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2012.11.12

305 資本主義国家運営に於ける『ケインズVSフリードマン』

資本主義国家の運営に当たって,世界大恐慌以来,米国では,『景気の安定,福祉の充実』を実現する方法として,常に『二つの考え方』が議論されて来た.

この二つとは,『民主党の大きな政府』と『共和党の小さな政府』の対立である.例えば,健康保険で言えば,民主党の国による皆保険制度と共和党の民間保険中心の対立である.経済政策で言えば,『ケインズ理論とフリードマン理論』の対立である.

ケインズ理論は世界大恐慌で露呈した資本主義の不完全性を是正すべく,中央集権による財政出動が経済,雇用,福祉にとって,必要だとした考え方である.いわゆる『大きな政府思考』である.この考えに立つのが民主党である.

一方,フリードマン理論は権限が中央に集約されると,限りなく独占を生み,国民の活力を奪う事になる.又,財政出動が効率的に働く保証もない.したがって,民間による自由な経済活動こそが国の活力を生むとした考え方である.いわゆる『小さな政府思考』である.この考え方に立つのが,アメリカ建国精神である,自由,平等,独立,フロンテアを守りたい共和党である.

常にこの議論が起こるのは,どちらも一長一短があるからである.

ケインズ理論の結果,日本も欧州もそうだが,社会資本は充実するも,限界効用逓減で,その経済波及効果は少なくなり,莫大な政府債務が残る事になる.その結果,国民にも重税がのしかかって来るのである.これでは目的とは裏腹に,景気も福祉も悪くなる方向に向かう事になるのである.

一方,フリードマン理論はアメリカの精神として,世界の経済や技術を引っ張ってきたが,投機経済,貧富の格差を生むのである.

世界情勢を見ると,日本も欧州も,限りなく大きな政府で戦後の国家を再建してきたと思う.米国は近年,民主党政権によって,大きな政府思考を強めていると思う.中国など新興国は国家資本主義と言われるほど,政府の積極的財政出動で国の経済を活性化させているのである.

しかし,この大きな政府思考の行き着くところは,重税に苦しむ,貧しい社会主義国家である.日本の政府債務を見れば,既に,立派な社会主義国家とも言えるのである.

資本主義経済を運営する観点で言えば,政府債務と国民負担はおのずと限界がある.したがって,先進国は勿論,新興国もいづれ,貧富の格差を認めながら,福祉サービスの低下も覚悟の上で,小さな政府を目指さざるを得なくなるのである.そうしないと,元も子もなくなるからである.

その意味で,先進国で採用され,大衆に支持されたケインズ理論から,今度はフリードマン理論に行かざるを得ない時代に入って来たと思うのである.しかし,『ゆで蛙』から飛び出せるか,国民の覚悟が問われる事になる.

日本の情勢で言えば,当ブログでも再三発信しているが,『パイの分配』を重視することより,『パイの拡大』を重視する時代にある.しかも,『歳出削減』をやりながら,実現する必要がある.針の穴を通すような,極めて難しい,国家運営になるが,これしか選択脂は残っていないと思うのである.

ご多分にもれず,日本も『ゆで蛙』から脱出する覚悟と,フリードマン理論が日本の国民性,文化と,どう折り合いを付けられるか,が問われる事になる.

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