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2012.12.30

311 民主党政権崩壊,自民党政権復活で終わった2012年

2012年は円高,株安,デフレ,の経済環境の中で,赤字財政問題,社会保障と税の一体改革問題,震災対応問題,原発事故対応問題,エネルギー対応問題,TPP問題,領有権と中国・韓国の反日運動問題,など山積の難問に,さらに深刻さが増した年であった様に思う.

一方,これらの難問を前に,民主党政権は相変わらず内部抗争を繰り返し,党の分裂にまで発展したのである.一方,増税法案の成立と引き換えになった『近いうち解散』に従って,12月解散となり,多くの問題を残したまま,民主党の惨敗,自民党の圧勝で,政権が交代する事になったのである.

2012年は民主党政権の混迷に終止符を打った年になったわけだが,振り返ってみれば,民主党政権の3年3ケ月間は『失われた3年3ケ月』どころか,東日本大震災,原発事故,放射能汚染,も加えて,『深刻さを増した3年3ケ月』だったと,率直に感じるのである.

従って,自民党政権はこの深刻な苦境から這い上がる事が使命になるが,国民としては,これまでの民主党政権へのイライラがなくなった分,少し明るい年末・年始の気分になったと思うのである.

さて,自民党政権であるが,早速,経験豊富な重厚な内閣を発足させ,まず経済不況からの脱却,災害からの復興を優先すべく,金融政策,財政政策,成長政策の推進を公言し,市場も早速これに反応し,円安,株高に動き始めたのである.

自民党としては,この経済優先の取り組みで,円高,株安,デフレ脱却に手を打ち,来夏の参院選や,消費税増税判断に臨む事になる.そして,参院選でネジレを解消し,本格的に難問に取り組む事になるのだと思う.

ただ,TPP問題,米軍基地問題,集団安全保障問題(集団的自衛権行使問題),は米国の国内事情(財政問題,軍事費問題)と関係し,その対応は,あまり時間がないように思う.いきなり,自民党の采配が問われる事になると思う.

一方,自民党政権の復活で,さっそくながら,自民党政権への不信感や問題点を上げる識者が目立つ.代表的な批判は,『金融緩和』,『公共事業』,『社会保障費削減』,『原発依存』等であるが,ほとんどが民主党応援者である.相も変わらず批判はするが,対案を示せない人達である.

又,金融緩和,円安誘導,インフレへ目標,等の金融政策を批判する円高容認の経済学者もいる.デフレや内需産業が駆逐されている現実より,ハイパーインフレや金利の高騰を懸念している人達である.しかし,このハイパーインフレや金利高騰は起こらない,と言う学者は多い.

私見であるが,第二次阿倍政権には次の事を要請したい.

第一次阿倍政権では『小泉改革』の圧倒的人気で得た議席を使って,『戦後レジュームからの脱却』(教育問題,防衛問題,憲法問題など)に舵を切った為,小泉改革路線が消えたと記憶している.その後,リーマンショックで,積極的財政出動に転ずるも,民主党に政権を奪われ,自民党の路線が見えなくなったまま,現在に至っているのである.

そこで,第二次阿倍内閣では,前述のように政策課題の優先度を見極めて進めるようだが,『規制緩和』,『地方分権』,等の『改革政策』を是非,財政政策,成長政策の中に組み入れて欲しいと思うのである.

『改革政策』は,単独で存在する問題ではなく,財政政策や成長政策の有効性や効率性に寄与するものであり,勿論,民間企業活力の増進にも関わるからである.

そんなわけで,来年は,阿倍政権は政・財・官・連携の『保守勢力』として,じっくりと難問に対峙して欲しいしと思う.一方,改革の『新保守勢力』,社会主義的発想の『リベラル勢力』も,しっかり政治体制を作り,『日本の政党政治の安定化』に取り組んで欲しいと思うのである.

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2012.12.17

310 民主党自爆の政権交代選挙

民主党幕府の分裂と中小豪族が群雄割拠する中で,2012年12月16日,戦国時代に決着を付ける関ケ原合戦の日を迎えた.

