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2015.09.03

408 日本的な言い方 『わからない』への懸念

ある政策の賛・否を問われた時、『わからない』、『よくわからない』と答える人が多い様に感じる.『わからない』理由を言わないので、いくつか、その理由を想像してみた.

①自分の意見を言うと,角が立つから、『わからない』と言うケース.
②自分の意見を言うと,間違いを指摘されるから,『わからない』と言うケース.
③自分の知識・情報不足で、理解できないから、『解からない』と言うケース.
④概要は知っているが,賛・否の判断が出来ないから、『判らない』と言うケース.
⑤問題が多く論外だと言う気持ちで、『わらない』と突き放して言うケース.


この理由に次のような事が見える. 

㋑日本的な、『曖昧な文化』、『自己主張を避ける文化』の影響(①②)
㋺自分でわかろうとしない姿勢(③④)
㋩インテリ風を装って、偉そうに、物を言う性格(⑤)
 

この中で、問題は二つある.

一つは、㋑の文化の影響を受けて㋺が起こっているのではないかと言う問題である.そして、いつしか、わからない事は恥ずかしくもなく、当たり前だ、と言う感覚になっているのではないかと懸念するのである.

その証拠に、『申し訳ございません、私の勉強不足で解かりません』とは絶対言わないのである.むしろ、堂々と『わらない事は俺のせいではない』、『わからないのは、わかりやすく、教えてくれないからだ』との態度すら見えるのである.

このように、『わからない』と言う人が多いと言う事は、YES/NOをはっきり言う文化で鍛えられた人達の思考力,立論力,決断力とは、格段の差が生じる事を真剣に懸念しているのである.

二つ目の問題は、知名人が言う自己顕示的な発言の問題である.『専門家は’はにかみ’素人は’断言する’』との格言の通り『一概には言えない』と言うなら,そう言えば良いのだが、⑤㋩の場合は、自己顕示を意識した、論外の意味を含めた『わからない』である.偉そうに言う、このような発言が、ともすると否定的な世論煽動になりかねないのである.

しかし、インテリ風に見せたい、知識人に見られたい、との自己顕示欲が強い人は『批判はするが、対案が無い』事が多く、私から見ても、見識の無さが透けて見えているのである.

そんなわけで、『わからない』と言う日本的な言い方に非常に懸念しているのである.そこで、次の提言をしたい.

1.『わからない』と言う時はその理由を言うべきである.言わなければ聞くべきである.その理由を知る事で、会話が進むと思うし、アンケートでは、正しく分析できると思うのである.ちなみに、英語表現では理由によって、『わからない』の言い方が違うようである. 

2.政策立案者は、少なくとも、『政策が解決しようとしている問題は何か、その為の解決方法は何か』をハッキリと簡潔に明示すべきである.

3.一つの問題に対し、いくつかの対策案(対案)を示すべきである.これは、野党の仕事であるが、批判しているだけでは、国民に選択肢を与えられないのである.比較できる政策があって、初めて、国民は選択肢を手に入れられ、考え方や知識が広がり、自らの判断が出来るようになると思うのである.

4.解説者、コメンティターの仕事は、自分の感想や意見を言う事ではなく、国民の選択に役立つ情報を提供する事である.その為に、いろんな考え方、政策がある事を示す必要がある.各政党の対案を整理し、説明する事も重要である.自分の自己顕示欲を満足させる場ではないのである.

以上の様な事で、日本的で、曖昧な、『わからない症候群』を少なく出来るのではないかと思うのである.

民主主義制度とは、言うまでもなく、政治の責任を『国民が負う』いや『国民に負わせる』制度である.この民主主義制度では『わからない』は自分の責任を白紙委任している事になるのである.選挙でも、議会でも,『わからない』と言う選択肢はないのである.

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