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2014.02.12

345 小泉元総理の『原発問題』への高等戦術?

2月9日の東京地知事選挙は左でもない右でもない中庸の舛添氏が圧倒的支持(舛添候補 211万票、宇都宮候補 98万票、細川候補 95万票、田母神候補 61万票)を得て当選した.公約通り、福祉、災害、オリンピック、経済,に前向きに取り組んで欲しいと思う.

さて,この都知事選はもう一つの意義があった.それは原発問題に対する都民の意志である.結果として、『即原発ゼロ』を訴えた宇都宮候補、細川候補、の得票が合計193万票で舛添候補を下回った事である.とりわけ,小泉元総理が『即原発ゼロ』で細川候補と意気投合し、都民に訴えたのだが,思ったほど票は伸びなかったのである. 

そもそも『原発ゼロ』、『即原発ゼロ』、『脱原発』、とはどういう意味なのだろうか.『原発再稼働をせず廃炉にし,日本から原発をなくす』と言う意味で言っているとしても、その実現性や実現時期は今のところ全く描けないのである.

原発代替エネルギーの問題、電力料金の問題、国内産業に与える影響の問題、さらに根本的には核燃料の処分の問題、廃炉の技術的問題、それらの膨大な費用の問題、等々が全く見えていないのである.特に、現有原発の寿命の問題があり,宇津宮さん,細川さん,小泉さんが今更,騒がなくても、すでに深刻な問題になっているのである.

又、廃炉に至る実現性や時期が不明でも、とにかく『再稼働反対』と言う意味で言っているのかもしれない.この主張に、『稼働しなければ安全だ』と言う誤解があるようである.実は稼働しなくても、福島第4号機のように、核燃料が存在している限り、リスクはゼロにならないのである.

このように、原発問題は政治力ではほとんど解決できないのである.従って、選挙の争点にはならないのである.政治でやれる事は『稼働中・停止中の原発の安全性の確保』,『核燃料処分の方法の策定』、『技術開発支援強化』、勿論、『福島原発事故対策』、『原発被害者対策』なのである.

そんな状態の中で、『即原発ゼロ』あるいは『脱原発』と叫んでみても、実現方法のない事を叫んでいるだけになるのである.実現性のない事を公約にする事は都民・国民を騙す事になるのである.

従って,福島原発の悲劇を繰り返さない為に『原発をなくそう』と言って選挙に臨む事は,票を得る為でしかないのである.言い換えると原発問題を政治利用している事になるのである.戦争反対、核兵器反対、基地反対、と類似した手法なのである.しかし、都知事選の結果は,単純にその手に乗らなかった結果だったと思うのである.

小泉元総理は都知事選に懲りずに、来年の統一地方選で,原発立地県で,『原発反対』運動をやるとの憶測も飛んでいるのである. 原発立地県で安全性を言うなら、上述の通り,『稼働停止』ではなく、『基地問題』と同じように,核燃料施設の『県外移設』あるいは『廃炉』と言わない限り意味がない主張になるのである.

ところが『県外移設』も『廃炉』も、実現性が不明なのだから、上記の根本問題が解決しない限り,選挙の公約にはできないのである.立地県で必要な事は,原発の稼働、停止如何にかかわらず,『安全性の更なる向上』なのである.

そんな中で、なぜ、小泉元総理までが、声高に『即原発ゼロ』、『脱原発』を言い始め、政府に反旗を翻したのだろうか.私の推測を述べてみたい. 

私の結論からすると,『原発反対』、『即原発ゼロ』と言う、ポピュリズム政治を阻止する為の高等戦術のような気がするのである.

『原発反対と叫ぶ事は,支持を得る事が目的であって,原発問題の解決にはならない』事を国民に知ってもらう為に,あえて小泉元総理が『原発反対』を叫んで,その無意味さを露呈させているように感じるのである.

同時に,基地反対、安保条約反対、集団的自衛権反対、憲法改定反対、靖国参拝反対、増税反対、企業減税反対、等の勢力が原発反対勢力と一体化して、大きな勢力になる事を阻止する為に,『原発反対』勢力を引き付けておいて,一機にその勢力の無力化する事を考えたのではないかと,思うのである. 

以上が,私の勝手な推測であるが、反面、小泉元総理に,そんな高等戦術はなく,只,原発が稼働していないのだから,『原子力発電はゼロ』を続けよう、『使用済み核燃料をこれ以上増やさない』、と単純に言っているのかもしれない.

そうだとしたら,元総理なのだから,『原発停止の影響と,その対策』,『核燃料の処分計画』,『廃炉に至る計画』くらいは述べるべきだと思うのだが.しかし,それを言える政治家はいないのが原発問題なのである.

自由民主党の皆さん、小泉さん『ありがとう』ですか,それとも、『けしからん』ですか.

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