嵐の後の妙な静けさの中,日本国中で投票が始まった.投票率がなかなか上がらないまま,夜8時になると,堰を切ったように,自民党の当確が次々とテレビに流れた.当確がなかなか出ない激戦の戦場はわずかにあったが,あっという間に体勢が決まった.

民主党,未来の党の大惨敗,維新の会の台頭,公明党,みんなの党の増加,そして,自民党の圧勝である.自民党は3年3ケ月ぶりに政権に復帰する事になったのである.

しかし,自民党から聞こえる感想は,民主党のあまりにもひどい惨敗で,2009年の自民の惨敗を思い出したのか,手放しで喜ぶどころか,勝ちすぎた事で起こる揺り戻しへの警戒感や難問を前にした責任感で,『勝って兜の緒を締める』話しが多かったように感じた.

さて,衆議院の新勢力は,自民294,民主57,維新54,公明31,みんな18,未来9,共産8,社民2,日本新1,大地1,無所属5,となった.自公連立で325で3分の2を超える空前絶後の政権与党が誕生する事になったのである.

いくつか,今回の選挙の新記録に触れてみたい.

①総理を初め全ての閣僚,民主党議員が比例と重複立候補をした事も異例だが,それにもかかわらず,与党でありながら,230人から57人へ,173人の議席を失った事は前代未聞である.民主党を離党した未来の党(生活第一)の落選も含めれば,220名ほどの落選になる.

この大敗は,小選挙区の特性とは言え,今までの民主党とは,一体何だったのかと,言われる程の惨敗である.現職の8人の大臣を含め,多くの大臣経験者が落選した事も前代見聞である.又,約220名の落選者の,3年3ケ月間の多分600億円程になる,歳費や交付金は一体何だったのだろうか,と思わずにはいられないのである.

②民主党及び,民主党を離党した議員の惨敗を含めて,各政党を横串で見ると,総じて,リベラル・左派の惨敗である.一見,優しそうな事を言うが,その分,論理や現実が成り立たない事を国民は見抜いたのだと思う.それが,自民党,日本維新の会,みんなの党の躍進に繋がったと思う.世間では右派への傾斜と言われているが,私見によれば,政治思想以前に,左派の発想や論理が現実に通用しない事が露呈しただけに見えるのである.

③次に驚く事は,多党化を反映して,480の議席に1504人が立候補し,1024人が戦場に散った事である.これも新記録だと思う.供託金の没収額も死票も新記録かも知れない.そもそも,小選挙区比例併用制で,これほど立候補者が出る事,事態が異常なのである.

④は政党助成金の悲喜こもごもである.政党助成金は1月1日の議員数で決まるのだが,年内解散によって,民主党は230人から57人に,未来は61人から9人に助成金が激減する事になったのである.

選挙が年明けに行われていれば,大敗しても,選挙前の議員数で助成金がもらえたのだが,『近いうち解散』で,何10億と言う大金を取り損ねたのである.民主党や未来の年内解散反対論に『延命したい心理』と『助成金の事』があったと思う.

一方,優勢であった自民党や維新は年内選挙によって,自民は118人から294人,維新が11から54,の助成金を得る事になったのである.勿論,年明け解散なら,増額はない事になる.年内解散の主張は.来期の予算編成の事もあるが,この助成金の事も気にしていたと思う.

⑤は投票率が60%を下回り,白票も多かった事である.マスコミによる自民党の圧勝報道や多党化による立候補者の増加,難問の多さ,などが,投票行動を落とし,白票の多さにも,つながった感じがする.

多くの無投票を,選択を迷った結果の放権と見るか,選挙結果への白紙委任と見るか,政治への不信の意思表示と見るか,あるいは,全くの無知,無関心と見るか,あるいは,高齢化が原因と見るか,であるが,結局,無投票は選挙結果如何に関わらず,白紙委任にした事になるのである.言い換えると,白紙委任と言う意思表示になる.

言うまでもなく,投票権は勝敗以前に,自分の参政権の行使であって,その集計で,代議士や政党の勢力図が決まる.従って,勝敗予想がどうあろうと,選択にどんなに迷うと,この権利を行使する事が民主主義の原点になるのである.

