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2016.06.18

435  舛添都知事の公私混同疑惑騒動の総括

6月15日、舛添都知事の一連の公私混同疑惑に対し,これを乗り越えられず、結局、都議会の不信任案の可決が,はっきりした段階で、自ら辞職を申し出たのである.辞職に追い込まれた理由は次の3点である.

・東京都民の辞任要求が99%にまで至った事.
・野党は参院選の好材料として、百条委員会、不信任案決議に持ち込みたい.
・与党は参院選の悪材料にならない様に早く辞職させたい.

このように、舛添氏は四面楚歌になったのである.これは前代未聞の辞任劇である.振り返ってみると、舛添氏へのバッシングは、おおよそ、こんな事で急拡大したのである.

①海外主張の公私混同、豪華さへの批判
②政治資金の公私混同疑惑(
家族旅行、多数の美術品や趣味の物品購入、等)
③公用車の公私混同使用(別荘通い等)

④毎週の別荘通い、多い美術館訪問、
⑤週末の危機対応問題
⑥未訪問問題(都区内福祉施設や東日本被被災地)
⑦危機対応意識の問題.
⑦の介護を美談にした嘘(介護はしていなかった疑惑)
⑧政治家になる前の言動との不一致疑惑(指摘した問題のブーメラン現象)
⑨翻訳本疑惑(東大助教時代)
⑩記者会見や都議会での噛み合わない応答

この中で⑩の質疑応答のまずさを上げてみたい.

㋑弁護士の調査報告の位置づけが曖昧になった.
著名な弁護士の報告書で早期に疑惑の幕引きを図りたかったのか、本人から疑惑に対する説明もないまま、いきなり、厳しい指摘を受けた,真摯に受け止め、反省したい、と言ったのである.この姿勢に、政治家としての説明責任が欠如しているとの批判が起こったのである.

そして、調査報告書とは別に、ゼロからの疑惑質疑が進む中で、弁護士の調査報告書と、舛添氏の発言に相違(下記の㋩)が発生し、さらに批判が高まったのである.結局、『弁護士の調査報告書は、何だったのか』となったのである.

㋺甘い弁護士の指摘を『厳しい指摘を受けた』と繰り返し言った事
誰もが甘い指摘、調査不十分の指摘、との印象がある中で、厳しい指摘を受けたと繰り返す事で公私混同疑惑を、これで終わりにしたとの思惑も見えてしまい更なる反感を招いたのである.

㋩弁護士の『不適切支出』の認識が変わって行った事
弁護士は『違法ではないが(私的流用に近い)不適切な支出があった』と指摘した事を認め、謝罪し、返金すると言いながら、一方では.私的費用の流用疑惑を追及されると、、今度は、,私的目的ではなく、あくまでも,政治活動が目的だったと、不適切支出ではない事を力説し始めたのである.結果,弁護士の報告と舛添氏が言っている事に相違が生じる事になったのである.

そして、舛添氏の説明に失笑を買う程、説得力がなく、逆に,偽装による私的流用ではないかとの疑いが強まって行ったのである.

結局、『不適切支出』を『正当な支出』と説明したものの,その弁明が失敗し,逆に『偽装支出』の疑いが強まり、『違法性なし』が『違法性あり』に、マスコミの報道も『公私混同疑惑』から『私的流用疑惑』に変わって行ったのである.

㋥『指摘を真摯に受け止め、反省し・・』を常套句の様に繰り返した事
これでは質問に答えている事にならず、事実の説明責任が全くなされていないとの批判が大きくなって行ったのである.聞いてる方からすると、謝るのは早すぎる、まだ疑惑が解明されていないのだから、と突っ込みがあったと思う.

㋭『リマオリンピック終了まで不信任案提出を延ばして欲しい』と議会に懇願した事
日本及び東京の名誉にかかわるので、不信任案の提出を待って欲しいとの懇願は全く説得力もなく、納得も得られなかった.本音は、個人的にみっともないと思ったからだと思う.プライドが高いだけに、せこい事で首になったとは、恥ずかしくて言えない、と言うのが本音だと思う.

