« 372 グローバル化(ボーダーレス化)と日本文化・制度の行方 | トップページ | 374 公共の場での女性のトップレスは是か否か. »

2014.10.24

373 日本経済の凋落原因と打開策

日本は資産バブル崩壊(1991年)から23年が経過したが,それ以来、日本経済の凋落は続いているように思う.

幸か不幸か,資産バブルの崩壊で,『水が引いたら湖底はヘドロだらけだった』と揶揄出来るほどに、高度経済成長期には隠れていた脆弱な産業構造や企業活動が露呈したのである.これをきっかけに、不良債権の処理,業界や企業の事業再編,日本的経営の見直し,等が始まったのである.

しかし,残念ながら,産業界はリストラに走るだけで,当時の米国の次世代を担うIT産業の,台頭のような,新たな産業の芽が出ないまま,中國,台湾,韓国の進出をゆるし,今日に至っているのである.

振り返ってみれば、日本の産業は明治維新後と先の敗戦後に出現した、たぐいまれな挑戦的な事業家によって発展してきたと思う.日本の秩序重視の農耕民族DNAからすれば、むしろ排除されるべき人材が、日本の経済を引っ張って来たのである.

ところが,バブル崩壊後、世界の経済情勢や技術が激変しているにもかかわらず,かつてような、挑戦的な事業家があまり出現していないのである.日本の凋落はどうやら、これが原因だと思えるのである.

産業界全体が、『創業経営者』から『サラリーマン経営者』に移っている事、保守・保身の精神が時代の変化に応じた『産業の新人代謝』(新たな産業の形成)を拒んでいる事,からすれば、日本の凋落は当然の帰結かもしれないのである.

この現在の日本で欠けている、『挑戦的な事業家の出現』、『産業の新人代謝の活発化』が海外で行われている事を思えば、国際的に新人代謝が行われている事になるのだが,日本としては,これを黙って見ているわけに,いかないのである.

『サラリーマン経営者』(企業内部の昇格人事で就任)の問題は,改めて言うまでもなく,ほぼ,株価や時価総額には無関心である.株価や時価総額を高めて、企業買収や資金調達をし、事業を拡大しようとする意欲、さらには、ストックオプションを使った人材の確保や社員の意識改革、等の考えは,ないのである.全く,思考が保守的,保身的なのである.言うまでもなく,経営者の役割りは企業の存続と発展であるが,サラリーマン経営者には,この社会的責任に向かって必死の努力をしている姿が見えないのである.

ただし,サラリーマン経営者でも、やれる事がある.競争力のある部品の製造である.一つの事に閉じこもって深堀する事は日本人は得意だからである.現に,世界に通用するキラー部品を多く作っているのである.然し,この美学だけでは日本経済を支えられないのである.

そんなサラリーマン経営者はリストラと言う首切りに手を染めるしか経営できないのである.現在でも、事業戦略と銘打って、リストラを掲げる大会社のサラリーマン経営者がいる.手段が目的になっている経営者にあきれるのである.そんな経営者に,事業戦略など語れるわけがないのである.

この問題から脱出できるとすれば,経営手腕のある人材を外部から入れる事である.上場企業だから,元来,純潔主義(井の中の蛙)から卒業しなければならないのである.

次に,『産業の新人代謝』の問題は、日本のDNAからして不得手なテーマであるが、明治や戦後の時代に挑戦的事業家が多く世に出たのだから、今の世でも、そういう人たちがいると思うのである.

勿論、その為の環境作りも必要だと思う.企業で言えば、企業風土の改革や持ち株制度、或はストックオプション制度は必須である.又、若者の起業しやすくなるベンチャーキャピタルの充実も不可欠である.

ベンーキャピタルは言うまでもなく,10の投資案件のうち、1件でも上場できれば、キャピタルゲインが得られて、全体の投資回収ができると言う投資ビジネスである.一方,融資を受け研究者や創業事業者は,ハイリスク・ハイリターンを覚悟した融資だから,投資者を気にすることなく、研究や事業に没頭できるのである.

少なくとも、このような事で、産業の新人代謝を促進する必要があると思う.更に,人材育成の為の大学の在り方にも改革が必要である.

極端な言い方をすれば,無意味な大学の淘汰と、意味ある大学の入学試験の廃止である.学生を人生に役立たない受験勉強から解放させ、学びたい大学に自由に入学させればよいのである.ただし、入学後、厳しいふるいにかけられる.ふるいにかけられた学生は、やりたい事、やれる事を再確認して、進路を考え事になるのである.

大学改革を整理すると,①受験勉強から学生を開放する事.②大学4年間を無駄な遊びの時間にしない事.③学生が好きな事、やれそうな事に自然と仕訳され、それに応じた人材を育成する事である.

この考え方は入口を厳しくする制度から出口を厳しくする制度に変える事を意味している.行政の規制を緩和して、日常の管理を厳しくする事と同じである.日本は大学も、行政も、入口重視で、その後は、ほったらかし、なのである.管理者側からすると、この方が責任を問われないし、楽なのである.

今、アベノミックスで経済や地方の再生を掲げているが、公金を使って、何をやるにしても、資本主義の原則、経済の原則、にかなわない政策は必ず頓挫するのである.過去の景気対策、産業政策、地域活性化政策,が成功していれば、今更、アベノミックスなどいらないはずなのである.いかに、これまでの政策が、この原則に従わず、ほかの思惑で行われていたかが分るのである.

以上、日本の凋落から脱出する為には、既企業のサラリーマン経営者は退任し,内外の手腕のある経営者や野望を持つ経営者を就任させる事、ベンチャーキャピタルを拡充して、若者の研究や起業を活発化させる事、大学の淘汰を進め、入学試験を廃止する事.等を述べた.暴論だろうか.

.

|

« 372 グローバル化(ボーダーレス化)と日本文化・制度の行方 | トップページ | 374 公共の場での女性のトップレスは是か否か. »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/134518/60526822

この記事へのトラックバック一覧です: 373 日本経済の凋落原因と打開策:

« 372 グローバル化(ボーダーレス化)と日本文化・制度の行方 | トップページ | 374 公共の場での女性のトップレスは是か否か. »