米国などのように国民が自分で投票権を取ってから,投票する制度と違って,日本では投票権が年齢や権利付与要件を役所がチェックし,ご丁寧に投票案内の葉書が個人に来るのである.役所としては,選挙人名簿を作る事が住民情報システムの大きな仕事になっているのである.

まさに,国民は,何もしなくても,選挙権が降ってくる感じになっているのである.参政権取得の血の歴史など知らないまま,国民の権利,義務が軽くなっている感じがするのである.

投票権は与えられる権利ではなく,奪う権利だと言う事を認識する為にも,権利のない事の重大性を認識する為にも,米国の様な制度にするのも,必要かも知れないのである.

以上①~⑤の驚きを上げたが,今回の一連の政変劇は自民党のシナリオ通りに進んだと思う.自民党は民主党提案の『社会保障と税の一体改革』に合意し,見返りに,近いうち解散の確約を取り,対立している社会保障の中身は国民会議に先送りし,当法案を成立させたのである.その後,自民党は,執拗に近いうち解散を迫り,そして念願の解散総選挙になったのである.そして,国民が民主党政権にレッドカードを出し,自民党に政権が返って来たのである.

当ブログで,三党合意などせず,堂々と議論で戦うべしと,正攻法を主張した.いくらでも民主党を追い込める材料があったからである.しかし総理が解散と言わない限り,この正攻法に限界があるとして,上記のようなシナリオを書いたのだと思う.民主党の抱きつき作戦を逆手に取った谷垣総裁の勝ちである.

この様に,自民党の『解散に向けた戦略』と国民の『民主党政権への反感』が合致した形で,圧倒的決着による政変劇が起こったのである.かくて,田総理は『消費税増税法案』と『民主党の崩壊』を成し遂げた『歴史上の人物』になったのである.

そこで,国民がレッドカードを出した民主党の問題点を簡単に列記して置きたい.

政権発足当初より露呈したマニフェスト違反の問題,民主党議員の資質・スキル・経験の問題,ごった煮政党の問題,トロイカ体制の問題,党内不一致・内部抗争の問題,政治主導の政権運営の問題,内閣人事の問題,パイの分配重視で合成の誤謬政策になった問題,沖縄基地移転問題,社会保障と税の一体改革の問題,景気対策の問題,中国・韓国・ロシアの領土侵犯の問題,東日本大震災の問題,福島原発事の問題,TPPの問題,等々,多くの問題が発生したのである.

当ブログでも,186自民党崩壊と政治路線の行方(2009・08・31)に始まって,民主党の問題点を繰り返し指摘し,提言して来た.今,それらを読み返して見ても,間違った指摘どころか,懸念した通りになったと,逆に驚いているのである.

経済面においては,民主党発足時90円であった為替レートが75円まで円高が進み,輸出も苦しくなり,製造の海外移転も進んだ,株安も続き,経済は下落の一途をたどった.税収も年金等社会保障の資産も,国民・企業の金融資産も,大きく目減りした,国際的にも日本の影響力は急速に減衰して行ったのである.

こんなに問題が多いにもかかわらず,野田総理の『近いうち解散』に反対し,任期いっぱい続けるべきだと主張した民主党議員は,そもそも国政を預かる資格も,力量もない,人達に見えたのである.

野田総理は,こんな民主党議員や離党した議員を政治の場から退場させた功績者なのかもしれない.言い方を変えれば,党で出来なかった民主党の浄化を国民にしてもらった感じである.

この民主党政権が残した物は,『政治の混迷』,『災害復興の遅れ』,『経済の疲弊』,『日米関係の歪』,そして,党員の『元職の肩書』である.

この『元職の肩書』は総理が適材適所と言って付けた人事の記録である.実態は全員が初めての経験であり適材適所等と言えないのだが,もっと重大な問題は,党内融和の手段として,能力と関係なく,役職をばら撒いた事である.

人事が発表される都度,適材適所と平気で嘘を言う総理に,国家の事など考えていない事への批判を通り越して,『一抹の物悲しさ』を感じた事を覚えている.

