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2015.03.17

390 日本の新幹線輸出に思う事

3月14日の北陸新幹線の開通で、観光や日本の新幹線の話題が多い.新幹線の話題のほとんどは、日本の新幹線の技術が、いかに優れているか、と言う話である.

言うまでもなく、日本の新幹線は、多くの、長いトンネル,高架,カーブ,坂,等の日本独特の地形への対応、台風,豪雨,地震、豪雪,等,自然現象への対応もある.さらに、振動や音の小ささ、等の乗り心地、あるいは過密な運行への対応も、要請されているのである.普段、気づかない事だが振動を抑える事は乗り物疲れを防ぐ上でも大事な要件なのである.

日本の新幹線は、このような厳しい要件・要請に対応した技術やシステムの開発によって、安全性.高速性、快適性,が実現しているのである.一方で、日本の高速道路も同じだが、線路の建設には他国より数倍の費用と期間がかかっており,運賃料金は高いのである.

このように、技術の粋を集めた、世界に誇れる新幹線だが、輸出に当たって、留意しなければならない事がある.

いかに優秀な日本の技術を誇っても、トンネル、カーブ、台風、地震、豪雨、豪雪、或は過密な運行、などの対応が不要な新幹線には、その技術は不要だと言う事である.地平線まで、まっすぐなレールの上を走る新幹線に対して、日本の技術を自画自賛しても意味がないのである.

そう考えると、日本の技術が役立つのは,日本と同じような厳しい環境の新幹線と言う事になる.その分、世界のマーケットは絞られる事になるが、反面、地質調査に始まって,路線網設計,トンネルや高架、橋の建設、車両製造,運行システム,保守,人の育成、に至るまで、総合的に日本の技術やシステムが提供できるのである.

このような最先端の技術で実現している日本の新幹線だが、輸出においては影は薄いのである.現在の輸出の状況は台湾の高速鉄道だけである.日本の技術が中国に流出したとの話もあると言う.

一方,車両ビジネスで見ると,カナダのボンバルディア、仏のアルストム、独シーメンスのビッグ3が,世界シェアの50%以上を占めており、日本メーカーはニューヨーク、ワシントンの地下鉄車両、英国高速鉄道からの受注などの実績はあるものの、トータル1割程度にすぎないのである.ヨーロッパの車両規格が日本と全く違う事も原因のようである.

このような事態に,国内だけで自画自賛する日本人の視野の狭さ、国際市場に対する戦略性の弱さ、を感じてしまうのである.新幹線に限らず、これまでも、散々言われてきた日本の弱点である.

そして,ようやく、非ヨーロッパ、アジアでの新幹線をターゲットに、政府を含めたオールジャパン体制が始動し始めたのである.是非とも、相手国のニーズを捉えた上で、日本の技術を発揮できる市場をリサーチし,先手の提案を行って欲しいものである.新幹線は飛行機と違って,その地域の地形や自然現象に対応する必要があるからである.

従って、一方的に、日本の新幹線を自画自賛して、あげくに、『日本の技術の優秀性はわかるが、そこまではいらない』と言われないようにして欲しいのである.

相手国の実状を踏まえた提案によって、『日本の技術は我が国の新幹線に不可欠だ』と言わせたいのである.これは、新幹線に限ったことではないのである.

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