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2013.12.14

342 重要法案のつど政党分裂が起こる日本の政治

10月27日の当ブログNO336で『特定機密保護法案の論理的議論を』を発信した.この法案の議論に際し,各党は議席数に関係なく,『この法案の要否とその理由』をはっきりさせ,『要』の場合の課題については『対案』を示して議論すべきだと言った.

そもそも議論とは『対案のぶつけ合い』である.『対案のない問題点』を並べ立てるだけでは議論にならないのである.議論のルールとしては,対案がなければ賛成とみなされるのである.

勿論、国会の論戦においても同じである.『対案をぶつけ合った』上で採決する事が議会制民主主義の基本だと思うのである.しかし残念ながら、この法案の審議において,『対案をぶつけ合う場』になったかどうか,きわめて疑問を感じるのである.

各党はいろいろ問題を言っていたが,結局,『特定機密保護法案をどうしたかったのか』はっきり言わないないまま,与党の多数で成立したのである.民主党も,維新の会も,みんなの党も,党内対立を引きずった状態では,NO336で期待した『対案のぶつけ合い』が出来るはずもなかったのである.

法案採決で,野党は『与党の横暴・強行採決』と叫び,政府与党はけしからんと国民を煽動しているが,もとはと言えば,しっかりした対案を示していない野党に原因があると思うのである.

マスコミ,日弁連,有識者も同罪である.誰一人として『国家の特定機密保護をどうすべきか』と言う本質的な主張は聞こえてこず,『国民の知る権利や報道の自由が束縛されるから反対だ』と言うだけなのである.このような態度はあらゆる議論に良く見かけるのだが,『かみ合った議論』をすると『議論に負ける』と思っているのかも知れない.

いつも思うのだが,『議席数は負けるが政策では勝る』くらいの気概が野党には必要である.これなくして少数意見の反映は出来ないのである.数の力を批判する前に,自分達の義務を知るべきだと思う.それが出来ない野党は存在している意味が無いのである.

野党に問題ありの感想は私だけかと思ったら、高橋洋一氏はこうなった原因について述べているのだから、あながち私だけが感じていたわけではないようである.

高橋洋一氏によると,みんなの党の『特定機密保護法案』に対する党内対立の直接的原因は,次に議論になるであろう『集団的自衛権の見解の不一致』にあると言うのである.言われて見ると確かに,どの政党も特定機密保護法案に煮え切らないのは,これが背景にあるからだと感じるのである.

日本の野党は経済政策,財政政策,脱官僚,地域主権,社会保障政策,等で問題点は言うが対案を示しているわけではない.歴史認識,靖国,中・韓外交,集団的自衛権,武器三原則見直し,沖縄基地,憲法改正,となると,もっと主張が見えなくなるのである.

これを言うと党が分裂するからだとよく聞く.だとすると,現在の政党は政策集団ではなく,選挙と政党助成金狙いの野合集団だと言う事になる.『わが党には色んな意見がある』と自慢げに言う政治家がいるが,それで政党政治が出来ると思っているのだろうか.『数』と『選挙資金』と『利権』しか頭にない政党は『食品の偽装』と同じように『政党の偽装』だと思うのである.

そんな政党政治を続けた結果,日本を憲法改定方法もない欠陥民主主義国にし,憲法条文のミスすら直せないのに,憲法第9条の論議をし,選挙制度の違憲状態も解消せず,返す当てもない1000兆の借金に,さらに借金を積み上げ,少子高齢化社会にも手が打てず,歴史認識・中韓外交・集団的自衛権・武器輸出三原則見直し・沖縄基地、などの外交、安全保障問題に道筋を示さず,とにかく,政党の保身や分裂を恐れて,肝心な事はすべて先送りにしているのである.

言い換えると吉田茂の経済復興優先の戦後政治が成功したが,吉田茂が宿題にした憲法問題や安全保障問題に答えを出していないのである.かつて『経済は一流,政治は三流』と言われたゆえんである.ちなみに現在は、さらに悪化し,『経済も政治も三流』に凋落していると思うのである.

このまま,日本の政治が重要案件が政治課題になる都度,政党が分裂していては,とてもじゃないが『危機を余地した事前の策』など検討出来るわけがないのである.そんな事は『民主党野合政権の大罪』で終わりにしたいのである.

日本には,もはや政党がゴチャゴチャしている時間はないし,何としても,『難題と向き合った政界再編』を願うのである.決して難題から目をそらした野合を許してはならないのである.そんな野合は民主主義のコストではないのである.まさに『無駄』である.

最後に,愚痴を加えたい.

総じて,国会議員は権利に守られて義務を果たしていないと思うのである.年間一人1億円の歳費給付の割に義務としての活動が見えないのである.『最大の義務である対案』を出せない政治家,政党には歳費給付どころか,存在そのものが問題だと思うのである.

歳費の大部分が次の選挙資金に回るような仕組みも選挙制度も見直すべきだと思うのである.

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