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2013.01.10

312 安倍自民党政権の特徴と課題

安倍自民党政権は党の人材を総動員する形で,内閣及び党内人事を決め一機に新体制に移行した.又,経済財政対策(金融政策,財政政策,成長政策)の司令塔になる経済財政諮問会議と具体的政策に落とし込む,日本経済再生本部(産業競争力会議)も立ち上げた.早速,大型補正予算を組む構えである.

この様に,民主党政権時代とは全く違う,組織力・機動力で政治が動き始めたのである.市場の反応も阿倍政権への期待感から円安,株高が続いているのである.さて,この安倍自民党政権に大いに期待する所であるが,その特徴と課題について,感じた事を述べてみたい.

自民党には小泉改革政権以来,離党者もいるが,守旧派(保守思考・大きな政府)と改革派(新保守思考・小さな政府),が混在している.又,歴史認識・安全保障・教育に関しては,ハト派とタカ派,も混在している.本来なら分離しても,よさそうな派が内在しているのである.この事は,よく言えば,党の幅,国民の支持の幅,維新の会やみんなの党との接点にもなっているのである.

安倍総理自身の中にも,この『守旧的な保守』と『改革的な新保守』の思考が混在し,使い分けている様に見える.小泉改革路線に参画しながら,第一次阿倍政権では保守路線に舵を切った時もそうだったと記憶している.

保守政治批判に対しては改革色をちらつかせ,改革批判に対しては保守色を出してかわす,或いは,改革派・タカ派の凄みをちらつかせて,実際は保守・ハト派の行動をする,領有権問題で言えば,タカ派思考を抑止力として使い,現実はハト派の対応をする,と言った具合である.

どうやら,この二つの思考を持つ事が『政治家の処世術』だと考えている様である.あるいは,思考は改革的だが行動は保守的になる『性格』なのかも知れない.

今回の内閣や党の人事でも,この『総理の処世術』あるいは『性格』が如実に表れている.保守と改革の人材が混在し,『保守路線』なのか『改革路線』なのか,はっきりしない体制になっているのである.

良く言えば,バランスをとった体制である.課題によって使い分けると言う事かもしれない.そんな訳で,安倍政権は保守と改革,タカとハトの『ヤジロベー政権』と言えるのではないかと思う.勿論,ヤジロベーと言っても,批難しているわけではなく,政策のバランスを取る事を意識した政権と言っているのである.

そんな特徴をもって具体的に日本の難題に取り組む事になるのだが,当然,路線が衝突する事になる.積極的財政出動,TPP対応,農政,財政健全化,社会保障改革,離島領有権,集団的自衛権,憲法改定,等でどんな行動にでるのか,興味の湧くところである.

安倍政権は伝統的な保守色を出せば,自民党の先祖帰りだと批判され,改革色を出せば,小泉改革の焼き直しだと批判される.又,集団的自衛権や憲法改正,歴史認識を持ち出せば,タカ派で危険だと内外から批判される,と言った宿命を背負って施策に取り組む事になるのである..

そこで阿倍政権の課題は,政策のバランスを取る為にも,改革色をいかに出すかである.『国土強靭化計画』は公共事業のばら撒きではないと言っても,『自民党の先祖帰り』,『保守回帰』に傾斜する可能性があるからである.

なんとしても,金融緩和,積極的財政出動,成長戦略を進める中に,思い切った改革政策を組み込むべきだと思うのである.例えば,地方分権などによる『行政構造の改革』で無駄な予算を排除し,『規制緩和』,『重点投資』で産業の活性化を進めるべきだと思うのである.

積極的財政出動だけでは,昔の自民党に戻るだけではなく,社会資本投資の限界効用逓減期の現在にはそぐわないし,財政危機が深まるだけになるのである.

其の意味で,日本維新の会,みんなの党もしっかり改革政策を阿倍政権に迫る必要がある.是非,建設的な国会論争を期待したい.

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