この『肩書き』は,結局,『無能の烙印』となり,選挙で『落とされる目印』になったと思うのである.本人はどう感じているのだろうか.能力もないのに大臣や要職を引き受けた人達だから,落選後も『元職の肩書』を誇らしく,家宝にでもするのだろうか.

そんなわけで,惨敗の民主党や落選の議員が,『国民への説明が足りなかった』などと,自分達の正当性に,まだ固執するような弁明をするなら,この烙印は消えないと思う.誤りを認め,党の基本理念から考えなければ民主党の再生はないと思うのである.

そもそも,民主党に責任感があるなら,国民の審判を受けるまでもなく,早い段階で,政権担当能力のない事を率直に認め,国民に謝罪し,政権を返上し,民主党を解党し,立て直す位の決断が必要だったと思う.せめて,今からでも,来夏の参院選までに,新生民主党を作り直す必要があると思う.

しかし,民主党の再生と言っても『簡単ではない』.党の政治理念は結党以来,はっきりしていない問題であり,はたして,作れるのか疑問である.又,主流派が責任を取って謹慎すれば,再生を進める人材も見えないのである.元反主流派が党を仕切り事になれば,離党組が復党する事も考えられ,参院選の前に解党もしくは分裂もあり得る位に再生は難しくなると思うのである.

思い返せば,参院選で大勝した民主党小沢氏は福田政権に対し,ネジレ解消に向けて連立を仕掛けた事があった.この時,小沢氏はその理由の一つに,民主党には,政権担当能力がなく,経験をさせたい事を上げていた.

この連立の話は,民主党内で否定され消えた.その後,民主党は2009年の総選挙で大勝し,政権に就いたが,小沢氏の懸念通り,政権担当能力の無さを露呈し,上記のような多くの問題を起こし,今回の大敗につながったのである.

一方,自民党の圧勝と今後の政界についても触れておきたい.

自民党の圧勝は,民主党への失望,反感と自民党の人材及び景気対策への期待が大きかったからだと思う.11月16日の解散宣言で総選挙モードに入ると,自民党の金融政策,財政政策,成長戦略の表明で,早くも,84円まで円安が進んだ.これに呼応して,日経平均株価も約1000円高騰し,9800円台に入った.1万円の大台に乗る勢いである.自民党への期待が,早くも,経済を動かし始めたのである.

そんなわけで,率直に言って,民主党政権への3年3ケ月に及ぶ苛立ちから,やっと解放された思いがする.これからは,前向きな視点で政治が見られる感じがするのである.

ただ,自民党が一方的に勝った事で,『保守・新保守・リベラルに別れた政界再編の芽』がなくなれば,『日本の政治・政党の不安定さ』が先送りされた事になり,心配である.

なんとか『保守』,『新保守』,『リベラル』の恒常的政治体制を形成し,この中で政策が議論され,時代に応じて,政権交代が起こる,そんな政治体制が日本に必要だと思うのである.

そこで,『来夏の参院選』を新しい政治体制作りのチャンスになれば良いと思う.例えば,参院選を前にして,こんどこそ,『維新』と『みんなの党』が合体し,参院の勢力が拡大すれば,衆参合わせて,改革勢力としての『新保守体制』が形成される事になるのである.

そうなれば,自民の『保守』と維新の『新保守』と,民主の『リベラル』の政治体制が一機に出現するのである.あるいは将来の『保守』と『新保守』の2大政党に進化する芽が出来るかもしれないのである.そう考えると,来夏の参院選は『関ヶ原の仕上げ』として,『大阪夏の陣』になる.勿論,維新が大きく勝利する『大阪夏の陣』である.

そんな次の政界を期待しながら,当面,自民党には強靭な内閣を作って,精力的に災害復興,経済復興,外交復興を進めて欲しいものである.

そして,原発問題,社会保障問題,増税問題,憲法問題など,大きな国内問題は参院選の結果を踏まえて,安定的な政治体制や政権の中で.政局より政策で審議して欲しいと思うのである.特に増税問題は,経済状況を見ながら,慎重に進めるべきだと思うのである.

