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2012.09.19

296 民主主義政治の限界か『限りなく続く歳出拡大』

財務省が2013年度予算案の概算要求を締め切った.一般会計の要求総額は98兆円に上がり,別枠の東日本大震災の復興支出4.8兆円を含めると,103兆円に達する.復興予算で言えば5年間で19兆の当初の見込みを突破する公算大なのである.

先日,NHK特集で,東日本復興予算の使われ方を取り上げていた.法律の抜け穴を使って,復興とは無関係,或いは,こじ付けたの事業に2兆円程予算が付けられていると言うのである.一般予算では取れない事業が,ハゲタカかのように,この復興予算に群がっているのである.

5年間で19兆の復興予算の財源を25年間の所得税の増税(4%),10年間の住民税の増税(4%)としているのだが,財務省はこの財源に一般予算では取れない事業を振り向けた感じがするのである.

どうやら,赤字国債まみれの一般会計予算を抑制する為だと思うが,増税を財源とする復興特別会計を,一般事業も使えるように,復興基本法のなかに『活力ある再生の為』の文言を加えたのである.この瞬間,国民が思う被災地の復興の為と言う大儀が一般会計の大儀に摩り替わったのである.まさに復興予算は『使途が自由な基金』を経由した『一般会計予算,特別会計予算』なのである.

これでは,19兆の増税が復興の為と思っている国民からすれば,『騙された』と思うのは当然である.こんな事なら,執行停止も含めて,長期の増税も,復興予算もやり直しである.

民間への補助金を目的外使用すれば公金横領である.同じように,役人,議員が復興基本法を悦脱して,予算を使えば,間違いなく,公金横領である.補助金並みに糾弾すべきだと思う.

国民からすれば,過去の予算や増税も,こんな形で国民を騙してきたのではないかと,不信感が募るのである.これでは,建前は『法治国家』だが,抜け穴によって『放置国家』になっているのである.

又,この前の通常国会で決まった消費税増税法案も,全て社会保障に使うと言っているが,それなら,これまで社会福祉に使っていた財源(赤字国債)がいらなくなる筈であるが,どうやら,その財源は他の新規事業に回すらしいのである.

だとしたら,消費税増税は社会福祉の為ではなく,他の新規事業の為とも言えのである.そうなると,増税分だけ,歳出が拡大する事になる.しかも,増税したからと言って,赤字国債発行が減るわけでもなく,財政再建には繋がらないのである.いづれ,消費税増税後の歳出規模,赤字国債発行規模を見ると,国民は騙された事を知る筈である.

そもそも,政治家,役人は予算確保に奔走する事はあっても,必死に『歳出の吟味』や『歳出の抑止』,更には,『歳出の削減』に奔走する事は無いのである.いろんな大義を掲げて良くも悪くも『歳出拡大の政治』を続け,国民も許容して来たのである.当然,政治家,役人の仕事は『事業を拡大する事』になったのである.

だから,借金が莫大になっても,大規模な増税が必要になっても,返済で未来の在民の可処分所得や政策の選択肢を奪っても,財政破綻,経済破綻の危険性が迫っても,彼らの仕事からすれば,本心は『知った事ではない』,『背に腹は代えられない』のである.

このままでは,地獄に落ちるまで,『限りなく歳出拡大が続く』のである.まさに『ゆでガエル』である.今までの『放置国家的民主主義政治』は,もはや限界だと思うのである.

『限りなく歳出拡大が続く』事は『限りない借金と増税を続ける破綻への道』である.これから日本に必要なのは『歳出削減と経済成長への道』である.厳しい選択肢であるが,これしか選択肢は残っていないと思のである.これに向けた,国民,政治家,役人の意識改革と政策転換が必要だと思うのである.

一方では,日本には安全保障,防災,災害復興,社会保障,社会インフラの再整備,原発事故補償,使用積み核燃料処理,等に限りなく青天井の歳出拡大要因がある.『歳出削減』,『経済成長』の実現なしに,これらへの対応は不可能である.その意味で,この政策転換は国の存亡に関わる『安全保障テーマ』なのである.

ところで,借金は,経済理論で可否の判断が出来ても,民主主義理論では『否』なのである.民主主義の理論では,借金で未来の国民の主権在民権を縛ってはいけないのである.勿論,日本の財政法の精神も借金に対しては抑制的なのである.

従って,GDP比で国の借金を見ると,国民の民主主義の意識レベルが判ると言われている.これによれば,日本は,経済が発展しても,民主主義の意識レベルが低いと言う事になる.だから日本的社会主義を形成して来たのかもしれない.『経済は一流,政治は三流』にも符号するのである.民主主義の意識レベルを上げる為にも,この『歳出削減』は不可避なのである.

この『歳出削減』を進める為に,意識改革,政策転換だけではなく,次のような制度面での対応も必要だと思う.

①一般会計予算の経費(固定費,支援費)と投資(期待効果事業)の分離
②予算内容,執行内容の厳密な精査プロセスの確立(行政丸投げの防止)
③総額での赤字国債発行の廃止(事業毎の財源の明確化,意識化)

④国家予算構想を明示した選挙公約(予算構想の信任,公約の裏付け
⑤効果的予算の編成と執行管理の為の地方分権化(集中の限界)

以上,『限りなく続く歳出拡大』を許す今までの民主主義政治はもはや限界である.今後は『歳出削減と経済成長』を目指す意識改革,制度改革,政策実行に,日本の運命がかかっていると思うのである.次の総選挙で是非,この事を国民に問うて欲しいのである.

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