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2013.09.08

331 快挙『2020年東京五輪決定』

日本時間の2013年9月8日5時20分,ブエノスアイレスのIOC総会で,2年間に及ぶ,『マドリード』,『イスタンブール』,『東京』の五輪招致合戦に決着の時が訪れた.はたして,どんな決着が待っているのか,世界の人々が,固唾をのんでその瞬間を待った.

IOC会長がおもむろに封筒から取り出した決定通知書を掲げながら,静かな声で,『TOKYO』とコールすると,静寂な会場が一転して,歓喜と号泣と落胆の坩堝になった.極度の重圧から最高の形で解き放された日本招致団は満面の笑みで,お互いの健闘を讃えあった.また,結果を待つ38か所の国内パブリックビュー会場は早朝の静けさの中で,歓喜の声で騒然となった.2020年夏季五輪の東京開催が決まった瞬間である.

招致運動を通した下馬評では東京,マドリッド,イスタンブールの順であったが,日が詰まるにしたがって,マドリッド優位の噂や福島汚染水問題が広がり,日本にとっては不安を抱えたままの最後のプレゼンテーションになった.

そのプレゼンテーションでは,そんな不安を払拭して,巧に映像を使いながら,自信と熱意で,わくわくするような東京五輪開催を訴えた.おおざっぱではあるが次の内容であった.

『東日本大災害に世界から,多くのご支援を受けたお礼』,
『皇室のスポーツへの取り組み』,
『体験を通した災害や身障者にとってのスポーツの役割の大きさ』,
『五輪精神やスポーツ精神の継承・発展への日本の取り組み』,
『確実,安全,快適,な大都会での東京五輪の開催』,
『世界からの来訪者へのおもてなしの精神での対応』
,
『過去・現在・未来にわたる五輪への日本の熱意』

と,一貫して『スポーツ文化の発展』に取り組む日本を,しっかりアピールしたのである.又安倍総理から,

『国を挙げての五輪開催支援』,
福島原発事故による汚染水の安全確保』,

が宣言され,IOC委員のみならず世界に日本の取り組みをアピールしたのである.特に,悲惨な災害や原発への対応が極めて難しい事を承知しているIOC委員からは,復興にも五輪にも,熱心に取り組む日本の姿に,『激励』の意味を込めて東京に投票するIOC委員も出てきたのではないか,とさえ感じられたのである.

そして,決戦投票から除外される都市を決める最初の投票が行われた.
その結果,驚くことに,マドリッドとイスタンブールによる『同点再投票』が行われる事になったのである.

この『同点再投票』をマドリッドとイスタンブールの決選投票と勘違いした中国新華社は日本が最下位で落選したと勘違いして,日本敗退の大誤報を流してしまったのである.日本の落選を望んでいた本心が思わず出てしまった感じである.

下馬評以上の評価を受けたイスタンブールは『イスラム圏初』,『ヨーロッパとアジアの架け橋』,『現在と未来の架け橋』と言うコンセプトが評価され,その結果,東京は過半数に至らず,イスタンブールはマドリッドと同数になったのである.

そして,イスタンブールとマドリードの『同点再投票』の結果はマド゙リッドが落ち,イスタンブールと東京の決選投票になったのである.そして,決選投票では,負けたマドリッドの票が最初でトップだった東京に流れた形で東京が圧勝したのである.

もし,『同点再投票』がなく,『過半数をとった都市もなく』,残った二つの都市で決選投票が行われる場合,最初の投票の順位や票数が公表されない為,負けた票がどこに流れるかわからなくなるのである.

そんなわけで,『同点再投票』が行われた事で,東京が゙トップだった事がわかり,決選投票で同点再投票で負けた票がトップの東京に流れたと判断されるのである.その意味で,『同点再投票』になった時点で,東京の勝利はかなり高くなったと思われるのである.

『オールジャパンでの誘致運動』や『素晴らしいプレゼンティション』に,『同点再投票と言う偶然の幸運』が舞い降りて,日本は圧勝したと言えるのである.マドリッドとイスタンブールには本当に感謝である.この事を忘れてはならないと思うのである.

また,日本へのネガティブ・キャンペーンをあからさまにしていた国を封印出来た事も,気分爽快になったのである.そんな国には,ただ『淡然』としておけば良いと思うが,今後7年間で,東京五輪を失敗させる為,どんな妨害を仕掛けてくるか,また,東京五輪の成功を目指す日本の足元を見て,どんな無理難題を押し付けてくるか,,要注意である.リスク管理はもとより,それらの動きを逐次世界に公開し,抑止して行く必要があると思うのである.

ところで,極東アジアでの夏季五輪開催は,64年の東京,88年のソウル,08年の北京,そして2020年の東京となる.冬季五輪は72年の札幌,98年の長野,そして,2018年の韓国(平昌)である.日本での五輪開催は夏冬合わせて,4回目となる.もう五輪ではベテランの国になるのである.

そんなわけで,是非,2020年東京五輪は『ナショナリズム丸出しの国威発揮の場』にする事なく,成熟した国らしく,世界の将来につながる意義ある五輪にしたいものである.

一方,アベノミックスの『第4の矢』として,東京五輪が位置づけられ,日本全体の活力がさらに加速して行く事が期待される.そして,『2020年五輪』を合言葉に,スポーツも,人の育成も,経済も,インフラ強化も,政治も,社会も,7年間のタイムスケジュールに乗って,日本全体が動く事になる.

このスケジュールに乗って,『世界に貢献する,尊敬される日本』,に繋げて行きたいと思うのである.私の残りのささやかな人生にも,2回目の東京五輪観戦と言う楽しい目標が加わった.

そんなわけで,日本中が,久しぶりに,わくわくする,お祭り騒ぎの日曜日の朝を迎えたのである.

それにしても,今日は東京五輪決定の余韻を楽しみながら,レスリング,野球,ソフトボールのどれがオリンピック競技に残るか,フジサンケイクラシックで松山英樹がどんなドラマを見せてくれるのか,18歳以下のワールドカップ野球の日米決勝で日本が優勝するのか,半沢直樹の逆襲がどうなるのか,楽しみいっぱいの日曜日になったのである.

そんな喜びに満ちた日曜日になったのだが,頭をかすめるのは,震災復興対策,福島原発対策,社会保障対策,防災対策,あるいは消費税増税時の追加経済対策,に加えて,交通インフラ強化も含めた五輪関連事業,などなどで,2020年プライマリーバランスの黒字化目標も,怪しくなる巨額な財政出動の事である.

消費税増税も,もともと,『焼け石に水』なのだから,経済成長による税収増か,通貨価値下落による債務の目減りしか財政問題を解く手段がなくなるのである.

東京五輪ブームで財政規律が緩くなって,財政破たんの原因を作る事にでもなったら,『プレゼンティーションの内容がすべて嘘』になるばかりか,巨大自然災害発生以前に,日本が沈没するのである.

ハゲタカのように予算取りに群がる役人や政治家が,いかに理由があったとしても,【合成の誤謬】を招き,結果として日本を殺してしまう事を自覚すべきなのである.是非とも,そんな事にならないよう,財政法の精神に立ち返って,『赤字国債発行額の歯止め』が必要だと思うのである.

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