そんなわけで,希望を持って,明るく,新年を迎えたいものである.

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2012.12.12

309 キャッチフレーズに見る各党の戦略比較

総選挙の投票が間近に迫っているが,選挙におけるキャッチフレーズの重要性について発信したい.この事は当ブログ2005年5月,NO11小泉政権の圧勝(戦う構図の勝利)でも発信した.

当時,バブル崩壊後の失われた10年を経て,不良債権の一掃,聖域なき構造改革,規制緩和,官から民,を掲げて小泉政権が誕生した.そして,改革の本丸とした郵政民営化の信を得る為に,総選挙を行ったのである.

その時のキャッチフレーズは『改革を止めるな』であった.国民へのメッセージである.この旗の下,『自民党をぶっ壊す』とまで言って,守旧派を追いだし,改革の必要性と熱意を国民に訴えたのである.その結果,選挙は圧勝したのである.

これに対し,民主党のキャッチフレーズは『日本をあきらめない』であった.民主党は日本をあきらめないで頑張る,との意味のようだが,国民から見ると,『お前の問題だろう』で終わる.自分の決意を言っているだけで,ビジョンや政策が見えて来ないのである.これでは自民党のキャッチフレーズと戦えないのである.最悪のキャッチフレーズだったと思う.

その反省からか,2009年の政権交代を実現した時の民主党のキャッチフレーズは『生活第一』であった.この旗の基で,給付や無料,と言う『ばら撒き政策』を公約したのである.選挙戦略,キャッチフレーズとしては見事だったと思う.自民党の自滅もあったが,政権を奪取した事で,この戦略の妥当性が証明されたのである.しかし,裏付けのなさが露呈した事で,民主主義選挙を冒涜する,最悪のキャッチフレーズになったのである.

さて,今回の総選挙のキャッチフレーズを見てみたい.

自民党は『日本を取り戻す』である.民主党政権でおかしくなった経済,外交,教育,財政,災害復興,から,日本を再生したい,との意味だと言う事は誰れでもわかる.『政権を取り戻す』との熱意も連想させる.このキャッチフレーズのもとで,『パイの拡大』に向けたデフレ脱却,景気回復,などの政策を提示しているのである.

只,『日本を取り戻す』としても,何を持って取り戻すと言うのか不明である.集団的自衛権や憲法改正も含めるのかも知れない.しかし,常識的には,円高,株安,デフレ,貿易赤字,を金融政策,財政政策で解消し,まず,経済の再生を図る意味だと思う.

勿論,その先に,やるべき課題は山程ある.それらの対策の中心になるのが,『日本の新しい立国』をどうするかである.世界の経済や技術の勢力図が大きく変貌している中での根本的なテーマである.

例えば,技術立国,海洋立国,自然立国,防災立国,環境立国,医療立国,長寿立国,文化立国,などのビジョンを掲げて,教育,研究,事業を展開し,日本の難問と対峙して行く必要があると思うのである.自民党としても,是非,取り戻した先の姿を描いて欲しいものである.

一方,民主党は『動かすのは決断』である.民主党は難問を先送りせず,決断して政治を前に進めるとの意味だと思うが,今までの民主党政権の公約違反や党内のゴタゴタや先送りで,決められない政治との批判を受けていた事を思えば,決断できなかったのは民主党であって,『お前の問題だろう』と思われるのである.

さらに言えば,民主党が『決断する』と力んでも,『お前の決断など不要だ』,『これからも政権に座るつもりか』等と,反感を買う可能性も高いのである.だとすると,このキャッチフレーズは『力んで空振り』して,『反感を買う』,感じになるのである.

民主党のキャッチフレーズ,『日本をあきらめない』,『決断』,ともに共通している事は自分の心構えを言っているだけで,『ビジョンと取り組む政治のコンセプト』が見えない事である.『生活第一』はそれが見えたが,嘘を言ってはダメである.

こんな風に民主党のキャッチフレーズがピンボケになるのは,憲法問題,安全保障問題,経済政策,社会保障問題,財政政策,金融政策,貿易政策,など,党としての政策理念が定まっていないからだと思う.ごった煮政党の歴史があるからである.

