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2014.04.24

354 政令指定都市の改革論議の活性化を

政令で指定する人口50万人以上の都市を政令指定都市と呼ぶが,現在,全国に20都市ある.この政令指定都市は横浜市の370万人,大阪市の266万人,神戸市の154万人,京都市の147万人,から平成の合併で生まれた70万人から80万人の静岡市,堺市,新潟市,浜松市,岡山市,相模原市,熊本市などの政令市がある.

これらの政令指定都市には道府県の権限の多くが委譲され,運営されているのだが,県との2重行政などの問題もあり,次のような改革案が議論されているのである.

①政令市の基礎自治体への分割と道府県集権による戦略的広域行政の推進.

数百万人の政令指定都市は市長一人と一般公務員の区長では,きめの細かい住民ービスが出来ない事から、政令市にある区を市と同じような特別区(基礎自治体)にする.(選挙による区長、区議会の設置)又、政令市の廃止によって,道府県への集権をはかり,効率的,効果的な地域の発展を図る.

これによって,住民サービスの向上,2重行政による無駄の削減,道府県全体の戦略的政策の一元化と都市間競争力の向上をめざすとしている.さらに、将来的には、地方分権の受け皿として位置づけ、中央集権国家からの脱却、国家予算の無駄削減を図る.

現在,大阪府長,大阪市長および,大阪維新の会が『大阪都構想』の実現に取り組んでいる所である.しかし、この構想に対し、地方議会や中央官庁,あるいは既得権益者は積極的ではないのである.

②政令市を,道府県から分離し,県相当の特別自治市の新設による活性化促進.

横浜市長が大都市制度として,県と同等の権限を持つ『特別自治市構想』を打している.言い換えると,横浜政令市を神奈川県の下に置くのではなく,横浜県にするイメージ.神奈川県の中で突出している横浜市ならではの意見かもしれない.

しかし、県レベルの権限を得る、政令市議会や既得権益者は喜ぶと思うが、特別自治市の中の区が従来通りなら、政令市を県にしただけになる.又、神奈川と横浜の広域行政が二頭立てで運営できるかと言う懸念もある.又、横浜が独立すると、神奈川県が飛び地で構成されるので神奈川と横浜の線引きが必要になる.

③政令指定市に『総合区』を新設し、区長の権限強化.

区長の権限を強めた総合区を設置できる案.政府の地方制度調整会の答申で,国会に提出されている案だが,導入機運なし.①②に比べて,コンセプトが弱い.

以上のように並べると,③は論外とすると、①は地方の戦略的政策を道府県に集中させ,住民サービスは基礎自治体に任せて行くと言う構想である.一方,②は従来の道府県から政令市を分離して、新たに県をつ作るイメージである.従って、現在の行政機構を前提にした案なのである.

①案か②案か,それとも,現状維持か,大阪市,横浜市,以外の政令市からの声は聞こえて来ない.それどころか,国会議員も含めて,一時,盛んであった行政改革あるいは地方分権,等の構造改革論議がトーンダウンしているのである.

改革に消極的な,あるいは,否定的な市民の声は,『構想がわからない』,『何が変わるのかわからない』,『メリット,デメリットがわからない』,等と『わからない事』を理由にする.しかし,必ずしも,よく調べて,『わからない』と言っているわけではないし、『わからない』事が恥ずかしいとも思っていないのである.これも民主主義のコストなのだろうか.

又、改革に否定的な政治家や有識者は、さすがに、『わからない』とは言えず,只、相手の案に文句を付けるだけなのである.決して、持論をもって反論する事はないのである.持論を言うリスクを避けたいのか、持論がないか、のどちらかだと思うが,その人達に対案を出せと迫ると黙ってしまうのである.

卑近な例で言えば,集団的自衛権行使の問題である.批判的な人は、『もっと慎重に検討すべきだ』,『もっとわかりやすく説明すべきだ』,『政府の憲法解釈で出来る問題ではない』,『集団的自衛権は憲法違反だ』,等と言うのである.『憲法違反だ』という人は,それなら『憲法を改正すればよいのか』と正すと、『憲法改定には反対だ』と言うのである.

この様に、批判者は、集団的自衛権行使について、必要と考えているのか、不要だと考えているのか、自分の主張を言わないのである.党として主張を持たないのは、党の分裂を避ける為のようである.結局、相手の案を批判するだけの議論になって、質問の意図がわからなくなるのである.

