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2016.06.08

434 舛添都知事の公私混同疑惑調査への疑念

6月6日pm4時、舛添知事が依頼した弁護士2人による疑惑調査の結果が報告された.報告では,政治資金の私的流用と指摘されている一連の疑惑について『政治資金規正法に違反するよう支出はなかった』としつつ,一部『,道義的に不適切な支出があった』と指摘したのである.不適切な支出と判断したのは、常識的に考えて、次のような場合であるとした.

・会議や打ち合わせはあったとしても、家族旅行や家族飲食が主体である場合.
・常識的に個人使用だと思われるもの.

・美術品等、購入頻度があまりにも多いもの.

この報告を聞いて、いくつか感想を述べてみたい.その前に、政治資金規正法の支出に関する法解釈に相違があると感じられ、整理しておきたい.

政治資金の支出に関する法解釈の相違

現行、政治資金規正法は政治活動を行う政治団体の政治資金の運用内容を公開し,政治活動の透明性を向上させ,民主政治の健全な発展に寄与する事を目的としている.

そして、政治資金の支出においては、投資や不動産以外、制限を付けていない.ただし,その支出内容は公開が義務付けている事から、青天井にならず、自ずとその支出は抑制され、民主政治の健全な発展に寄与するとしている.

この政治資金の『支出に制限がにない』事に関して、二つの解釈がある.

政治家や法曹界の法解釈、

政治資金規正法は原則として,政治資金の使途に制限をかけていないのだから、政治資金収支報告書に、領収書が付いていれば違法にならないとする解釈.政治活動と無関係の支出でも、政治家が政治活動費だと言えば、違法にならないと解釈しているのである.

但し、『その支出は道義的に間違っている』と政治家を糾弾する事は法律の外の話だとする考え方である.

この法解釈の根底に、政治活動に縛りをかけない、政治家が政治資金の支出で犯罪者になる事を避ける、と言う考え方で、法律が出来ていると言うのである.

今回の舛添氏の政治資金の公私混同疑惑は,この法解釈にもとづけば、違法ではないが,道義的な問題として取りざたされていると解釈しているのである.

実際、この法解釈で、多くの政治家が政治活動費とは程遠い費用を政治資金で支払っていると言うのである.政治活動資金に公金が入っている事を無視して、公金が入っていない時代の感覚で政治資金を扱っているのである.

私や世間の法解釈や常識

上記法解釈に対し、私や世間の法解釈・常識は、基本的に、政治家の判断ではなく、客観的に私的目的だと判断された費用を政治資金で支払えば違法になるとする考え方である.

その根拠は、公金の入った政治資金を私的に使っても良いはずがないと考えるからである.又、政治資金の使途が規制されていないのは、政治活動に制約を付けない為であり、政治活動と無関係の費用に支出しても良いと考えるのは、拡大解釈であり、政治資金の目的外支出に当たると考えるからである.

もっと基本的な事を言えば、政治団体は政治活動をする団体であり、その政治資金収支報告書は政治活動費に関する収支の報告だから、政治活動と無関係の支出を計上すること自体,間違っていると考えるのである.政治資金収支報告書は家計簿ではないと考えるのである.

更に付け加えれば、政治家には歳費(月給、ボーナス、退職金)以外に、領収書のいらない,文書通信交通費,立法事務費が支給されているのである.この事もあって、政治資金を私的費用に使う事は厳しく罰するべきだと考えるのである.

どの会社でも,交際費や事務費を私的な費用に使えば、いかなる弁明も出来ず、業務上横領になるし、国税からすれば、決算書の虚偽記載、利益隠し,脱税、と疑われるのである.当然、決算書は訂正し、税金も追徴されるのである.

上述の政治家や法曹界の法解釈がいかに異常であるか、もし本当にそれが正しいとしても、政治資金規正法以外の法律(刑法、商法、税法、等々)で違法性を証明できると思っているのである.

この考え方は世間の常識だと思うし、この認識を政治家や弁護士に広げる必要があると思うのである.この法解釈の上で、いくつか感想を述べてみたい.

①『不適切な支出』ではなく、政治資金の目的外使用で『公金横領』である.

弁護士の判断は,家族旅行費,,物品購入費,,飲食代,に違法性はない、但し、私的な目的が主体であると判断した費用は不適切な支出だとして指摘した、とまさに、上述の政治家、法曹界の法解釈に沿った判断をしたのである.

これに対し,私的費用だと認定したのだから,その費用(家族の宿泊費、飲食費、物品購入費等)は『不適切な支出』ではなく,『政治資金の目的外使用、公金横領になる』と言うべきだと考えるのである.

今回、家族旅行費用を政治活動費で計上している事に関して、会議があったからと説明したり、物品購入を政治活動に使っているからと説明して、その正当性を主張していたが、いづれも、説得力に乏しく、嘘っぽく聞こえた為、道義的問題と言うより、領収書の偽装、公金横領、詐欺、の疑惑が高まったのである.

政治活動と無関係の費用を計上しても、政治活動費だと言えば違法にならないとする政治家や法曹界の考え方をとれば、私的生活費までも政治資金で支払える事になるのである.