同時に,政治のリアリティへの覚悟,当事者としての責任感も不足している感じがする.野党精神,批判精神,から未だに脱していない感じがするのである.そんな事がキャッチフレーズや政治活動に表れていると思うのである.

その反省からか,分裂後,今回の総選挙に際し,民主党は『中庸政治』を表明した.しかし,中庸では,政策の特徴が出しづらい事には変わりがないのである.

私見によれば,総じて『パイの分配論』,『所得の再分配論』が多い事から,民主党の理念として,『脱・貧困社会』をキャッチフレーズにした方がふさわしいと思う.同時に,率直に政権の混迷,失政を認めるなら,新しい綱領のもとで,『新生民主党』を宣言する事も必要だと思う.これは分裂を起こし,政治を混迷させた政党のマナーだと思うのである.

日本維新の会のキャッチフレーズは『今こそ維新』『日本を賢く,強くする』だが,抽象的すぎる感じがする.むしろ,これまでの主張に沿って,『脱・中央集権国家』,もしくは,『統治機構改革の断行』と言った方が,維新の意味がはっきりし,しかも,日本の課題解決の土台になる事を強く訴えられると思う.

みんなの党は『闘う改革』だが,熱意を表明するにしても,キャッチフレーズから政策が見えて来ない.むしろ,『脱・官僚国家』,『脱・肥大政府』のように,政策から熱意を感じさせる表現が必要だと思う.この方が,もっと訴求力が出ると思うのである.

この様にキャッチフレーズは日本の状況,政治活動の実態を踏まえて,『何をしたいのか』,『具体的なアクティビティ』が見える表現が必要である.

『心構えや決意』は国民に言う話ではないし,それを言えば,それが無かった事を白状するようなものであり,国民へのメッセージにならないのである.

今回の総選挙のキャッチフレ-ズだけで比較すれば,自民党のキャッチフレーズ『日本を取り戻す』に軍配が上がると思う.熱意を持ってやる事が見えるからである.

勿論,私案のように『脱・貧困社会』,『脱・中央集権国家』もしくは『統治機構改革の断行』,『脱・官僚国家』もしくは,『脱・肥大政府』が採用されれば,自民党と,がっぷり四つの勝負が出来た思うのである.どうだろうか.

ところで,政党の主張は勿論,自由であるが,各論の前に,政党の目指す国の姿や政策の方向を国民意示すべきだと思う.例えば,『大きな政府思考』なのか『小さな政府思考』なのか,あるいは『社会主義的思考』(勿論大きな政府)なのかである.この前提を言わないと,政策の真意や論理が理解出来なくなるのである.

この観点で各党を勝手に分類すると,大よそ,次のようになる.

『社会主義思考』  (左派)は共産,社民党(大企業・富裕層への重税)
『大きな政府思考』(リベラル・中道左派)は民主党(弱者救済・パイの分配)
『大きな政府思考』(保守)は自民党(財政出動による産業振興・パイの拡大)
『小さな政府思考』(新保守)は,みんなの党
,維新の会(規制緩和・競争・自立)

これは私の仮設であるが(度々当ブログで度々発信済み),政治の思考は音楽の好みと関係していると思っている.『フォークの好みはリベラル思考』,『演歌の好みは保守思考』,『ジャズの好みは新保守思考』である.この逆もある.

フォークは平和,幸せ,愛情等で,一体感・連帯感に浸る若者文化,演歌は伝統的な義理・人情・浪花節の村社会的文化,ジャズは国境,人種を越えて個性,自由を尊重する文化,であって,それぞれの政治思考とよく似ているのである.

議員に確認したわけではないが,今のところ,意外と当たっていると思う.是非,議員に音楽の好みを聞いてみたいものである.国民も,これを自問し,自身の政治思考を確認してみたらどうだろうか.

ちなみに,私自身はジャズ派であり,新保守思考である.好み以前に,日本の『ゆで蛙状態』から脱出する為には,この選択肢しか残っていないと考えるのである.ジャズの持つ自由化,個性化,国際化が今の日本に必要だと思うのである.

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