞めさせる事が狙いであったから,『辞めると言うなら,造反はしない』と鉾をおさめたのである.マスコミも総理の退陣表明を一斉に伝えた.

自民党としては不信任が否決され,民主党の分裂も実現しなかったが,国会議決とは裏腹に,総理の『退陣意向の表明』を引き出した事になる.

ところが,否決された夜,総理は会見で,退陣表明などしていない,と言い出したのである.総理の続投に賛同したから,不信任案は否決されたのだ,と開き直ったのである.

総理の退陣を引き出した鳩山前総理は『ペテン師だ』と激昂し,退陣するから否決した民主党の反主流派,中間派はそんな事なら『不信任案に賛成すべきであった』と言い,不信任案を否決された自民党は『政治的詐欺だ』と声を荒立てたのである.結局,総理は自身の資質まで問われる事になり,居座る事が逆に困難になったのである.

結局,不信任案に対し,シナリオが四つあったと考えられる.

①民主党主流派のシナリオは
『邪魔な造反者を離党させ,現政権を維持する』とする.可決されるほど造反者が多い場合は,『総選挙をちらつかせる』,『総理の退陣をほのめかす』事で造反者を抑える.

②民主党反主流派のシナリオは
党の代表選の後も,党の主導権を奪取したい,菅を退陣させたい,との強い思いを持つ反主流派は造反による不信任案の可決,党の分裂,を吹聴し,退陣の意向を引き出せれば,不信任案はを否決し党分裂を避ける.

③あるいは民主党反主流派のシナリオは
実は造反者は思ったほど少なく,その
造反者を離党させたくない.そこで,押し留める理由として,総理の退陣の意向を事前に聞いたと公言し,矛を収めさせる.

④提出者の自民党のシナリオは
民主党反主流派の造反者が多数出て,民主党政権が分裂する,との情報を得て,伊吹,町村,古賀,額賀の領袖が不信任案提出を進言.中堅は否定的で,否決されて菅政権が逆に元気になると予想.そんな中で不信任案を提出.分裂は出来なくとも,民主党内部の問題をあぶり出し,菅退陣まで行けばよし.

いずれにせよ結果は,不信任は否決され,従来の『ごった煮の民主党』『根本的問題を抱えた民主党』のままとなったが,党としては総理の退陣を迫る事になった.

結局,今回の不信任案は総理の続投を認めて否決されたのではなく,総理の退陣表明で,可決する必要がなくなっただけなのである.

今回の騒動について,民主党主流派,反主流派,自民党,そして国民,それぞれの視点で評価はあると思うが,『常識的視点』で,今後の政局について所見を述べてみたい.

所見その1(総理の動き)

総理,及び内閣は不信任が否決されたのだから,当然,続投の意思はあると思う.しかし,今までの総理,内閣,政権与党のマニフェストの破綻,政権担当能力の欠落,失政,などを考えれば,不信任案が提出された時点で,常識的或いは憲政の常道からすれば,解散総選挙である.加えて,国難に遭遇しているのだから,国民の信を得る事は当たり前な事なのである.

しかし被災地の状況や一票の格差問題から,選挙が出来ない状態だと言う.又,選挙などやっている場合ではないと言う.日本は,民主主義機能が停止してもかまわないと言う程度の政治レベル,政治意識,なのである.民主党,菅政権はこれに救われたのである.政治家なら謙虚に,この事を自覚すべきである.

そこで,総辞職と新内閣の発足になるわけだが,総理退陣の風評は,もう止められず,水面下で次期政権の人事が動き始める事になる.同時に総理のレームダック化は日ごとに強くなると思う.

一方総理の方は,『不信任は否決され,続投が認められた』と又,総理は開き直りたい心境かもしれない.もしかすると,苦労してのし上がった総理は絶対権力の身震いする様な快感を憶えて離れられなくなっているかもしれない.

しかし,総理は,今回の騒動も含めて,政権奪取以来の政治の混迷は,反自民で集まった,ごった煮政党の民主党に原因があり,国政など無理だったと深く反省すべきである.ましてや国難を乗り越えられるはずがないと謙虚に思うべきである.

そこで,日本の窮地を救うために,政権を今,返上する事が最も重要な総理の決断だと思う.民主党は解党し,政策中心の政党に分離すべきである.そして,当面,自民党を中心とした連立政権で国難に対峙し,その後,解散総選挙で新しい政権を作るべきだと思うのである.

所見その2(民主党の動き)

民主党としては,三人目の総理を選び,後2年の任期いっぱいまで,民主党政権を延命させたいと思うはずである.その延命策の中に,参院のネジレ対策として,連立案があるのだと思う.

