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2011.09.03

253 民主党野田政権誕生に感じた事

民主党政権で,3度目になる野田政権が誕生した.民主党内部の選択で,さしたる期待もないが,日本の政権を担う以上,無関心ではいられない.内閣の顔ぶれ,党の3役,が発表された段階で,論評は早すぎるが,野田政権のイメージ,感想を述べてみたい.

民主党代表選から現時点までの感想であるが,

・鳩山,菅,政権の政治主導,官邸一元化の反省から,これを改めるようだ.
・党,内閣の政策決定プロセスを自民党政権を参考に新たに決めるようだ.

・主流がリベラル色から保守色(松下政経塾・旧日本新党)になったようだ.
・内閣は三党合意のマニフェスト見直しに賛成のようだ(脱トロイカ,脱マニフェスト)

・挙党体制で場違い人事があっても,,内部抗争の封印を優先したようだ.
最後のチャンスとして,要職を老若男女へ撒いたようだ(次期選挙対策).

等を感じている.多分,これから決まる,副大臣,政務官あるいは国会の各委員,党内の人事も同じような感じになると思われる.結局,国家にとっての適材適所ではなく,挙党体制と言う不思議な党内事情を優先した新体制になりそうである.

その結果,保守系,リベラル系,旧社民党系,組合系,等が入り混じった人事となり,『ごった煮政党』による『ごった煮内閣』が誕生した感じである.

全体として,政治色がボケ,弱さのみが目に付くのである.着実に政治を前に進めると言うが,重要問題に対し,どんな政策を打つのか見えない.それどころか,野党時代の癖で,又,各自が積年の思いを勝手に言い出すかも知れないのである.

そんな事を自覚してか,野田総理は

①民主党歴代政権の反省から『謙虚さ』『話し合い』を前面に出す.
②党を含めた新しい政策決定プロセスを作って,政策の統一を図る.
③党内政調,党内税調にキーマンを配置し,総理方針を着実に推し進める.

という作戦で,表向き挙党体制をとりながら,その弱点を承知の上で,上記作戦で,着実に,『トロイカ体制からの脱却』,『マニフェストからの脱却』,を進めたいようである.そうでなければ政治・政策が前に進まないからである.読み過ぎだろうか.

そんな感じから,前政権の反動もあって,表面的には,国民からの支持は得られそうである.しかし,党内部の権力抗争や政策対立は残ったままだし,国難は深刻さを増すし,日本の前途に,依然として暗雲が立ち込めているのである.

はたして,思惑通りの政権運営と政策を推し進められるのか,やっぱり,『ごった煮政党』の問題で挫折する事になるのか,注目したいところである.

一方,この内閣で,はっきりしている事がある.良し悪は別にして,完全に官僚政治が復活する事である.内閣の実力不足,幼児性,稚拙性,書生気質を横目で見ながら,久しぶりに,官僚の虎視眈々ぶりが目に浮かぶのである.民主党の実力不足を感じている野田総理としては,頼もしい限りかも知れない.行政力も上がるかも知れない.

ところで,野田政権の事より,そもそも,民主党が政権与党を続けている事に問題はないのか,と言う根本問題がある

度々,当ブログで発信している事だが,民主党は『ごった煮政党』であり,政権与党としての国家観も,見識も,政策も,ある筈もなく,ただ数合わせで多数を占めているだけの集団だと思っている.

予期せぬ政権が転がり込んだのは,反自民旋風と国民へのバラ撒き政策のおかげだったと思う.必ずしも,政権担当能力,実現可能性策があったわけではなかったと思うのである.

そんな民主党内で,よく『挙党体制でやろう』とか『全員野球をしよう』とかの声を聞く.今回の代表選でも聞こえて来た.政党としては,極めて不自然な,不思議な,声である.

政党として,遅ればせながら,『政治理念や政策を統一をしよう』との掛け声なら,前向きである.しかし,そうではない.『仲良くやりたいから票をくれ』,『俺の言う事を聞け』との権力闘争の掛け声である.結局,抗争相手同志が『お前こそ,俺の言う事を聞け』となって,折り合いが付かないのである.一端,多数決で決めても抗争の火種はなくならないのである.まさに,まともな政党ではない,『ごった煮政党』ならではの醜態を,毎回,繰り返しているのである.