挙げれば切りがないが、全体を総括すると、

・『弁明方針』に問題があった.
議会やマスコミや都民が、何に不満があるか知った上で、弁明方針を立てるべきだったと思う.ど
うやら、手前勝手に、強気の姿勢からスタートした事が、悪循環の始まりになった感じである.

最初は、違法性がなければ乗り切れると強気の姿勢であった.不信感、不支持が多くなると,今度は、謝罪と減俸、今後の決意、で幕引きに走ったのだが、疑惑に対する説明がないとされ、弁明が懇願に変わり、辞任に追い込まれたのである.

又、繰り返された『お詫び』が何に関するお詫びか、はっきりしていなかった為、逆に心が入っていないと,反感を買う事になったのである.謝罪の仕方は、実は極めて難しいのだが、いかにも、軽い印象を与えたのである.これも,弁明方針の問題だったと思う.

ところで、不祥事や事件に関する、個人、企業、団体、の弁明、謝罪は、率直、誠実、覚悟、が必要だが,一方ではダメージを必要以上に大きくしない事も考えなくてはならないのである.そこで、最悪の事態を想定し、世間の批判がどこにあるのかを確認して.弁明、謝罪の方針を決めなければならないのである.

残念ながら、舛添氏には、助言するスタッフもなく、弁明方針も深く検討しないまま、無防備に疑惑問題の前に立った感じがするのである.

・バッシングの対象が極めて曖昧であった
もう一つ全体として問題を感じたのは、今回の公私混同疑惑に関して,テレビ、雑誌が連日取り上げたが、政治家、マスコミ、一般人は,下記のどの事にバッシングしていたのだろうか.

①海外旅行が公私混同、豪華すぎだから.
②公用車の使い方が公私混同しているから.
③私的費用が政治活動費に計上されている事は合法だが、道義的に問題だから.
④③は合法ではなく公金の目的外使用,公金横領になるから.
⑤私的費用を偽装して計上している事は虚偽,公金横領,詐欺になるから.
⑥多くの指摘に対し、自らの説明責任を果たしていないから.
⑦品格,人間性が問題だから.

舛添氏本人も何がバッシングされたのかわからい状態かも知れない.何の落ち度もない、何故、私だけがバッシングされるのか、と思っているかもしれない.或は、自分の這い上がった人生を振り返って、無理があった、調子に乗り過ぎた、と思っているのかも知れない.

どうやら、誰しもが、今となっては、あまりにも多くの問題がありすぎて,結局は『品格の問題だ』としている人が多いと多いと思う.しかし、それで済まされたら、『政治家の皆さん、品格を汚すような事は,しない様に.』で終わってしまうのである.

ましてや『品格のない政治家は首だ』とはならないのである.品格を図る物差しも,情報も、ないからである.もし,品格ばかりが強調されると、政治家はいなくなるかもしれないのである.

又,選挙で人物評価だけで選択されると,政治理念も、政策もない,人畜無害の品行方正の政治家が増え、難しい政治課題に対応できなくなる、と言う問題も出てくるのである.

改めて言うが、政治家は何を問題にしていたのだろうか.単なる、『他党批判の材料』であったのかも知れない.それとも、世間と同じように、』『品格の問題』だと言うのだろうか,

私としては、全政治家が,公金である政治資金の支出に関して、法律問題以前に、①②③④⑤⑥⑦の事で指摘される事のない様、自らを律したい、と言って欲しいのである.それで、政治活動に支障が出るわけではないのである.政治家に、この意識改革がなければ、『今回の騒動は何だったのか』になるし、いかに政治資金規正法を改正しても、この問題はなくならないのである.

こんな『せこい事』で,人格を問われたり、政争の具になったり、政治を停滞させたり、辞職に追い込まれたり、してはならないのである.もう、うんざりである.

 
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