しかし,民主党は総理の動きでも述べた通り,政権の延命を考える以前に,政権与党としての根本的な問題の解決が先だと思うのである.今回の騒動で分裂すれば,少しはすっきりするところだったが,その機会も逃してしまった.

根本的問題とは,主流派・反主流派の対立,民主党マニフェスト問題,社会保障問題,税財政問題,円高株安デフレ問題,景気対策,雇用問題,等である.それに加えて,震災対応問題,原発事故対応問題等が負いかぶさり,山ほど根本問題が積み上がっているのである..

政権当初より懸念された事であるだけに,仮免許どころか資格もないまま,政権与党を続け,未だ一歩も解決の兆しが見えていないどころか,悪化しているのである.民主党の責任は極めて重大だと思う.事の重大性を民主党議員は自覚しているのだろうか.

そもそも,民主党は,『反自民で集まった,ごった煮の政党』で,『党の綱領もないまま,国家の政策もなく』『国を動かすスベも知らない』,政権与党である.この政権に,今度は巨大な震災,巨大な津波,原発事故の対応が加わったのである.日本の『最悪な状態に最悪な政府と言う最悪の政治体制』になってしまったのである.

こう考えると,民主党は,まず党としての体を整える事が先であって,延命策を議論している場合ではない.反省を込めて,一度解党し,政党を再編した方が正しい行動だと思う.その上で政権に参加出来るのか,どうかの議論をすべきだと思う.

これなくして,次の内閣を作っても,政治の混迷を繰り返すだけだと思う.遅ればせながら,民主党内部から,この本来の動きが起こる事を期待したい.巨大災害の真っただ中ではあるが,政権を返上し,民主党を立て直す事が民主党の最大の責任だと思う.

所見その3(自民党の動き)

自民党としては,長期政権の反省と国難に向けての政策を掲げて,党の信頼と支持率を上げて行く必要がある.特に民主党政権の不備無策を指摘しながら,政策を良い方向に牽引して行く取り組みが必要である.特に議員立法を積極的に進める必要がある.保守思考が高まる中で,自民党も正念場なのである.

そんな中で,自民党の攻勢は,いい加減な民主党マニフェストの問題指摘と撤回,国民をだまして政権をとった事のアピール,民主党政権発足以来続く政権のゴタゴタや国益の損失,外交の地盤沈下,震災・原発事故への菅政権の不手際,等を徹底して追求し,先ず菅政権の退陣を迫ると思う.

以上,今回の『不信任案提出劇』と,その影響について所見を述べたが,具体的に今後の政局がどうなるのか,今のところ見えていない.ただ今回の劇で国民に見えた事は相変わらずの『でたらめな政権与党の体たらく』である.安物の劇を観せられた感じである.

追記(6月8日)

騒動から一週間が経つが,政局は,ますます混迷度を深めている.
菅総理は震災・原発のめどが付くまで続投したいと言うし,一方では,民主党内部から早期退陣の声が上がるし,水面下で次期総理の思惑が動いている.野党からは,退陣しなければ国会審議は進めない,政治空白をなくす為に早期退陣を,と圧力をかけている.そんなわけで,本人の意向とは別に,
レームダック化は確実に進んでいるのである.

どうやら総理は初秋頃,退任し,後任者が,あと2年,満期まで,政権を持ち続け,衆参ダブル選挙に持ち込みたい,との『民主党延命シナリオ』を描いているようである.

一方,総理自身は54番札所から,お遍路を再開するのだと言う.54番札所は『延命寺』だそうだから,『自身の延命の仕上げ』を秋の四国路でやる,とでも言うのだろうか.総理は自身の『自己中の幼児性』或いは『幼児的な正義感』に気づく事なく,相変わらず,それを繰り返しているのである.

勿論,民主党には,既に指摘しているが,政権の延命シナリオを夢見る程,余裕はないのである.まず,代表選を通して,人物選びも去る事ながら,党としてのマニフェストの問題や重要政策の見解をまとめる必要がある.その上で,日本にとって遜色の無い組閣をする必要がある.その体制で,平成23年度赤字国債法案,復旧・復興に向けた2次補正予算案,原発事故賠償法案,等を成立させ,かつ,巨大災害や原発事故に精力的に取り組まねばならない.また,社会保障問題,税財政問題,円高・デフレ問題も待ったなしである.

この様に,次期政権は日本にとって,極めてハードルが高く,戦後最大の重責になる.それでも政権をとりたいと言う人達は,よほど無知・無責任な人か,有能・責任を取る人達である.民主党続投論者はどちらだろうか.能力や政策を持っているのだろうか.

