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2014.03.26

350 高速バス大惨事の前橋地裁判決への疑問

2012年4月29日群馬県の関越道で発生した高速バスの大事故に対し,№279高速バス事故が大惨事になった原因(12・05・07) で、『ガードレール』と『防音壁』との間に隙間があった事が原因だと発信した.

ガードレールに激突したバスが,ガードレールの切れ目で左に振られた為、防音壁に串刺し状態で激突てしまったのである.言うなれば、この事故は『2重遭難』である.もし、隙間がなかったら,7人の死亡,38人の重軽傷者は発生しなかったと思われるのである.

この事故に対し、2014年3月5日、前橋地裁は運転手に『眠気があった』として自動車運転過失致死傷罪で懲役9年6月、罰金200万円の判決を言い渡したのである.

事故当時,高速バス競争が過熱しており,そこに大惨事の原因があるとマスコミは騒ぎ、真の原因が隠される事を心配していたのである.残念ながら、その風潮のまま、『運転手の眠気』が大惨事の原因になったのである.

私見によれば、当初から、ガードレールに激突した事は運転手の責任だが、防音壁に串刺しになったのは、防音壁の設置に欠陥があったからであり,.問われるのは,この欠陥を放置した国交省だと考えていたのである.

事実、国交省はガードレールと他の建造物との間の隙間は危険だと認識していた節がある.98年以降,隙間のない作りにしているからである.ただし事故現場になった場所のように80年代に作られた隙間は放置されたままだったのである.

急遽(事故発生の1ケ月後)、国交省はガードレールと防音壁の隙間がある全国5100ケ所に対し,隙間をなくす工事を行うよう東日本,中日本,西日本の各高速道路会社に指示したと言うのである.

実はこの事故は自動列車停止装置(ATS)の設置が後回しになった為に大惨事となった福知山線の脱線事故と同じである.この事故では、死亡した運転手だけではなく、ATS設置を後回しにした経営責任が問われたのである.

責任追及は民間企業と行政機関では違うのだろうか.判決の最大の疑問である.被害者も、当然、この判決に不満があると思うのである.

交通事故が起こると,いつも、運転手の原因と責任が追及され,道路の危険性に目が行かない傾向がある.道路に問題があっても、刑事にしろ民事にしろ、役所相手の立件が難しいからだろうか.立件されなければ,道路の責任も、賠償も、加害者にのしかかり、危険な道路も放置される可能性があるのである.

役所としては、議会の指示がなければ、何も出来ないと言うのだろうか.民間企業なら、間違いなく、設備等の欠陥には、管理責任が問われるのである.

高速道路だけではなく、危険な道路は多く存在していると思う.危険を認識していながら放置すれば、『無作為の罪』になる事を行政は自覚すべきである.その心構えがあれば、交通事故は激減すると思うのである.

再発防止だと言って、高速バス事業を規制したり、夜間運行を400Kに制限しても、事故は防げないと思う.単なる役所のアリバイ作りにしか感じないのである.

真に再発防止するなら、警察、道路行政部門が一体となって,危険な道路を認識し,具体的な交通事故防止策を実行する事だと思う.道路の危険を解消しない限り、事故は防止できないのである.

そんな積極的な事を行政がやると,欠陥道路を作った責任や,事故の責任が役所に来ると役人は言いそうだが,ミスを前提にした賠償責任の予算化をして,この問題から逃げてはならないと思うのである.さらに言えば、民間がやっている車の安全運転機能の開発も道路行政と連携してやるべきだと思うのである.

以上、今回の『高速バス大惨事』の判決で、原因が『運転手の眠気』とされ、道路の欠陥が追求されなかった事に疑問を持ったのである.明らかに、国交省が危険を認識した時,すぐ手を打っていれば,このような大惨事は防げたのである.さて,今回の地裁判決で結審になるのだろうか,注目したい.

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