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2012.11.15

306 11月16日解散を宣言した総理のおかしな条件

11月14日党首討論会で,懸案であった解散問題にやっと総理は結論を出した.

野田政権としてはマニフェストでは予定していなかった消費税増税を言うのだから,法案を出す前に,或いは,『近いうち』と言って三党合意に持ち込んで,国会を通したのだが,その時に,約束通り,国民に信を問うべきだったのである.その意味で,極めて遅い決断だったと思う.

この党首討論会での解散宣言は次のような背景があったと言われている.

前日,総理が民主党の総意が解散反対だと言う事を聞いた時,野田降ろし,総辞職,延命内閣の発足,解散,と言う『謀反のシナリオ』が感じられた事,来週からの東アジアサミットで空白が起こる事,このまま凋落するより,一気に解散に打って出る事で,民主党のシャッフルが出来る事,何と言っても,『近いうち』発言に,嘘の烙印を押されない事,来年度の予算編成を考えれば,年内解散しかない事,などで,民主党の総意に反して,突然宣言したようである.

振り返れば,民主党政権が出来てから,政権担当能力の無さが幾度も露呈し,自ら下野すべきであったと思う.鳩山総理退陣の時,解散していれば,東日本大震災や原発事故への対応は大きく違っていたと思うのである.管総理退陣の時,解散していれば,財務省主導の消費税大増税論議に明け暮れることなく,震災復興スピードや日本の再興を目指した,産業振興,円高・デフレ・株安対策が実行できたはずである.

『一票の格差問題』と『定数削減問題』に対しても,自民党は違憲問題と選挙制度問題を分離して考えるべきだとしたが,民主党は違憲対策と連用制と言う理解困難な定数削減案とを抱き合わせで審議すべきだ主張していた.明らかに解散先延ばし戦略である.

結果は急転直下,分離案に決まったが,違憲対策が遅れた事で,次の総選挙に適用できないまま,選挙になる.もっと早く合意していれば,こんな事態にはならなかったのである.民主党の延命策の悪影響である.

いづれにせよ,今回の解散宣言で,本日から公示日まで,民主党は大混乱になると思う.相変わらず,『離党騒ぎ』,『選挙公約問題』,立候補公認問題』等の問題が勃発し,断末魔のエピローグが始まると思う.これも,『ごった煮政党』の宿命である.そんな事に,もう興味が無いが,最後に野田総理の見識に疑問を呈しておきたい

総理は党首討論で16日解散の条件として『議員の定数削減』を上げた.その中で,『国民に負担をお願いしている以上,定数を削減する道筋を作らねばならない』と言った.この発言は間違いだと思うのである.

自ら『身を切る姿勢』を示すべきだと言うのだろ言うが,『身を切る事』がどうして『議員数の削減』になるのだろうか,これだと,国民に負担をお願いする都度,議員数を削減すると言う事になる.どうも感情と論理がゴチャマゼである.

自分の正当性や真摯な姿勢を示したい時起こる現象である.『一体改革』と言って『消費税大増税』をやる事も,全く同じ現象である.『一体改革』で,何故『消費税大増税』になるのか,依然と不明なのである.素直に『財政が逼迫』しているから,とは言わず,裏付けのない『一体改革』と恰好を付けるのである.

元来,『増税と議員数削減』はデメンジョンが違う話である.議員数削減の話しは安倍総裁が言うように,選挙制度に絡む民主主義の土台の話しである.

多分,民主や自民が言う40名程度の削減案は,増税に対する身を切る話しではなく,選挙制度として考えられたはずである.民主党マニフェストでの削減案も,増税を言っていなかったのだから,純粋に議員を減らしても,政治が出来ると考えたはずである.言い換えると,削減と言うより,適正な議員数を示したと思うのである.

したがって,野田総理の『身を切る』発言は間違いである.野田総理の演説は,演説の旨さに非論理的な事が紛れ込む特徴がある.言う事が180度違う事も多い.どうやら『街頭演説の賜物』かもしれない.国会は街頭ではないと思うのだが.

結局,自民党は野田総理の条件を受けいれて,次の通常国会(増税前)で選挙制度の視点で,定数削減を決めるとしたのである.語りつくされた議論であるが,しっかり選挙制度改革の妥協点を見出して欲しいと思う.

ところで,私見によれば,総理と違って,『国民に負担をお願いしている以上,もっと,やるべき事』があると思っている.

現在の縦割り行政,省益優先,拡大解釈,目的外使用,等を許す『放置国家』のままでは大増税は許せないのである.従って,この『放置国家』を止める為の『制度,仕組みの強化』こそが増税の前にやるべき事だと思うのである.

中央集権の限界を解消する為に地方分権も重要な施策だと思う.又,民間が補助金を目的外使用すれば公金横領で罰せられる.政治家,役人にも,同じ緊張感と責任を求めたいのである.

役人や政治家は無責任にも,限りなく歳出を拡大する人種である.この認識に立って,それを抑止する制度,仕組みは国家の仕組みとしても必須だと思うのである.増税の見返りに議員の数を減らす話しではないのである.

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