« 296 民主主義政治の限界か『限りなく続く歳出拡大』 | トップページ | 298 迷惑防止条例 (卑猥な行為の禁止)への屁理屈 »

2012.09.21

297 尖閣諸島をめぐる独裁国家中国の手口とその対処

2010年9月7日に起こった『尖閣列島における中国漁船の領海侵犯事件』に対し,当ブログNO227 『ナショナリズムとグローバリズムと中国』の中で,『グローバリズムを人質にするナショナリズム』,言い換えると,『自由経済を人質にする独裁政治』,更に言えば『民主政治を駆逐する独裁政治』で起こる,いわゆる『チャイナリスク』を批判し,このままでは,中国は国際的に信用されない,邪魔な国になると予見した.

今回発生した中国による領海・領土侵犯と中国の言い分は前回と全く同じ態度だが,反日感情と報復は前回より露骨で過激さを増しているのである.ナショナリズムを煽って,日本国旗を燃やしたり,日本企業を破壊したり,不買運動を繰り広げたり,政治家同士はおろか民間までも交流を打ち切ったり,何か100年前の時代にタイムスリップした感じである.3000年の中国の歴史からすれば,近代国家に100年遅れていても,些細な時間かもしれないのである.しかし,それに付き合わされる方としては,迷惑千万なのである.

いずれにせよ,『尖閣諸島領有権を主張する中国の一連の動き』は,政界第2位の経済大国,国連の常任理事国,WTO加盟国,とは,とても思えない幼児性を感じるのである.まさに上記NO227の指摘通りである.

そこで改めて今回起こった,日本政府の尖閣列島の国有化に端を発した,中国漁船の領海侵犯,中国運動家の尖閣への上陸,上陸者の逮捕と国外追放,反日感情と一体となった報復,の概要について,備忘録的にまとめてみた.

・中国の正当性,日本の違法性を世界へ発信(中国政府,中国メデア)
・多数の中国漁船監視船の接続領域での巡回,日本領海侵入(中国政府?)
・大量の漁船の尖閣集結と領海侵入の可能性示唆(中国メデア)
・中国各地での一斉の反日デモの発起と一斉の鎮静化(官制デモか)

・在中日本企業,日本大使館の器物破壊,強奪(愛国無罪,警察傍観?)
・日本企業の中国人従業員の職場放棄(愛国無罪)
・日本国旗の焼却や日本総理大臣への侮辱(愛国無罪,警察傍観?)
・在中邦人への恐怖感拡大
・日本企業への『尖閣は中国の領土』の旗掲揚の要請(中国公安?)
・いろんな罪状による邦人の逮捕(中国の公安?)
・レアアースの日本への輸出抑制(中国政府機関?)
・日本品の通関検査の遅延行為
(中国政府機関?)
・日本へのサイバー攻撃(愛国無罪)
・日中催事,会議,政府間交渉,等の中止要請(政府機関?)
・日本への中国人の旅行自粛,日本製品のボイコット

これらの一連の中国の行動は,尖閣の実行支配を日本にさせない為,尖閣諸島の領有権を確実に手にする為,更には,アヘン戦争以来の列強の侵略や日本の侵略に対する復讐と中華思想の復権の為,など,歴史認識とも連動して,中国全土で反日行動が起こっているのである.

どの先進国でも,勿論日本も,政治家の論議は公開され,経済制裁などの報復処置が必要な場合は公表される.一方,中国の公式な発表は報道官による,いつもの,相手に責任を転嫁した,高飛車の言い方の発表だけである.よくもそんな事が言える物だと,あきれるのである.

まさに『政府は絶対謝罪しない,嘘も平気で言う,相手に全ての責任を押し付ける』とよく言われている性格が丸出しである.

国内向けを意識してこんな風に言っているのだと思うが,同時に,こんな風に,国民を洗脳し,国の正当性を鼓舞している事を我々に見せている感じがするのである.北朝鮮,韓国も全く同じだが,政治家がどんな議論をしているのか,全く日本からは見えないのである.

その事もあって,不信感が湧くのだが,上記のような一連の動きは,政府の自作自演のシナリオに見えるのである.そのシナリオはこんな感じだろうか.