言うまでもなく,政党ならば,所属議員の間に,個々の政策の違いはあっても,政治理念や基本政策で対立することはない.もしあれば,離党,分裂,になる.しかるに,民主党はどうなっているのか,さっぱり不明である.又,政権与党なら,マニフェストや鳩山,管,政権の総括も必要である.国民への説明責任も勿論,必要である.野党との議論も,民主党としての案がなければ,責任ある議論が出来ないのである.

この様に,民主党には,都合の悪い事,不得意な事,に口を拭う,幼児性,無責任性を,当初から,いつも感じるのである.未熟で,偏狭で,とても政党とは言えない状態であり,政党助成金すら疑問になるのである.ましてや政権与党など,とんでもないと思うのである.

こんな民主党が政権にいる事は日本にとって不幸である.震災前の難問,例えば,日本が生き残る為の戦略,財政赤字問題,社会保障問題,円高・株安・デフレ問題,等に対し,2年間もの間,ほとんど手が打てていないのである.

うそ付きの烙印を恐れて,マニフェストの欺瞞性を取り繕う事や党内抗争に躍起になっていただけで,日本の難題に正面から取り組んでいない,いや取り組む能力もない,感じがするのである.

巨大な震災,津波,原発事故,の対応にしても,その弱点が露骨に現れ,早6ケ月,進捗は極めて遅いのである.

これまでの2年間を,一言で言えば,民主党マニフェストが日本の政治を止めてしまった,あるいは,民主党内の事情が国政を振り回して来た,と言っても過言ではない.だとすれば,2年間と言う貴重な時間を日本か奪った事になる.

こんな民主党が,更にあと2年,政権与党を続ける事は,私見によれば,原発の再稼動より危険だと思う.政党の資格及び政権担当能力に関する基準やストレステストがあれば,続投は確実に許可されないと思う.

どうやら民主党の発想の弱点は,日本を変えたいと言う積年の思いと,日本の課題対策がいつも,アンマッチになる事である.

例えば,社会福祉の向上や賃上げや派遣労働の禁止,など分配重視の事をよく言うが,それをやると,課題がもっと深刻になって,ついには分配も,賃上げも,雇用も,出来なくなる事を想像しないのである.民主党マニフェストの一連の給付政策も,票に結びつくかもしれないが,それを実行すれば,日本の課題がもっと深刻になって,給付すら出来なくなる,事も同じである.

いつも,思考の視点が偏っているのである.この了見の狭さを,根本から変えない限り,国政を担えないと思うのである.当ブログでは,この事を『合成の誤謬政党』と言って来たのである.

私の自論によれば,今頃は,国民に信を得た新しい政治勢力が,力強く,国難と対峙している時期である.特に日本が国際的生存競争に生き残る為の施策を着々と進めていなければならないのである.それほど,世界は動いているのである.パイの確保は多くの難問を解決する為に,一刻の停滞も許されないのである.

そんなわけで,今からでも,国民の信を得た,国難に対峙できる,強い政権与党を作る必要を強く感じる.ならば,野田政権がやる事は,『ごった煮政党』の延命ではなく,解党でなければならないと思う.

財政再建派の小泉政権は不良債権一掃,官から民,規制緩和,構造改革,減税,歳出削減,国債発行抑制,等の小さな政府論で,『自民党をぶっこわす』との勢いで,取り組んだ.今度は野田政権が『民主党をぶっこわす』番だと思うのである.

政界・政党を『明日の日本を作る政策集団』に組み替えない限り,国難を乗り越えられなし,3流政治から脱却出来ないと思う.予算の組み換えより,政党の組み換えの方が,よっぽど本質的な対策なのである.

繰り返すが,うわべの挙党体制で国難を乗り越えようとしても,『気だけで理がない』,『数が頼りのごった煮体制』が続くだけである.これでは国難に対峙出来るわけがない.むしろ,うろうろしているうちに,日本の行く末に,とどめを指される可能性もある.

野田総理の心境を察するに塾生出身者らしく,書生気質で,『理のある政治』を心の片隅に残していると思う.ならば,日本新党(反自民,保守・新自由主義)の結党精神を思い出すべきである.

この旗で,野田政権のやる事は,民主党議員を憲法問題などで,ふるいにかけて,民主党を政策集団に作り直す事である.自民党や他党から募っても良い.挙党体制や連立を主張するより,政界再編の方が今後の日本にとって,意味があると思うのである.

それとも,既に大臣時代に,権力の味に,身震いする程の快感を覚えてしまい,今や,その快感からは離れられなくなって,思考回路より先に身体が『理』より『数』を求めているのだろうか.

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