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2012.03.07

271 激励・橋下改革旋風

『政治危機』,『経済・財政危機』,『社会保障危機』,『自然災害危機』,『原発事故・エネルギー危機』,『放射能汚染危機』で閉塞感が充満している中で,『大阪市政改革』,『大阪都構想推進』,それと連動した『国家統治の仕組み改革』に,橋下改革旋風が吹き荒れている.年配者は勧善懲悪に挑む暴れん坊に頼もしさを抱き,若者は自分達の代弁者として喝采しているのである.

持論で言えば,かねてより,日本の閉塞感を打破するのは国・企業・個人の自立社会と新自由主義・新保守主義の考え方だと,思っていたが,この思想がいよいよ大阪と国を動かし始めて来たと言う感じである.組織勢力に至っていない新保守主義の政治家にも,火が付くと思うのである.

そんな橋下氏の活躍に,上から目線で批判する政治家,有識者がいる.しかし,『文句があるなら対案を出しみろ』と言われると,口をつぐんでしまう程度の批判者ばかりである.論理より生理的に嫌いなのかもし知れない.当然そんな人達は,橋下氏との論争には勝てないし,今までの権威が地に落とされ,橋下氏の引き立て役になるのが落ちである.

兎に角,おかしな事に妥協しない正義感,弁護士特有のデベート力,専門家ブレーンとの理論武装,本人独特の発信力,ラガーマンらしい熱意と行動力,が圧倒的な支持を得ているのである.タレント市長との認識による上から目線の批判など歯も立たないのは当然なのである.

守旧派をやり玉に挙げて攻撃する戦法や国政選挙に刺客を送り込む戦法などは,小泉戦法を彷彿させるが,国政勢力ゼロから国を動かそうと言うのだから,小泉改革をはるか超える,壮大な戦争を仕掛けていると思うのである.この戦いぶりも国民を引き付けているのである.

橋下氏の主張で重要だと思う事がある.大阪都構想,道州制と言う『統治の仕組み』の重要性を訴えている事である.これなくして日本の閉塞感は打破できないと主張している事である.

企業経営でも『経営の仕組み』と『政策』は車の両輪である.特に,長期に渡る企業経営においては『合理的な,効率的な,企業経営の仕組み』は企業存亡の命である.国家の統治においても,『仕組みなくして政策なし』なのである.

この『仕組みの重要性』を示す最も分かりやすい例は憲法改定問題である.日本には憲法改定と言う最も大事な民主主義の仕組みをいまだ持っていない事で重大な問題を引起しているのである.(阿倍政権で国民投票手続法が制定されたが,具体的な憲法改定の仕組みは決まっていない)

その事で,日本は民主主義国家ではないと言われても反論できないし,いくら政策を議論し対策を立てても,憲法に抵触すれば,無意味になるのである.国民や政治家が思考停止状態なのは,これに起因しているとも言えるのである.これほど,仕組みが重大な影響を与えているのである.

戦後,日本国憲法を変えていない事を自慢する人がいる.しかし,翻訳のミスもそのままだから,改定の仕組みがない事の方を笑われるのである.民主主義国家を標榜するなら,自慢どころか,恥じる話しなのである.現憲法を主導した米国ですら,いまだ憲法を改定していない事に,あきれていると言う.吉田茂が残した独立後の宿題も,いまだ出来ていないのである.

橋下氏の主張で言えば,明治以来の中央集権の仕組みが限界を超えている事は自明であり,そんな状態で,いくら政策を議論しても,的確な政策は出てこないし,政策があったとしても,細部に神が宿る事はない,と言うのである.

それゆえに,まず『国の統治の仕組み』を変えないと,日本の難題は解決しない,と主張しているのである.明治維新の時も国の仕組み(統治機構)作りから始まった.その意味で,まさに橋下氏の主張は大前研一氏の言う『平成維新』なのである.

この地方分権による新しい国家統治体制の主張は,大阪維新の会が坂本竜馬の『船中八策』(新国家体制の基本方針の草案)になぞらえて発信した『維新八策』にも反映されている.その内容は道州制,首相公選,参院廃止,憲法改正手続き,等である.

現在の政治を彼流のフレーズで言えば,『国の統治の仕組みが出鱈目なのに,何が増税だ』となる.この言葉に,彼の主張が集約されているのである.

維新八策の主張に,目新しさはないものの,新保守主義を下敷に,国家体制と重要政策の方向性を明確に示しているところが評価出来るのである.特に昨今の政治に,本質的な,大きな視点での政策論が欠落している事への警告にもなっているのである.

特に,保守政治,リベラル政治が言う『大きな政府論』は,今後の日本の選択肢として残っていないと思う.従って,日本的文化との葛藤が激しくなっても,主義主張に反対であっても,新自由主義,新保守主義による『小さな政府論』しか残っていないのである.これにも合致している主張になっているのである.

ところで維新八策の中で,『社会保障におけるベーシックインカム』の検討も提案されている.これは,一言で言えば,『貧困者に生活費を支給するから年金とか生活保護の個別支援制度を廃止する』と言う制度である.(最低生活費用を支給する対象者の範囲をどうするかの議論はあるが)

このベーシックインカムの考え方は,社会保障費の膨大抑制,各種支援制度の複雑化・不整合化の防止,行政コストの削減,何よりも自助努力の後押しを目的とした『小さな政府論』から発想されている政策である.

この考え方は行政サービスのあり方の一つとして従来から存在している.例えば被災者への救援制度で,『色々な支援制度は財政的にも,制度的にも,作れないので,この支援金で対応してくれ』と一括に支援金を支給するケースなどはベ-シックインカムの手法である.(尚,最近まで,事情のいかんに係わらず,個人財産に公金を使う事は禁止されていた)

この提案に,民主党の給付制度(別名,選挙目当てのバラマキ制度)と同じ考えだと言った大臣がいた.最低生活費を給付する事だけに注目して,民主党のバラマキ政策の正当性を言いたかったのだと思うが,『ベーシックインカム』と『民主党の給付政策』は『小さな政府』と『大きな政府』くらい思想が違うのである.そんな程度の大臣の見識では,とても橋下氏との論争に参加できない感じがする.ちなみに,その大臣は戦略担当大臣である.

大臣も含めて,国会議員の見識の低さ,立論力の無さは,時々垣間見るが,個人の問題もあるが,中央集権政治の限界の表れだとする橋下氏の指摘は当たっていると思う.中央集権なら守備範囲が広がって,議員数も多くしないといけないはずであるが,逆に国会議員が多すぎるとの批判がある.中央集権による『国会議員の力量の低下』がはなはだしいからである.

例えば,生活保護制度の討論において,国会議員は橋下市長には太刀打ちできないと思う.ならば,権限と財源を地方住民に選ばれた橋下氏に渡せば良い事になる.これが地方分権論であり,橋下氏は自ら具体的問題を通して,これを主張しているのである.

以上,橋下旋風が『筵一揆』や『大塩平八郎の乱』で終わらず,大阪市政の改革,大阪都構想を前進,国を動かす新保守勢力の組織化,に繋がって欲しいと,大いに期待しているのである.

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