前項で述べた通り、現政治資金規正法においても、政治活動費で計上された中に、客観的に私的目的の費用が計上されていれば、目的外使用、公金横領になるとすべきである.

いずれにしても、私的目的の費用を計上すれば偽装、虚偽、横領になる事を政治家は認識すべきだと思う.それが公金に対する基本的な考え方であり、それを守れば、問題は起こらないのである.そして,堂々と政治活動費を使えば良いのである.その事を現在の政治資金規正法で読み取れるのである.

舛添氏の政治資金の支出に関して、どのような認識があるのか、確認する所から疑惑問題を議論すべきだと思うのである.

・私的費用を計上しても違法ではないと思っているのか、
・私的費用を計上すれば違法だと思っているのか、
・私的費用を実際に、計上しているのか、いないのか、
・私的費用を政治活動費に偽装して計上していないか、

その上で、個々の支出の内容を精査して欲しいのである.

②副知事や弁護士の報告はあっても、舛添氏からの報告がない.

そもそも、最初から、おかしかった.公的な第三者委員会による調査報告でもないのに、都議会に対しては副知事が舛添氏が国会議員時代の事まで報告し、又、記者会見では弁護士が報告しているのである.

あくまでも舛添都知事の自費による私的な調査の結果であるから、都議会でも、記者会見でも、舛添氏が報告すべきであったと思うのである.

当然、マスコミや都民が指摘した問題について、事実なのか、事実ではないのか、事実なら、何故、そんな事をしたのか、自身の調査を基に、自身で説明すべきなのである.

いくら、弁護士の報告した通りですと言っても、説明責任が果たせたとは思われないのである.逃げているとしか思われないのである.ましてや,弁護士の報告が甘いと言う印象があるだけに不信感が増幅しているのである.

どう見ても、舛添氏は『,ばれないから』或は、『ばれても問題にならないから』、と意識的に、私的支出を政治資金で払っていたと思われているのだから、本人の弁明を聞きたいと言うのは当たり前の要求なのである.

舛添氏は、真摯に疑惑を受け止め、反省していると言うなら、個々の疑惑について自分で説明すべきなのである.これなくして、舛添氏の信用回復はあり得ないし、これから頑張るからと言う話でチャラには出来ないのである.

③弁護士は支出に違法性はないと言うが、調べた形跡はない

すべてにおいて、違法性はないと弁護士が言うが、不適切な支出も含めて、すべての領収書に虚偽がないか調査したのだろうか.

私的支出を政治資金で払う為に、領収書の但し書きに、資料代とか、会議費と書いたり、あて先を政治団体にしたり、或は、但し書きの無い領収書を政治活動費としていないか、当然、調べた上での判断なのだろうか.

記者がこの事を弁護士に質問した時、

『あなたは事実確認の意味を分かっていない、何に使っても合法だから事実確認をする必要がない』と言う趣旨の事を言ったのである.

会場の記者は唖然としたのだが、記者が横領や虚偽記載の有無を調査してから違法性の有無を判断すべきだと追及すべきだったと思う.

この弁護士の答弁で、一気に報告書の信憑性が地に落ちたのだが、.それでも、権威がある弁護士を信用しろ、とでも言うのだろうか.極めて上から目線の態度に、思考の狭さを感じたのである.

調査結果はあくまでも舛添氏側の報告であるから、真の公私混同の調査はこれから始まるのである.当然、私的支出の計上理由を本人にただしながら,都知事の政治資金収支報告書や舛添氏の政治家としての資質を評価をすべきだと思うのである.

④舛添氏の『厳しい指摘』と何回も言った心の内が透けて見えた.

弁護士は常識的に見て、多くの不適切支出があったと言ったが、これを、舛添氏は厳しい指摘だと言うのである.

私から見たら,上述の通り、弁護士は甘すぎる指摘をしていると感じたのだが、それを、厳しいと言うのは、自分は、不適切もない、真っ白だ、当然、公私混同はない、と思っていたからだろうか.当時、どんな考え方をして収支報告書を作っていたのだろうか、是非聞いてみたいのである.

又、舛添氏は『厳しい』と繰り返えす事で,『厳しい指摘であったが、違法性はなかった』と結論図けたいのだと思う.その魂胆が、『厳しい指摘を真摯に受け止め、反省し,信頼回復に努めたい・・・』に表れているのである.

思わず,『疑惑の決着がまだついていない』と突っ込みたくなるだけに、舛添氏の魂胆は虚しく聞こえるのである.

私の感想は以上であるが、

都議会での追及がいよいよ始まった.弁護士の報告は舛添氏の私的調査であるから、都議会としては、最初から、舛添氏の行為について問いただす事になると思う.そして、どうして常識では考えられない事をしたのか、徹底的に本人を追求すべきだと思う.

それを通じて,都民の代表として、都知事として、適切かどうか、国民,都民,都議会が判断する事になる.また、疑惑に対する訴訟があると言う.こちらの方も注視したい.

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