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2015.12.16

419  陰陽師・安倍晴明がアイスリンクに舞った

羽生結弦が陰陽師の安倍晴明を演じ、NHK杯、グランプリファイナルと立て続けに異次元の世界最高得点を出し、フィギア界に新たな世界を切り開いた.

そこで、改めて、陰陽師・安倍晴明をWikipediaでおさらいしてみた.

陰陽師(おんみょうじ)とは陰陽道による災厄や吉凶を占う知識人である.その陰陽道は自然界の万物は陰と陽の二気から生ずるとする陰陽思想と万物は木,火,土,金,水の五行からなるとする5行思想を組み合わせた実用技術である.

この陰陽道は中国の占術・天文学の知識を消化しつつ神道、道教、仏教などからも様々な影響を受け取って,日本特異の発展を遂げて誕生したものと考えられている.

安倍晴明は921年(延喜21年)に摂津国阿倍野(現・大阪市阿倍野区)に生まれたとされる.また,生地については、奈良県桜井市安倍とする伝承もある.幼少の頃については確かな記録がないが,陰陽師賀茂忠行・保憲父子に陰陽道を学び,天文道を伝授されたという.

平安時代では,最先端の学問(呪術・科学)であった「天門道」や占いなどを,体系としてまとめた思想としての「陰陽道」に関して,安倍晴明は卓越した知識を持った陰陽師とも言われ,花山天皇、一条天皇、藤原道長、に寵愛され、当時の朝廷や貴族たちの信頼も厚く,その事跡は神秘化されて数多くの伝説的逸話を生んで行った.

安倍晴明の墓所は京都嵯峨野にあり,渡月橋の近くにひっそりと眠っている.安倍晴明を祀る神社は屋敷跡に建てられたという一条戻橋近くの清明神社や生誕地とされる大阪安倍野区に建てられた安倍神社、東国では清明ゆかりの熊野神社、尾張で毒蛇退治をした際に居住していた屋敷跡の名古屋晴明神社など全国各地に存在している.

夢枕獏が小説『陰陽師』で安倍晴明の活躍を書き、これをもとに2001年,監督滝田洋二郎、主演,野村萬斎で映画化された.『SEIMEI』は、この映画『陰陽師』をもとに作られたフィギアスケーター羽生結弦の新プログラムである.

この新プログラムを演じる羽生結弦に狂言師の野村萬斎は,こんなアドバイスをしていた.

・舞踊、狂言,能、等、決められた形があるが、その意味を理解した表現が.必要だ.
・音楽があって踊りがあるのは西洋、踊りがあって音楽があるのは日本文化だ.

京舞井上流五世家元井上八千代氏によると、井上流は、舞に形はあるが,そこに自分の思いを込め、力強さと,たおやかさを表現する、と教えているのだと言う.

いづれも、伝統に培われた形を継承しながら、新鮮な創造性をいかに表現するか、を問うているのだと思う.

この野村萬斎のアドバイスに、羽結弦は深く感銘を受けたと言う.そして
『SEIMEI』の演技では,能、狂言,舞,のような伝統芸能の要素を取り入れながら,平安時代のテーストをかもしだす事で、フィギアの新境地を切り開いたのである.

そして、『SEIMEI』は先のグランプリファイナルでは、NHK杯での世界最高点をさらに超えた完璧な演技で、世界のファンを魅了したのである.最高の技術の上に,平安時代の舞を彷彿させる妖艶な世界を演じ切ったのである.フィギアスケートの神髄を見た思いである.

かねてから,荒川静香、浅田真央の演技にも、点取り競争だけではなく、『豊かな表現で舞う』事を重視した姿勢が感じられた.高いアスリート能力の上にアーチストとしての豊かな表現を発揮したのである.フィギアスケートの大きな方向性を示したと思うのである.

最後に『SEIMEI』の着想と羽生結弦の極みの追及に大いなる敬意を表したいと思う.

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