デモ,暴徒,反日感情による経済報復など,政府は関与していないとして,何が起こるか分からない恐怖心を相手国にまき散らす.一定の脅迫効果が出ると,今度は政府は,原因は日本にあると言いながら,デモや暴徒の鎮静化に乗り出す.そして,ピタッとデモが止まった事で,正義の覇者のような政府の取り組みを世界にアピールするのである.

こんなシナリオは,今回ばかりではない.歴史認識による反日感情を煽って,外交圧力をかける手法は依然から繰り返されているのである.まさに,独裁国家ならではの戦術である.この精神の根底に,長い戦乱の歴史を生きてきた習性があると思う.

そんなわけで,今回の全ての行動に,中国政府がどの程度絡んでいるのか,政府もマスコミも,是非,調査して欲しいと思う.いずれ損害賠償問題でも,これが必要になるのである.

中国や韓国もそうだが,歴史認識や大衆のデモを絡めて,領有権を露骨に主張する程,無理な,こじ付けの主張に見えて来るのである.いづれの国も,サッカーの試合で,反日感情で判定して,試合に勝とうとしているように見えるのである.

歴史事実やその認識をぶつけあえば,国際社会は成り立たなくなることは世界中の常識である.だから,歴史認識の違いがある事を認めた上で,問題解決に当たる必要がある.領有権問題に対する国際法の考え方も,歴史認識ではなく,国際的な条約や法的証拠で判断する,としているのである.(当ブログNO293緊迫化する領土問題で発信済み).

日本は北方領土でも,竹島でも,尖閣諸島でも,日本が領有権を強く主張する為に,これまで,中国や韓国のような露骨な事はしていない.それは,弱腰だからではなく,あくまでも理性ある法治国家として,客観的な法的事実で平和的に解決をしたいと思っているからである.戦後の歴史を見ても,日本の姿勢は,明らかである.このことを世界にアピールすべきだと思う.

問題は,いかに平和的に,論理的に,主張しても,戦前の思考レベルにとどまっている国に,これが通用するかどうかである.従って,一方では,実効支配をされないよう,防備も必要なのである.

日本としては,そんな国を相手にするわけだから,大変な事だが,愚直に,具体的に,政府やマスコミは次の事をやるべきだと思う.

・中国の一連の行動を日本政府,マスコミ,あるいは有識者が世界に公表する事,
・ナショナリズムむき出しや暴力では国際問題は解決しないと主張する事,
・領有権に関する事実や国際法にもとづく日本の主張を世界に発信する事,
・中国の国際法やWTO違反を世界に公表し,その厳守を中国に要請する事.
・チャイナリスクの実態を世界に公表し,その撲滅を中国に強く要請する事,
・チャイナリスクによって,日本初め世界の企業の撤退もあると示唆する事,

・渋沢栄一の儒教による『道徳経済合一』の教えを逆輸出する事,
・領海・領土侵犯に関する日本の法整備を急ぐ事,
・日米安保体制を示し,軍事的摩擦を抑止する事,

それでも,中国が領有権を主張し,圧力をかけて来るなら,日本は堂々と国際裁判で受けて立つ,と宣言すべきである.

これらを通じて,中国が大国として,世界に信用される国になるよう,厳しく追求して行くべきだと思う.アジアや世界の安定の為に必要だからである.

一方,現体制で13億人を統治する事の限界が根本にある感じもする.上記の様な中国の一連の行動が中国の統治の為に必要な事だとしたら,まさに,統治の限界を超えていると言わざるを得ないのである..

その意味で,ソ連崩壊やベルリンの壁崩壊の様に,中国の民主化や国の分割がなければ,中国は変われないのかも知れないのである.中国の最大の課題である.それが解決するまで,待つのも,日本や世界の選択肢かもしれないのである.

.

|

« 296 民主主義政治の限界か『限りなく続く歳出拡大』 | トップページ | 298 迷惑防止条例 (卑猥な行為の禁止)への屁理屈 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/134518/55702194

この記事へのトラックバック一覧です: 297 尖閣諸島をめぐる独裁国家中国の手口とその対処:

« 296 民主主義政治の限界か『限りなく続く歳出拡大』 | トップページ | 298 迷惑防止条例 (卑猥な行為の禁止)への屁理屈 »