そんな心配をよそに,民主党から,政権の延命やポスト菅体制の話ししか聞こえて来ない.肝心の光が見えてくるような,『政権与党としての政策の話』は全く聞こえて来ないのである.きっと,そんなものが無いに違いないのである.

私見によれば,民主党は『政権の延命』どころか,『党の存続の崖っぷち』にいると思う.そんな政党に国難の舵取りを任せられないと思う.今まで,散々,『ごった煮政党』,『合成の誤謬政党』の正体を見せつけられて来たからである.

前回のブログで『メルトダウン政権が液状化した』と揶揄したが,実は震災後数時間で,既に,『メルトスルー政権』になっていたのかもしれない.

この際,やっぱり,民主党は解党するか,解散して,国民に信を問うべきではないか,と思う.これが,政治の混迷から脱出できる唯一の方法であり,しかも,国難を乗り越えて行く政治体制を早く作る為にも,そう思うのである.国民は民主党より国が大事なのである.

追記(6月19日)

依然として総理の退陣問題で中途半端な状態が続いている.上述のように,民主党政権は既に政権を担当している資格も実力も政策もないのだが,

・総理は相変わらず続投意欲を示し,
・民主党執行部は新内閣でネジレ解消を図り,政権延命を狙い,
・自民党は打倒民主党で公約の撤回,失政の追求,復旧復興の加速をせまる.

と言う6月2日と同じ状況が続いている.6月2日の否決は続投を認めるから否決されたわけではなく,退陣すると意向を受けて,党を割ってまで可決する必要がなくなったから否決したのである.

当時の反主流派の言動からすれば,総理の続投に激怒し,再度,退陣を迫るか,即刻自ら離党するはずである.しかし,その気配も無いと言う事は最初から離党など考えておらず,単にコップの中の権力闘争でしなかった事になる.相変わらず,民主党のごった煮状態でよしとしているのである.政党政治とは程遠い政権与党なのである.

一方,震災・原発事故の対応は問題に手を打たれる事も無く,次から次へと山済みされている状況である.事前に想像できる問題ばかりで,もどかしさが倍増するのである.

震災復旧で言えば,地上や海のガレキ撤去の問題,被災地の土地再利用の問題,防潮堤・道路・学校・病院・等の社会資本の復旧の問題,社会インフラの復旧の問題,田畑の塩害除去の問題,それを踏まえた街の復旧計画の問題,事業復旧の問題,等

放射能汚染で言えば,立ち入り禁止区域や計画避難区域の汚染ガレキの処分の問題,農作物・家畜の問題,土地や田畑の除染の問題,海洋汚染の問題,全域にわたる,放射能測定,人体検査の問題,等

共通して,避難所生活や仮設住宅の問題,医療・介護・仕事の問題,仮説住宅生活以後の問題,支援金・義援金の問題,等

等々,先行きがまったく見えない中で,問題が次から次へと被災者を襲っているのである.『政策と予算と有事の法制度と行動』がとても間に合っていないのである.

これは完全に,内閣,政権与党の問題であり,責任なのである.その事の反省もないままに,『震災後100日間もほったらかしといて,続投したいだと,今さらなんだ』と言う感じである.

『TOO LATE』は,それで国が滅ぶほど重大な事だが,そんな実行力のない,時間感覚のない人達に権力を与えてはならないのである.震災発生以来,当ブログで多くの問題や提案や感想を述べてきたが,その中で,空襲で焼け野原になった街で,避難,救済,復旧の采配を振るえそうな大臣は一人もいないと印象を述べた事がある.

国難ならばこそ,それにふさわしい人材を選ぶべきだと言う意味であったが,残念ながら,今もその顔ぶれは変わっていない.その結果,今の今まで,その印象が変わる事はなかったし,今だに,国民に施政方針を力強く,心を込めて,語りかける人は表れていないのである.

復興基本法案がやっと野党案を丸呑みする形で,今週,成立すると思うが,これを契機にせめて内閣が総辞職をし,新しい内閣の下で,政策・予算・有事の法制度・実行体制を作り,復旧・復興に向かうべきだと思うのだが.

ところで,『国難には救世主が現れる』と言う歴史を信じたい.その救世主は被災地から出てくる予感がする.現地で,巨大災害の苦悩と戦っている多くの人たちの姿を見るにつけ,これを確信するのである.その為にも,早く民主党政権は席をあけて欲しいのである.

体をなしていない民主党政権が,いつまで続くのかわからない中で,独断と偏見で新内閣を組閣してみたくなった.そうでもしなければ,このもやもや感はとても,晴れないのである.

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