対案のない政党は政党ではないし、対案のない議論は議論ではないのである.小政党は数で負けても、政策で勝つ位の気概が必要なのである.数で政策が決まるなら,国会議員の頭数も、国会の審議も、いらないのである.

さて,地方分権問題で言えば,中央集権の良さは勿論あるが、それが肥大化したり,過負荷になれば,当然、分権が必要になる.現在日本は、国家予算の拡大からして,集権から分権に移る必要性があると思う.

言葉でいえば、集権と分権の良さを切り分けた『集中的分権論』である.現在の中央集権のメリット,デメリットを仕分けする事になる.勿論,分権のリスクもある.それを乗り越えるのも、日本の政治には必要だと思うのである.

又,政令市の改革で言えば、現在の政令市も、その中にある区も、他の市より圧倒的に大規模である.当然,政令市を市レベルの基礎自治体に分割し,行政を住民に近づける必要がある.同時に政令市を解体することによって,道府県との2重行政をなくし,広域の政策が機動的に,効果的に発揮できる体制になる.この体制が,今後の地方分権の受け皿になると思うのである.

勿論、地方分権や政令市の解体に反する人はいると思う.是非,対案を示すか、このままで良いと言うべきである.しかし、その考えをはっきり述べている反対者はいない.利権を失うから反対だ、とさすがに言えないのかも知れない.

ところで、大阪は徳川家康に滅ぼされて以来,商人の町に徹し,アンチ東京で、政治から距離を置いてきたと思う.その結果,大阪出身の政治家を,にわかに思い出せないくらい少ないのである.あえて言えば,塩川正十郎氏,中山太郎氏,くらいである.総理経験者で言うと,戦前の幣原喜重郎氏と鈴木貫太郎氏の二人だけである.戦後は総理を輩出していないのである.勿論,もっと多くの政治家がいたと思うが,申し訳ない事に,調べないとわからないのである.

大阪人ではない私からすると,大阪人は3枚目は演じられても,2枚目を演じられない所がある.2枚目を嫌うところもある.どうも大阪人は2枚目の大変さから逃げて,楽な3枚目でお茶を濁すところがある.商人の町ならではの習性かもしれない.

そんな習性が,大阪から政治家が輩出していなかったり、政治力が弱かったり,大阪市や大阪府で役人天国を作ったり,既得権益ががっちり守られていたり,企業の東京移転を加速させたり,都市開発に一貫性がなかったり、府と市の2重行政で巨額の無駄を生んでいたり、なよりも市民の政治への無関心を産んだり、して来たように思うのである.

そんな大阪の風土に敢然と立ちあがった人がいる.大塩平八郎以来の熱血児である橋下徹前大阪府長,現大阪市長である.少々荒っぽく,喧嘩早いところがあるが,次から次へと,おかしな行政をあぶり出し、叩きのめしているのである.それらは大阪の問題というより全国にも内在している問題ばかりである.問題の長年の放置ぶりに市民は唖然とするのである.

当ブログでもたびたび取り上げているが,橋下氏は,デベートの実力者である.多分,橋下氏に勝てる論客はいないと思うくらいである.ただし欠点がある.デベートに勝つが,負けた方が味方にならない事である.デベートに勝つほどに敵が増えるのである.橋下氏に論破された有識者は,怨念を抱き,隙あらば反撃しようとして狙っているからである.

橋下氏にとって、ここが政治家として損な所である.負けた方が味方になる勝ち方をする必要がある.たとえば,叩きのめすのではなく,いくつか相手の意見を尊重したり,自分の悩みを吐露したり,それに助言を求めたりする事である.

この様に、法廷闘争なら、勝った,負けた,で終わるのだが、政治闘争では,デベートの結果,賛同者を増やす必要がある.ここが,法廷と政治の大きく違うところである.橋下氏には、激励を込めて、弁護士から政治家に成長して欲しいと思うのである.

そんなわけで、橋下氏のような熱血漢を大阪人は大事に育てなければならないし,同時に、大坂から政治の改革を実現して欲しいと思うのである.大阪人は3枚目で茶かすのではなく,ここ一番の2枚目を押し通して、真剣に政策を考え、改革を支えて欲しいと思うのである.

明治維新は薩摩、長州で、平成維新は大阪での初心を,改革論議が下火になった今、あえて、言いたいのである.

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コメント

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投稿: Pharme659 | 2014.04.25 06:02

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