« 274 消費税率10%も 『広く浅い税』 か? | トップページ | 276 大論争『財政は破綻寸前か否か』 »

2012.03.29

275 こうなる 『消費税増税法案と政局の行方』

民主党内で対立したまま,消費税増税法案の事前審議会が終わり,同法案は,ぎりぎりのタイミングの30日に閣議決定され,国会に提出される手筈になった.

この増税法案は『社会保障・税の一体改革』と言う割に増税の話ばかりで,社会保障改革の話はさっぱりである.結局,目的が曖昧のまま国会に提出されるのである.

既に当ブログで発信している通り,民主党は『裏付けのない社会保障改革』と『不要としていた増税』を『一体改革』と偽装して論理のすり替えを図ったのだが,逆に自身の嘘や立論力の無さを露呈させ,法案を曖昧にしてしまったと思うのである

むしろ財政再建一本で財政論,行革論,景気論を展開した方が素直で,施策もはっきりしてくると思うのだが.頭でっかちで,格好付けを好む,人種の悪弊が出た感じである.

この生煮えの法案に,政局も絡んで,結末がどうなるのか,誰も分からないまま,『魑魅魍魎の増税国会』が始まる事になる.

一方,インフレ・ターゲット論,財政のバランスシート論,経済成長論で増税反対の論者はいるが,財務省,学者,経済界,マスコミ,の増税論の声に消されて,その声が聞こえて来ない.財政の実態を国民に示さないまま,何か世論誘導が行われている感じがするのである.

国民からすれば,世論操作の影響もあって,増税の必要性を感じながらも,税負担の大きさに躊躇しているのが実情だと思う.そんな気持ちで,国会の動きを,固唾を呑んで,見ているのである.国民の生活や経済と密着する問題だけに目が離せないのである. 

そんな中で,法案審議のシナリオを考えてみた.

①衆院否決………民主の分裂で衆院否決,政界再編か解散
②参院否決………謀反少数で衆院可決するも参院否決で総辞職か解散
③衆参可決………自公民で衆・参可決し,話し合い解散
④衆参可決………自公法案に民主が相乗り,話し合い解散
⑤衆院採決せず…継続審議で先送り,総辞職で民主政権続行
⑥政権放棄………他の重要課題の行き詰まり,不信任,問責決議,で解散

民主党主流派としては,政権続行を望むなら,成立をあきらめて⑤とするか,成立したいなら解散と引き換えで③か④となる.要は自民の協力なしに成立しないのである.

民主党反主流にとしては,解散を避け,政権続行のまま,党内の主導権を握る事がベストだとすると,⑤で現政権を総辞職させる事である.民主党にとっても,任期いっぱいまで,政権を延命し,他の重要政策で挽回のチャンスを得る事になる.この動きは小沢裁判が無罪になった時,現実味を帯びてくる.

自公からすれば,政権奪取がベストとすると,⑤以外のシナリオになる.そこで,成立させて解散(③,④)か,否決して解散か(①,②),になる.ただし,③の民主案に賛同すると,民主党のマニフェスト違反の共犯者になる.従って,成立させるなら自公案に民主を乗せる④となる.

又,自公の否決で解散の時は,否決の理由として,自公の増税案と民主増税案の違いを明確にしておく必要がある.政権を取った時の増税案にも,これが必要になる.

一方,原発再稼動問題,原発事故賠償問題,東電問題,原発政策問題,イラン問題,東日本復興問題,デフレ問題,等,深刻な問題が迫っている.そんな事から,⑤或いは⑥があるかもしれないのである.勿論、この時は解散になる.

私の希望的観測で言えば,『政権の王道』を歩めという意味で,民主党増税案を否決し,堂々と政策を掲げて,総選挙すべきである.従って①②⑥である.

民主党マニフェストの足かせをリセットする為にも,日本の民主主義を取り戻す為にも,難題に対峙できる力を政党が持つ為にも,各政党が総選挙で,堂々と『日本の課題を争点』に戦えばよいと思うからである.

政局の駆け引きで重要法案を決めてはならないし,そんな決め方で,強い政治体制や,政策は生まれないと思うのである

もし,民主党政権で消費税増税法案が成立すると,民主党に『嘘つき』の烙印が刻まれる事になる.これに賛同する党があれ,嘘つきに加担した事になる.

その罪滅ぼしのつもりか,成立したら,実施前に,国民の信を問うと言う.ここで信を得られなければ,これからの国会審議が無駄になる.だから,先に信を得て政策を進めるべきなのである.約束していない事をやろうとすると順番が逆になるのである.

従って,今からでも,マニフェストの非を率直に認め,責任を取るべきである.不退転と総理は言うが,『嘘を突き通す事』に不退転と言っているようで侘びしく聞こえるのである.

実はこの推理小説には続きがある.総選挙後の社会保障改革や消費税増税の行方である.総選挙の結果,政権政党や政界再編,連立がどうなるのか,全く読めないからである.法案が今回,否決されていれば,新政権で新たな法案の検討になるわけだが,もし,自公民の賛成で成立した時,その法案の実施に当たって,新政権の体制にもよるが,もうひと波乱ありそうである.

.

|

« 274 消費税率10%も 『広く浅い税』 か? | トップページ | 276 大論争『財政は破綻寸前か否か』 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/134518/54336807

この記事へのトラックバック一覧です: 275 こうなる 『消費税増税法案と政局の行方』:

« 274 消費税率10%も 『広く浅い税』 か? | トップページ | 276 大論争『財政は破綻寸前か否か』 »