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2014.12.11

381 少子化対策を問う

『普通出生率』とは人口1000人当たりの1年間の出生数の割合を言う.一方,『合計特殊出生率』と言う捉え方もある.これは,一人の女性が一生で生む子供の平均数を言う.一般には,年齢構成や性別構成に左右されない、この合計特特殊出生率を出生率として使っているのである.

Wikipediaによると出生率、出生数の推移はこのようになっている.

日本の合計特殊出生率は,第1次ベビーブーム期には4.3を超えていたが,1950(昭和25)年以降急激に低下した.その後,第2次ベビーブーム期を含め,ほぼ2.1台で推移していたが,1975年に2.0を下回ってから再び低下傾向となった.1989(平成元)年にはそれまで最低であった1966(昭和41)年(丙午:ひのえうま)の数値を下回る1.57を記録.さらに,2005(平成17)年には過去最低である1.26まで落ち込んだ.

又,我が国の年間の出生数は,第1次ベビーブーム期には約270万人,第2次ベビーブーム期には約200万人であったが,1975(昭和50)年に200万人を割り込み、それ以降、毎年減少し続けた.1984(昭和59)年には150万人を割り込み、1991(平成3)年以降は増加と減少を繰り返しながら、緩やかな減少傾向となっている.なお,2011(平成23)年の出生数は,105万806人と前年の107万1,304人より2万498人減少した.

更に初婚年齢で見ると昭和50年〈1975年)は夫27.0才、妻24.7才、平成24年(2012年)は夫30.8才、妻29.2才と晩婚化が進んでいるのである.

このような少子化、晩婚化の傾向に対し,これを食い止めるべく,託児所,幼稚園,児童保育の充実、出産,育児への休暇制度の充実,子ども手当,児童手当等の支給,教育費の軽減,等が論じられている.

はたしてこれらが少子化を食い止める事になるのか、上記の少子化の原因と今、議論している施策とが一致しているのか,との疑問を感じるのである.

これらの少子化対策の効果が曖昧な為に,育児と仕事の両立を図る制度は女性就業者の増加とそれによる税収増、扶養控除の減が目的のように見る.又,子ども手当の発想に至っては,子供のいる家庭への現金給付である.どこに使われるかわからないバラマキであり,当然、少子化対策と言うより,選挙目当ての政策に見える.しかも、その恒久財源を借金で賄う事にでもなれば,まったく無責任な政策に見えるのである.

善意に、これらの政策を解釈すれば、子育てと仕事を両立させなければ、或は、教育費用を安くしなければ、経済的に苦しくなる人の為の支援策だと言えるのである.この善意の解釈は少子化対策と言うより、救済対策と言うべきだと思うのである.

そこで、当然の事ながら,まず、

・少子化が起こった原因を解明し、
・このまま推移した時の将来の姿を予測し、
・これに対する問題を明らかにし、
・その改善策と目標値を設定し,
・その上で,将来の姿を展望し,国家の運営を考える.

と,長期に係わる問題だけに、しっかりした分析と検討と覚悟が必要だと思うのである.

人口統計によると人口が将来8000万人台になり、4人から3人に一人の高齢者になると言う.はたして、この事実に対し、どうしたいのか、その為の施策は何か、を議論すべきだと思うのである.

東京ブラックホール現象(東京一極集中が人口減、市町村消滅を招く)も、この問題を提起しているのである.

感覚的な私見だが,別の角度から,この問題を論じてみたい.

近年の夫婦は昔のような子沢山を望まず、2人程度の子供で良しとする傾向があり,晩婚化も、これに沿っていると思う.

夫婦の希望通りに、子供を二人生んだとした時、確実に国の出生率は1.0台になり、人口は減少して行くはずである.過去の出生率の落ち込み分や分母に独身女性が含まれるからである.

過去の例で言えば,1975年以降、出生率は2.0を切り始め、出生数も200万人を切っている.そして、2005年には1.26まで落ち込み、出生数は2011年には105万人まで落ちているのである.

これから類推すると、多分、年間約200万人(現在の2倍)の出生数で出生率が2.0程度になり、やっと人口減少が止まるのである.人口を増加傾向にするには、年間200万人以上、子供が生まれなければならないのである.

そこで、まず、出生数を200万人にするには,出産適齢期女性の独身化や晩婚化を防ぎ,4人くらい出産する事になる.その為に、専業主婦を増やしたり,若者の早期自立を促進したり、その為の大学改革も必要になる.全く、現在の少子化対策とは違ったものになる.

しかし,どう見ても、人口減は食い止められないとなると,8000万人程度の人口と、その時の年齢構成を前提にした『,国の仕組みづくり』が必要になる.この対策の方が『子供を増やす少子化対策』より,ずっと深刻で重要な対策になる.

今のところ、『8000万人の国づくり』は頭をかすめる事がっても,ぞっとするだけで、目をそらしている状態だと思う.しかし,政治家も国民も、そろそろ『少子高齢化の恐ろしい現実』にどう対応するかを,正面から取り組む時期に来ていると思うのである.それだけに、託児所だ、子供手当だ、と叫んでいる政治家が虚しく感じるのである.

この危機意識から,自らの老後を考えて、両親、祖父母の協力を得て、早期結婚で、4人も、5人も、子供を産む夫婦が多くなるかも知れないのである.実はそうなる事が最も重要な少子化対策になるのである.

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